
新中期経営計画のもとで、 既存事業の強化を図るとともに、
次なる成長に向けた取り組みを強化いたします。
これまで当社は、ローリング方式で中期経営計画を開示してきました。その理由は、当社を取り巻く事業環境の変化が激しいことから、毎年状況を見極めて戦略を見直しつつ対応していくことが合理的であり、そのことを多くのステークホルダーの皆さまにもご理解をいただいていたからです。一方で、当社としてもより多くの従業員がマクロ的な視点からの事業環境認識を高め、中期経営計画により強くコミットしていくことが結果として当社の成長力を高める原動力になると考えました。
そこで今回、ラクト・ジャパンをより深くご理解いただくために、新たに3年の固定方式を採用した中期経営計画を発表しました。
新中期経営計画における経営方針の成長シナリオについては、従来と同様に「ベース」、「グロース」、「チャレンジ」の3つに整理しています。まず、「ベース」である既存事業においては、事業環境を適切に見極めながら、工夫を凝らして進化を続けていきます。次に、「グロース」としては、東南アジアにおけるプロセスチーズの製造・販売を核として、アジア事業を拡大させていきます。そして、「チャレンジ」としては、健康につながる機能性食品事業の展開など次世代ビジネスの構築を推進していく計画です。
私は、以前から世界的な市場の飽和や1995年をピークとする国内の生産年齢人口の低下に危機感を持ち、将来にわたって持続的な企業価値の拡大を実現していくためには、ラクト・ジャパンが自ら需要を創造していかなければならないと考えていました。新中期経営計画の「ベース」、「グロース」、「チャレンジ」には、私自身のそうした想いも反映されており、特に「グロース」、「チャレンジ」においては自ら需要を創造するための具体的な道筋を提示しています。
新たな需要の創造という点において、当社が展開する東南アジアでのプロセスチーズの製造販売は、その成功例の一つだと認識しています。当社が同事業を開始した当時、東南アジアにおける業務用プロセスチーズの市場は無いに等しい状態でした。そうした中で、ラクト・ジャパンがフロントランナーとなり、多くの苦労や困難を乗り越えながら新たな市場を創造し、拡大してきました。今後も東南アジアにおける成功例に満足することなく、新たな市場創造に向けた取り組みを加速させていきたいと考えています。
また、経営の健全性、透明性、効率性を確保する基盤となるガバナンスについては、これまでその強化・高度化に注力してきました。この背景には、東京証券取引所が策定したコーポレートガバナンス・コードを遵守するためだけでなく、強固なカバナンスの確立こそがラクト・ジャパンが持続的に成長するための不可欠な基盤になるという私自身の強い認識と意思があります。今後もガバナンスの重要性を強く認識し、その徹底とさらなる高度化に努めていきたいと考えています。
