
株主・投資家の皆さまからの声に真摯に耳を傾け、
商社機能とメーカー機能の両輪で、持続的成長を目指していきます。
当社グループは、2023年に長期ビジョン「LACTO VISION 2032」を策定しました。重点施策として、既存商品の深掘りや新たな商材の提案などにより実現する「取扱商品の拡大」という縦軸と、輸入商社の枠を超えた「機能の拡充」という横軸をそれぞれ広げていくことによって、2032年の目指す姿として掲げる「複合型食品企業」へ進化することを目指しています。
「取扱商品の拡大」においてキードライバーとなるのは機能性食品原料の拡販です。当社は、2020年に事業開発本部を新設しました。同本部では乳由来の機能性食品原料などの新たな商材の開発に取り組んでいます。その代表例が乳由来の高たんぱく原料であり、健康志向の高まりが追い風となって、順調に販売が拡大しています。乳由来の高たんぱく原料は、その製法によって成分などの製品特性が変わります。当社は世界でも技術力のある乳製品の大手仕入先と長年の取引があり、各社の製品特性を理解しているため、プロテイン製品のメーカーやブランドオーナーの多様なニーズに合わせた原料を提案することが可能です。このような強みを活かし、機能性食品原料の販売だけでなく、乳製品と機能性食品原料を掛け合わせるなど、新しい付加価値を提案できる「商品の複合化」にも取り組んでいきます。
「機能の拡充」という観点でキードライバーとなるのは、アジアにおけるチーズ製造販売事業です。当社は2003年からシンガポールでチーズ製造販売事業を開始しました。現在では、タイ、インドネシアにもチーズの製造・加工工場を展開しています。私自身、2016年にシンガポールに赴任し、アジア地域における乳製品市場の拡大を目の当たりにしました。今後もチーズをはじめ、乳製品の需要がさらに拡大していくものと確信しています。当社では、チーズ製造販売事業の拡大を加速させるべく、シンガポールで新工場の建設を進めており、10年後には製造量を現在の3倍に増やすことを目指しています。また将来、当社事業とのシナジー効果が期待できるチーズ以外の新たな製品の製造についても可能性を模索していきます。
このような縦軸と横軸への事業の広がりに加えて、当社グループがこれまでの歩みのなかで構築してきた調達・販売ネットワークのさらなる拡充を図り、商社機能の強みに磨きをかけることで、「複合型食品企業」としての成長を目指します。
今般、代表取締役社長を拝命し、私自身の役割は、取引先の経営層との関係を強化するとともに、最前線で活躍する現場の社員にとって働きやすい環境をつくっていくことであると認識しています。これからも時間の許す限り現場に足を運び、社員とともに汗をかきたいと思っています。また、当社グループの事業内容や業績、今後の成長に向けた取組みを外部に発信することも、経営トップとしての重要な役割のひとつであり、IR活動についても積極的に取り組んでいきます。株主・投資家の皆さまからの声を真摯に受け止め、持続的成長の実現に向けて精進してまいりますので、ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
