2026年11月期 中間期(2025年12月~2026年5月)の決算サマリー

事業概況

当中間連結会計期間(以下、「当中間期」)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移したものの、物価上昇の継続に伴う個人消費の鈍化がみられるなど、景気の持ち直しは限定的なものとなりました。また、世界の景気動向は、国際情勢を巡る地政学リスクの高まりにより資源価格が上昇するなど、先行き不透明な状況が継続しました。

 

国内の食品業界においては、人件費の上昇に加え、中東情勢の影響による原材料費や物流費の上昇を背景として、物価上昇圧力が一段と強まり、消費動向にも陰りがみられました。当社の主要市場である国内乳業界においては、飲用乳をはじめとした乳製品の需要低迷に起因する生乳需給の緩和により国産脱脂粉乳在庫が増加しており、対策事業が継続しています。

 

このような事業環境の下、当社グループにおいては、国内の乳製品原料およびチーズの需要が弱含んだことや国産脱脂粉乳の在庫対策の影響などにより、日本、アジアともに乳原料販売で苦戦を強いられました。一方、食肉食材部門やライフサイエンス事業部門は、国内の需要動向を的確に捉え、販売は順調となったほか、アジアのチーズ製造販売部門の販売も順調に推移しました。これらに加えて、円安の影響を受けて販売単価が前年同期比で上昇したことから売上高は前期を上回りました。

 

利益面では、前期、営業外収益に計上した一過性の利益である受取補償金6.5億円が今期はなくなったことや、乳原料・チーズ部門における一部取引に関して、費用のみを先行して計上したことによる影響で利益率が低下したこと、さらには、本社移転に係る費用を主因とした販売費及び一般管理費の増加などにより前年同期比では減益となりました。一方で、期初に想定していたシンガポール新工場や本社基幹システムの稼働時期の遅れに伴い、費用計上時期が後ろ倒しになったことから、経常利益は期初予想を上回る結果となりました。

 

以上の結果、当中間期の売上高は978億66百万円(前年同期比2.7%増)となりました。また、営業利益は27億81百万円(前年同期比22.1%減)、経常利益は24億75百万円(前年同期比35.4%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は17億48百万円(前年同期比37.5%減)となりました。

連結経営成績(累計)

  2025.11期 中間期

2026.11期 中間期

増減率
売上高

95,293百万円

97,866百万円 2.7%
経常利益 3,832百万円 2,475百万円 △35.4%

親会社株主に帰属する

中間純利益
2,797百万円 1,748百万円 △37.5%

 

乳原料・チーズ部門の状況(中間期)

2026年11月期 中間期(2025年12月~2026年5月)

売上高 :626億93百万円(前期比0.0%増)
販売数量 :81,952トン(前期比5.6%減)

国内の需給動向

  • 物価上昇圧力が一段と高まるなか、消費動向には陰りがみられた。
  • 食品の価格改定の動きが継続。
  • 国内乳業界では、飲用乳をはじめとした乳製品の需要低迷から生乳需給が緩み、国産脱脂粉乳在庫が増加。

 

当社の状況

  • 主要な乳製品原料の国際相場は2025年後半以降、調整局面に入ったものの、円安基調が継続したことから、仕入価格は高値圏で推移。輸入原料販売における事業環境は依然として厳しい状況。
  • 乳原料販売は、物価上昇の影響により、食料品全般の需要は低調に推移し、販売数量は前年同期比で減少。
  • バターは、価格競争力のある産地からの原料調達が進んだことにより、販売数量は前年同期比で増加。また、アイスクリームおよび高たんぱく製品関連の原料販売も堅調に推移。
  • チーズ販売は、価格改定の影響により需要が低調に推移し、国内のチーズ輸入量が減少傾向。そのため、当社のチーズ販売数量も前年同期比で減少するも、調達力を活かし、価格競争力のある原料を確保できたことから、販売は底堅く推移。
  • 円安の影響による販売単価の上昇が寄与し、当部門の売上高は前年同期並みを確保。

 

トピック

  • 国内の生乳需給が緩み国産脱脂粉乳の在庫は増加傾向にあるなか、2026年度においても、需給調整を目的とした対策事業は継続して実施。
  • 中長期的なたんぱく需要の高まりを見据え、新たなたんぱく原料として期待される「ルビスコたんぱく」の開発・製造を手がける企業へ出資し、パートナーシップを強化。

食肉食材部門の状況(中間期)

2026年11月期 中間期(2025年12月~2026年5月)

売上高

:118億93百万円(前期比2.9%増)

販売数量 :16,713トン(前期比3.3%増)

国内の需給動向

  • ハム・ソーセージなど食肉加工品は値上げの影響で販売が伸び悩み、加工向け豚肉需要はやや低調。

 

当社の状況

  • チルドポークの販売数量は前年同期を下回ったものの、フローズンポークの販売は好調に推移。
  • スペイン産豚肉の輸入停止に伴い、同国産の豚肉や生ハムの販売は減少したものの、代替調達先の確保により供給体制を維持できたことに加え、代替調達先を求める新規顧客からの引き合いが増加したことから、フローズンポークの販売数量は増加。
  • 鶏肉関連商品を含む加工食品ならびに、前期より取扱いを開始した香辛料・香辛料抽出物の販売はいずれも順調に拡大。

 

トピック

  • スペイン産豚肉の輸入停止を受け、代替調達先を求める顧客からの引き合いが増加し新規販路の開拓につながる。平時から複数の調達先を確保してきたことにより、安定供給面で競争優位性を発揮できた好事例。

ライフサイエンス事業部門の状況(中間期)

2026年11月期 中間期(2025年12月~2026年5月)

売上高 :63億16百万円(前期比67.1%増)
販売数量 :4,273トン(前期比40.4%増)

国内の需給動向

  • 世界的な高たんぱく原料需要の高まりを背景に、国際相場は上昇傾向が継続。また、円安傾向の継続により、原料の輸入価格は引き続き高水準で推移。
  • 乳由来のプロテイン製品原料の価格高騰を受け、一部の顧客では、植物由来へシフトする動きもみられた。

 

当社の状況

  • 調達力を活かし、安定供給体制を維持するとともに、取引先のニーズに即した提案・対応を推進し、大豆たんぱくを中心とした植物由来原料の販売も増加。
  • 原料調達から最終製品の製造受託にまで関わる幅広いサポートを行うビジネススタイルが定着し、包装・資材をはじめとした顧客のビジネスに関連するさまざまな商品の取扱いも拡大。

 

トピック

  • 高たんぱく原料は、世界的な需要の高まりを背景に、供給がひっ迫した状況が継続しているが、当社グループのサプライネットワークを活用し、安定供給面で競争優位性を発揮。
  • 日本および東南アジアで拡大する抹茶需要に対応し、日本産抹茶の販売拡大を推進。

アジア事業(乳原料販売部門)の状況(中間期)

2026年11月期 中間期(2025年12月~2026年5月)

売上高 :118億54百万円(前期比4.5%減)
販売数量 :18,943トン(前期比8.4%減)

東南アジア・中国の需給動向

  • 中東情勢を巡る不透明感の高まりを受け、中国および東南アジア各国の景況感は低調に推移。

 

当社の状況

  • 日系食品メーカー向けを中心に、東南アジア地域における現地向け原料販売は堅調に推移。
  • 日本における脱脂粉乳在庫の増加を受け、日本向け粉乳調製品関連ビジネスの回復には遅れがみられたものの、販売先の製造スケジュールに即して原料を供給したことで、当中間期の販売は堅調に推移。

 

トピック

  • 日本産抹茶やサプリメント原料など需要が高い商品については、ライフサイエンス事業部門と連携し、関連商品の拡販を推進。

アジア事業(チーズ製造販売部門)の状況(中間期)

2026年11月期 中間期(2025年12月~2026年5月)

売上高 :38億51百万円(前期比22.6%増)
販売数量 :3,143トン(前期比11.2%増)

東南アジア・中国の需給動向

  • 東南アジア地域におけるチーズ消費は引き続き拡大傾向。

 

当社の状況

  • 現地の外食産業やベーカリー、加工食品メーカー向けを中心に、需要は堅調に推移。
  • プロセスチーズ、ナチュラルチーズ加工品ともに、販売は好調に推移。
  • 特にマレーシアでは、政府による家計支援策としての国民への現金給付の影響により加工食品の需要が高まり、当社が製造する関連原料(チーズ)の販売が好調に推移。

 

トピック

  • シンガポール新工場は、建設工程の遅延により稼働開始時期が後ろ倒しとなり、2026年下期中の生産開始を予定。各種認証の取得などに一定の期間を要するため、本格的な商業生産は2027年11月期からを見込む。

為替影響と会計上の表示について

当社は基本的に為替リスクは負わないビジネスモデル

当社の基本的な取引においては、海外仕入先との外貨建て仕入契約締結と同時に、国内顧客と円貨の販売契約を締結しています。その際、仕入外貨額に対する為替予約をすることで為替リスクをヘッジしております。

 

但し、当社は外貨為替会計処理基準における原則法を採用しており、そのため会計上の表示が特徴的

その特徴は、営業取引の各段階に応じて、会計処理に使用する為替レートが異なるため、営業取引の途中段階において、会計上の為替差損益が生じる点です。

 

その結果、仕入契約時に為替リスクをヘッジした場合でも、営業取引の途中段階においては、為替差損益が、売上原価と営業外損益に分かれて計上され、営業外損益のみならず、売上総利益及び営業利益についても為替表示の影響を受ける場合があります。

 

その他、決算期をまたぐ取引の場合は会計上、為替差損益が先行して計上される場合がある

決算期をまたぐ取引(翌期以降に販売)については、仕入決済を行い棚卸資産として計上したものの、売上計上の時期が翌期となり、仕入決済にかかる為替差損益のみが先行して計上され経常利益に反映されます。