2025年11月期(2024年12月~2025年11月)の決算サマリー

事業概況

当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇の影響による消費マインドの弱さがみられたものの、雇用と所得環境の改善による個人消費の持ち直しや好調なインバウンド需要などにより、国内景気は緩やかな回復基調が続いています。一方、世界の景気動向は、米国の関税引き上げ政策や、ロシア・ウクライナ戦争の長期化、中国の景気不振などから、先行きは依然として不透明な状況です。

 

国内の食品業界においては、原材料価格の高騰に加え、人件費や物流費など各種コストの上昇を販売価格に転嫁する動きが続き、消費者の購買意欲は低下しました。当社の主要販売市場である国内乳業界でも、乳価改定を反映した製品値上げにより、乳製品の消費が鈍化しました。また、生乳生産が好調に推移したことから、国産の脱脂粉乳在庫は若干の増加傾向がみられました。

 

このような状況下、当社グループでは、長期ビジョン達成に向けたファーストステップとなる中期経営計画「NEXT-LJ 2025」の達成に向けて一丸となって取り組みました。その最終年度である当会計年度は、国内の乳原料・チーズ部門で販売数量が伸び悩むなかでも付加価値の高い商品の販売が増加したことや、成長分野である機能性食品原料部門やアジアのチーズ製造販売部門の販売が好調に推移したことに加え、中間期に一過性の営業外収益を計上したことから計数計画のうち利益目標および財務目標を達成することができました。

 

以上の結果、当連結会計年度(以下、当期)の売上高は1,828億16百万円(前期比7.0%増)となりました。また、営業利益は59億47百万円(前期比33.5%増)、経常利益は57億96百万円(前期比34.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は43億17百万円(前期比37.2%増)となりました。

連結経営成績(累計)

  2024.11期 4Q

2025.11期 4Q

増減率
売上高

170,907百万円

182,816百万円 7.0%
経常利益 4,320百万円 5,796百万円 34.1%

経常利益に含まれる

為替影響額
△71百万円 △76百万円

為替影響額調整後の

経常利益

4,392百万円 5,872百万円

33.7%

親会社株主に帰属する

四半期純利益
3,146百万円 4,317百万円 37.2%

 

乳原料・チーズ部門の状況(通期)

2025年11月期(2024年12月~2025年11月)

売上高 :1,186億79百万円(前期比3.9%増)
販売数量 :165,501トン(前期比6.2%減)

国内の需給動向

  • 最終製品の値上げにより食品全般に消費減退の動きがみられた。乳価改定を受け製品値上げが実施された乳製品も消費鈍化。
  • アイスクリームやプロテイン製品など、一部の食品市場は引き続き拡大傾向にあり、関連する乳製品原料需要は旺盛。
  • 前期と比較し飼料価格が落ち着いていたことや、6月に加工乳向け・8月に飲用乳向けの乳価が改定されたことを受け、酪農家の生産意欲が向上。日本の生乳生産量は主に北海道で好調に推移。

 

当社の状況

  • 主要な乳製品原料の国際相場は年前半から半ばにかけて高値圏で推移。為替も円安傾向が続いたため、輸入原料販売においては厳しい事業環境となった。
  • 物価上昇の影響により、食料品全般の需要は想定を下回る水準で推移し、乳原料販売の販売数量は前期比で減少。
  • ただし、アイスクリームおよび高たんぱく製品の市場は拡大傾向にあり、関連する原料の販売数量は堅調に推移。
  • チーズ販売においても製品値上げの影響が大きく、小売り向けを中心に需要が引き続き低調。
  • 乳原料販売、チーズ販売ともに販売数量は前期比で減少となったものの、原料相場と為替の影響などにより、販売単価が前期を上回る水準で推移したことから売上高は前期比プラスで着地。

 

トピック

  • 乳由来の高たんぱく原料や、バター・クリームなどの脂肪系乳原料は世界的に需要が高く、来期以降もこの傾向が継続する見通し。
  • 需給バランスの悪化により国産脱脂粉乳の在庫が増加傾向。

食肉食材部門の状況(通期)

2025年11月期(2024年12月~2025年11月)

売上高

:227億70百万円(前期比4.5%増)

販売数量 :32,794トン(前期比3.0%増)

国内の需給動向

  • 物価上昇の影響により、豚肉に加えてハム・ソーセージなどの豚肉加工品の需要も軟調に推移。

 

当社の状況

  • 主力商品である輸入ポークの国際相場は一年を通じて高値圏で推移し、さらには円安傾向が続いたことにより内外価格差が縮小。
  • 新たな調達先の開拓や、顧客ニーズに即した提案を積極的に行った結果、販売数量は増加。
  • 鶏肉関連商品は、既存顧客向けの販売が堅調に推移したことに加え、新規取引先の開拓も進展し、販売数量は前期比で増加。
  • 当期より、ドイツの老舗香辛料メーカーの国内代理店として香辛料・香辛料抽出物・岩塩等の取扱いを開始し、販売は順調に推移。

 

トピック

  • 当期より、新たに開始した香辛料や香辛料抽出物、岩塩等の販売において、既存ビジネスとの連携を強化。
  • 新たな調達先の開拓を推進し、産地リスクの低減を目指す。

機能性食品原料部門(現・ライフサイエンス事業部門)の状況(通期)

2025年11月期(2024年12月~2025年11月)

売上高 :95億94百万円(前期比86.6%増)
販売数量 :7,073トン(前期比68.4%増)

国内の需給動向

  • 世界的な高たんぱく原料需要の高まりを背景に、国際相場は高止まり。また、為替相場が年間を通じて円安傾向であったことから、原料の仕入価格は高値圏で推移。
  • 国内のプロテイン市場は拡大基調が続く。乳由来のプロテイン製品原料の仕入価格高騰を受け、一部の顧客で、原料を植物由来へシフトする動きもみられた。

 

当社の状況

  • 世界的に高たんぱく原料の引き合いが高まるなか、当社の強みである調達力を活かし、安定的な原料供給を実現。販売数量の増加により大幅増収。
  • 当期は、大豆たんぱくを中心とした植物由来の高たんぱく原料拡販にも注力。
  • 顧客ニーズに沿ったサプライチェーン構築の支援が評価され、既存・新規ともに取引が拡大。

 

トピック

  • 高たんぱく原料以外の機能性原料の取扱い拡充に向けて原料開発に注力。
  • さらなる拡販に向けて、東南アジア地域での原料および製品の販売に取り組む。

アジア事業(乳原料販売部門)の状況(通期)

2025年11月期(2024年12月~2025年11月)

売上高 :228億19百万円(前期比5.7%増)
販売数量 :38,078トン(前期比4.2%減)

東南アジア・中国の需給動向

  • 中国の景気減速の影響は続くも、東南アジア各国における乳製品需要は引き続き伸長。
  • 輸入乳原料の取引数量は、コロナ禍以前の水準まで戻りつつある。

 

当社の状況

  • 日系食品メーカーを中心に、東南アジア地域における現地向け原料販売が堅調に推移。
  • 日本の脱脂粉乳在庫の影響により、日本向け粉乳調製品ビジネスの回復は想定より遅れがみられた。
  • 販売数量は前期比で減少したが、相場高を反映した販売単価の上昇により、売上高は前期を上回った。

 

トピック

  • 東南アジア地域では中高所得者を中心にプロテインの需要が高まっており、本社・機能性原料販売部門(現 ライフサイエンス事業部門)と連携し、当期より機能性原料および製品の販売に着手。

アジア事業(チーズ製造販売部門)の状況(通期)

2025年11月期(2024年12月~2025年11月)

売上高 :63億91百万円(前期比14.2%増)
販売数量 :5,640トン(前期比4.0%増)

東南アジア・中国の需給動向

  • 東南アジア地域ではチーズ消費が引き続き拡大傾向。

 

当社の状況

  • 現地の外食産業やベーカリー、加工食品メーカー向けを中心に、需要は堅調に推移。
  • 当社の品質重視の姿勢や販売後のアフターフォローが評価され、販売は順調に拡大。当期の販売数量は前期比で増加。
  • 原料価格の高騰分を転嫁するため、順次価格改定交渉を実施した結果、販売数量は計画を下回ったものの、前期比で利益率が改善。販売数量増もあり、売上高も前期比プラスとなった。

 

トピック

  • シンガポールの新工場は、2026年11月期中に本格稼働を開始予定。
  • 2026年11月期は新旧工場の同時稼働により、費用が先行。

為替影響と会計上の表示について

当社は基本的に為替リスクは負わないビジネスモデル

当社の基本的な取引においては、海外仕入先との外貨建て仕入契約締結と同時に、国内顧客と円貨の販売契約を締結しています。その際、仕入外貨額に対する為替予約をすることで為替リスクをヘッジしております。

 

但し、当社は外貨為替会計処理基準における原則法を採用しており、そのため会計上の表示が特徴的

その特徴は、営業取引の各段階に応じて、会計処理に使用する為替レートが異なるため、営業取引の途中段階において、会計上の為替差損益が生じる点です。

 

その結果、仕入契約時に為替リスクをヘッジした場合でも、営業取引の途中段階においては、為替差損益が、売上原価と営業外損益に分かれて計上され、営業外損益のみならず、売上総利益及び営業利益についても為替表示の影響を受ける場合があります。

 

その他、決算期をまたぐ取引の場合は会計上、為替差損益が先行して計上される場合がある

決算期をまたぐ取引(翌期以降に販売)については、仕入決済を行い棚卸資産として計上したものの、売上計上の時期が翌期となり、仕入決済にかかる為替差損益のみが先行して計上され経常利益に反映されます。