2026年11月期 第3四半期(2025年12月~2026年8月)の決算サマリー

事業概況

当第3四半期連結累計期間(以下「当第3四半期」)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移し、個人消費にも一部回復の兆しがみられたものの、景気の持ち直しは限定的なものとなりました。世界経済は、国際情勢を巡る地政学リスクの高まりにより先行き不透明な状況が続いた一方、AI関連需要を追い風に、関連企業を中心として業績が堅調に推移するなど、全体として緩やかな回復基調を維持しました。

 

国内の食品業界では、原材料費や物流費に加え、人件費などの各種コストの上昇分を転嫁する値上げが継続して実施され、物価上昇圧力が一段と高まったことから、食品に対する消費者マインドには一部慎重な動きがみられました。当社の主要市場である国内乳業界では、飲用乳をはじめとする乳製品需要の低迷により生乳需給が緩和傾向にあり、国産脱脂粉乳の在庫量も高水準で推移したことから、需給環境の適正化を目的とする業界団体主導の対策事業が継続して実施されました。

 

このような事業環境のもと、当社グループの国内事業では、最終消費の弱さを受け、主力である乳原料・チーズ部門の取引に一定の影響があったものの、需要動向を的確に捉え、安定した調達体制を維持したことにより、各部門の販売は堅調に推移しました。また、アジア事業では、乳原料販売部門において価格主導の市場競争が進み、販売数量は伸び悩みましたが、チーズ製造販売部門の販売は好調に推移しました。加えて、円安の影響などにより販売単価が上昇したことから、売上高は前期比で増収となりました。

 

利益面では、前期に営業外収益として計上した一過性の利益が当期には計上されなかった一方、増収に伴う売上総利益の増加に加え、シンガポール新工場の竣工および本社基幹システムの稼働開始の遅延により、計画していた関連費用の計上時期が後ろ倒しとなったことなどから、経常利益は期初予想を上回って推移しています。

 

以上の結果、当第3四半期の売上高は1,448億86百万円(前年同四半期連結累計期間、以下、「前年同四半期」比5.4%増)となりました。また、営業利益は42億14百万円(前年同四半期比12.4%減)、経常利益は38億73百万円(前年同四半期比21.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は27億76百万円(前年同四半期比22.0%減)となりました。

連結経営成績(累計)

  2025.11期 第3四半期

2026.11期 第3四半期

増減率
売上高

137,431百万円

144,886百万円 5.4%
経常利益 4,907百万円 3,873百万円 △21.1%

親会社株主に帰属する

四半期純利益
3,559百万円 2,776百万円

△22.0%

 

乳原料・チーズ部門の状況(第3四半期)

2026年11月期 第3四半期(2025年12月~2026年8月)

売上高 :910億22百万円(前期比1.2%増)
販売数量 :120,547トン(前期比3.3%減)

国内の需給動向

  • 各種コスト上昇分を転嫁する食品の値上げが継続して実施された。
  • 物価上昇圧力が一段と高まるなか、消費動向には一部慎重な動きがみられた。
  • 国内乳業界では、飲用乳をはじめとした乳製品の需要低迷から生乳需給が緩み、国産脱脂粉乳在庫が増加。
  • 生乳需給環境の適正化を目的とし、業界団体主導の対策事業が継続して実施された。

 

当社の状況

  • 物価上昇の影響により、食料品全般の需要は低調に推移し、乳原料の販売数量は前期比で減少。
  • 価格競争力のある産地からの原料調達が進んだバターや、一部顧客の新商品に採用されたホエイパウダーの販売数量は前期比で増加。
  • 一方、夏場の天候不順が影響したアイスクリーム関連の原料販売や、国際相場が高騰した高たんぱく原料など一部原料販売は軟調に推移。
  • 消費は引き続き軟調であるものの、今年8月までの日本のチーズ輸入量は前期をわずかに上回っており、一定の市場シェアを確保する当社のチーズ販売は底堅くに推移。
  • 円安の影響による販売単価の上昇が寄与し、当部門の売上高は前期並みを確保。

 

トピック

  • 中長期的なたんぱく需要の高まりを見据え、新たなたんぱく原料として期待される「ルビスコたんぱく」の開発・製造を手がける企業へ出資し、パートナーシップを強化。

食肉食材部門の状況(第3四半期)

2026年11月期 第3四半期(2025年12月~2026年8月)

売上高

:180億9百万円(前期比5.0%増)

販売数量 :25,337トン(前期比4.1%増)

国内の需給動向

  • 豚肉やハム・ソーセージなど食肉加工品は値上げの影響で需要が伸び悩む。

 

当社の状況

  • アフリカ豚熱の影響によりスペイン産豚肉が輸入停止となるも、代替調達先の確保により供給体制を維持できたことに加え、代替調達先を求める新規顧客からの引き合いが増加したことから、フローズンポークの販売数量は増加。
  • チルドポークおよびシーズンドポークは国際相場や円安の影響により、販売に苦戦を強いられた。
  • 鶏肉関連商品を含む加工食品ならびに、前期より取扱いを開始した香辛料・香辛料抽出物の販売はいずれも順調に拡大。

 

トピック

  • 取扱商品の多様化による事業拡大を見据え、他部門と連携しながら、加工品や各種食材の取扱いを拡大していく方針。

ライフサイエンス事業部門の状況(第3四半期)

2026年11月期 第3四半期(2025年12月~2026年8月)

売上高 :102億88百万円(前期比63.4%増)
販売数量 :6,694トン(前期比38.4%増)

国内の需給動向

  • 世界的な高たんぱく原料需要の高まりを背景に、国際相場は上昇傾向が継続。また、円安傾向の継続により、原料の輸入価格は引き続き高水準で推移。
  • 乳由来のプロテイン製品原料の価格高騰を受け、一部の顧客では、植物由来へシフトする動きもみられた。

 

当社の状況

  • 調達力を活かし、安定供給体制を維持するとともに、取引先のニーズに即した提案・対応を推進し、高たんぱく原料および関連製品の販売が好調に推移。
  • 乳由来の高たんぱく原料価格の高騰が続くなか、植物由来原料に対する需要の高まりを受け、大豆たんぱくの販売数量が増加。
  • 原料調達から最終製品の製造受託にまで関わる幅広いサポートを行うビジネススタイルが定着し、包装・資材をはじめとした顧客のビジネスに関連するさまざまな商品の取扱いも拡大。

 

トピック

  • 高たんぱく原料は、世界的な需要の高まりを背景に、供給がひっ迫した状況が継続しているが、当社グループのサプライネットワークを活用し、安定供給面で競争優位性を発揮。
  • 日本および東南アジアで拡大する抹茶需要に対応し、日本産抹茶の拡販を推進。
  • 機能性原料や高付加価値原料の取扱い拡大にも取り組んでおり、美容・健康分野を中心にゼラチンやコラーゲンの販売を強化。

アジア事業(乳原料販売部門)の状況(第3四半期)

2026年11月期 第3四半期(2025年12月~2026年8月)

売上高 :170億50百万円(前期比1.0%減)
販売数量 :26,712トン(前期比7.6%減)

東南アジア・中国の需給動向

  • 中東情勢を巡る不透明感の高まりを受け、中国および東南アジア各国の景況感は低調に推移。

 

当社の状況

  • 現地企業向け販売では、フィリピン、タイ、中国において価格競争の激化により一部商売で販売に苦戦。
  • 一方、シンガポール、ベトナム、マレーシア、インドネシアでは、既存顧客との安定した取引に加え、新規顧客との取引を開始し、販売数量は前期比で増加。
  • 日本における脱脂粉乳在庫の増加を受け、日本向け粉乳調製品関連ビジネスに一部影響がみられるものの、第3四半期までの累計販売数量は堅調。

 

トピック

  • 日本産抹茶やサプリメント原料など需要が高い商品については、ライフサイエンス事業部門と連携し、関連商品の拡販。
  • アジア地域での事業展開拡大を視野に、ベトナムで現地法人開設を準備中。

アジア事業(チーズ製造販売部門)の状況(第3四半期)

2026年11月期 第3四半期(2025年12月~2026年8月)

売上高 :57億23百万円(前期比24.6%増)
販売数量 :4,658トン(前期比13.9%増)

東南アジア・中国の需給動向

  • 東南アジア地域におけるチーズ消費は引き続き拡大傾向。

 

当社の状況

  • マレーシア、中国、ベトナム、タイを中心に現地の外食産業やベーカリー、加工食品メーカー向けを中心に、需要は堅調に推移。
  • プロセスチーズ、ナチュラルチーズ加工品ともに、販売は好調に推移。
  • アジアにおけるチーズ製造販売事業は順調に成長。第3四半期累計の販売数量4,658トンは過去最大数量を記録。

 

トピック

  • シンガポール新工場は、2026年9月に引き渡しが完了。各種認証の取得などに一定の期間を要するため、本格的な商業生産は2027年11月期からを見込む。

為替影響と会計上の表示について

当社は基本的に為替リスクは負わないビジネスモデル

当社の基本的な取引においては、海外仕入先との外貨建て仕入契約締結と同時に、国内顧客と円貨の販売契約を締結しています。その際、仕入外貨額に対する為替予約をすることで為替リスクをヘッジしております。

 

但し、当社は外貨為替会計処理基準における原則法を採用しており、そのため会計上の表示が特徴的

その特徴は、営業取引の各段階に応じて、会計処理に使用する為替レートが異なるため、営業取引の途中段階において、会計上の為替差損益が生じる点です。

 

その結果、仕入契約時に為替リスクをヘッジした場合でも、営業取引の途中段階においては、為替差損益が、売上原価と営業外損益に分かれて計上され、営業外損益のみならず、売上総利益及び営業利益についても為替表示の影響を受ける場合があります。

 

その他、決算期をまたぐ取引の場合は会計上、為替差損益が先行して計上される場合がある

決算期をまたぐ取引(翌期以降に販売)については、仕入決済を行い棚卸資産として計上したものの、売上計上の時期が翌期となり、仕入決済にかかる為替差損益のみが先行して計上され経常利益に反映されます。