2025年11月期 中間期(2024年12月~2025年5月)の決算サマリー

事業概況

当中間連結会計期間(以下、「当中間期」)におけるわが国経済は、所得環境の改善を背景に個人消費は底堅く推移するなど、国内景気は緩やかな回復基調を維持しましたが、国内の食品業界においては、各種食品の値上げが実施され、一部に消費減退の動きがみられるなど厳しい事業環境となりました。

 

このような状況下、当社グループの当中間期においては、国内事業、アジア事業ともに販売が好調に推移したことから連結売上高は前年同期間の実績および期初計画を上回る結果となりました。利益面においても乳原料・チーズ部門およびアジア事業のチーズ製造販売部門の利益率改善や、前期に発生した一部商品の品質不良に関する受取補償金を当中間期に営業外収益として計上したことにより、連結経常利益、親会社株主に帰属する中間純利益ともに期初計画を大幅に上回り、中間期としては過去最高益を計上しました。

 

以上の結果、当中間期の売上高は952億93百万円(前年同期比12.7%増)となりました。また、営業利益は35億71百万円(前年同期比46.8%増)、経常利益は38億32百万円(前年同期比69.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は27億97百万円(前年同期比69.1%増)となりました。

 

なお、当中間期の経常利益にはプラス方向の為替の影響が78百万円含まれており、その影響を補正すると調整後の経常利益は37億54百万円(為替影響調整後、前年同期比64.2%増)となります。

連結経営成績(累計)

  2024.11期 中間期

2025.11期 中間期

増減率
売上高

84,560百万円

95,293百万円 12.7%
経常利益 2,260百万円 3,832百万円 69.5%

経常利益に含まれる

為替影響額
△24百万円 78百万円

為替影響額調整後の

経常利益

2,285百万円 3,754百万円

64.2%

親会社株主に帰属する

中間純利益
1,654百万円 2,797百万円 69.1%

 

乳原料・チーズ部門の状況(中間期)

2025年11月期 中間期(2024年12月~2025年5月)

売上高 :626億86百万円(前年同期比6.4%増)
販売数量 :86,799トン(前年同期比4.7%減)

国内の需給動向

  • 当中間連結会計期間の国内の生乳生産量は前年同期比プラスとなったが、脱脂粉乳の在庫量は5~6万トン台で推移し、落ち着いた状況が継続。
  • アイスクリームや高機能食品市場が拡大しており、関連の乳製品原料需要は旺盛。

 

当社の状況

  • ホエイタンパクなど高機能食品に使用される原料やアイスクリームに使用される原料(脂肪系乳原料および高たんぱく原料)の販売が好調。これらは国産の供給が不足していることから、輸入品を扱う当社の販売が伸長。
  • 国産脱脂粉乳の在庫水準が安定していたことを受け、粉乳調製品販売も堅調。
  • チーズは最終製品の値上げにより一部に影響がみられたものの、既存販売先における当社のシェアが高まったことなどにより販売は堅調。
  • 乳原料、チーズともに販売数量は期初計画を上回った。さらに、原料相場高、円安影響などにより販売単価が想定より高値で推移したことから売上高も期初計画を上回った。

 

トピック

  • 乳由来の高たんぱく原料やバターやクリームなどの脂肪系乳原料は、世界的に需要が高まっており、国際相場も高値継続。
  • 国内において、生乳生産量は回復傾向にあるものの、2 歳未満の乳用牛の飼養頭数が減少しており、生産量の急激な回復は見込めない。
  • 8月に飲用向け乳価の値上げが予定されており、乳製品価格の上昇とそれに伴い最終消費が鈍化する可能性あり。

食肉食材部門の状況(中間期)

2025年11月期 中間期(2024年12月~2025年5月)

売上高 :115億60百万円(前年同期比9.7%増)
販売数量 :16,180トン(前年同期比2.1%増)

国内の需給動向

  • 食肉全般の末端価格が高止まりしていることから、輸入豚肉も個人向けや業務用向けとも使用量は減少傾向。

 

当社の状況

  • 第1四半期に減少していた北米産豚肉の販売は、第2四半期には状況が改善し、フローズンポークを中心に販売数量は期初計画水準に。
  • 鶏肉加工品などの加工食品の販売も堅調だったことから、食肉食材部門の販売数量は若干計画を上回った。

 

トピック

  • 引き続き加工食品需要の増加を見込み、関連商品の拡販に注力。
  • 4月から、ドイツの香辛料メーカーの日本における販売代理店として、香辛料や香辛料抽出物、岩塩等の輸入販売を開始。既存事業とのシナジー発揮による拡販を目指す。

機能性食品原料部門の状況(中間期)

2025年11月期 中間期(2024年12月~2025年5月)

売上高 :37億79百万円(前年同期比134.9%増)
販売数量 :3,044トン(前年同期比140.1%増)

国内の需給動向

  • 乳由来の高たんぱく原料は世界的に需要が高まっており、国際相場は高値圏で推移。
  • 大豆たんぱくやコラーゲンなど比較的安価なたんぱく原料の需要も高まっている。国内プロテイン関連市場は成長が継続する見通しであり、従来のプロテイン用途に加え、健康志向の高まりから、高たんぱく原料を添加した商品ラインナップが拡大。

 

当社の状況

  • 国内におけるプロテイン原料の需要は引き続き高く、販売数量は好調に推移。
  • 原料販売にとどまらないサプライチェーン全体に当社が関与する総合的なサポート体制が取引拡大や新規顧客数の増加に寄与。

 

トピック

  • 乳由来の高たんぱく原料に加え、大豆たんぱくやコラーゲンなど、取扱品目の幅を拡げ、さらなる拡販や新規取引先開拓を目指す。
  • 食品メーカーへ新たなレシピ提案を行うなど、スポーツニュートリション以外の用途向け拡販を強化。

アジア事業(乳原料販売部門)の状況(中間期)

2025年11月期 中間期(2024年12月~2025年5月)

売上高 :124億18百万円(前年同期比27.6%増)
販売数量 :20,678トン(前年同期比11.7%増)

東南アジア・中国の需給動向

  • 東南アジアユーザーの乳原料需要は安定的に推移。

 

当社の状況

  • フィリピン・タイを中心に既存取引先への販売が好調に推移。
  • インドネシアにおける代理店事業が順調に推移。(サプライヤーはオセアニアの乳業メーカー)
  • 現地企業向け販売は価格競争が厳しさを増すも、当社の日本流の細やかな顧客対応が評価され、販売数量は着実に増加。

 

トピック

  • 当社グループのアジア地域の営業体制を強化すべく、海外拠点間の連携を強めることに注力しており、今後さらなる取引拡大を見込む。
  • 現在、新規取引先の開拓を強化しているタイやインドネシアにおいて、取引先数が増加傾向にあり、着実に成果が出ている。

アジア事業(チーズ製造販売部門)の状況(中間期)

2025年11月期 中間期(2024年12月~2025年5月)

売上高 :31億42百万円(前年同期比17.3%増)
販売数量 :2,826トン(前年同期比11.4%増)

東南アジア・中国の需給動向

  • マレーシアやシンガポールを中心に外食向けやベーカリー向けの需要が回復傾向。
  • プロセスチーズ、ナチュラルチーズともに消費は拡大傾向。

 

当社の状況

  • ユーザーごとのニーズにマッチした品質・規格に対応したプロセスチーズを開発・提案することにより取引拡大。
  • シンガポールやマレーシアの現地企業で、製菓・ベーカリー・加工食品メーカー向けを中心に販売数量が増加。日系外食企業向けの販売も好調に推移。
  • 原料高をカバーするための価格改定を順次行っていることから販売数量は計画を若干下回ったものの利益率は改善。
  • 販売数量と利益のバランスを意識した営業を行ってきたことや、製造量の増加により製造コストが低下したことにより利益率が改善。

 

トピック

  • シンガポールの新工場建設は、各種許認可の取得に時間を要し、工事の開始が若干遅れたものの、2025年12月に竣工予定。2026年11月期の稼働開始に向けての準備は順調。
  • 現地のチーズ加工メーカーの企業数は増加傾向にあるも、多くが価格訴求品をメインに取り扱っていることから、高品質かつ安定供給を実現する当社の優位性が高まっている。

為替影響と会計上の表示について

当社は基本的に為替リスクは負わないビジネスモデル

当社の基本的な取引においては、海外仕入先との外貨建て仕入契約締結と同時に、国内顧客と円貨の販売契約を締結しています。その際、仕入外貨額に対する為替予約をすることで為替リスクをヘッジしております。

 

但し、当社は外貨為替会計処理基準における原則法を採用しており、そのため会計上の表示が特徴的

その特徴は、営業取引の各段階に応じて、会計処理に使用する為替レートが異なるため、営業取引の途中段階において、会計上の為替差損益が生じる点です。

 

その結果、仕入契約時に為替リスクをヘッジした場合でも、営業取引の途中段階においては、為替差損益が、売上原価と営業外損益に分かれて計上され、営業外損益のみならず、売上総利益及び営業利益についても為替表示の影響を受ける場合があります。

 

その他、決算期をまたぐ取引の場合は会計上、為替差損益が先行して計上される場合がある

決算期をまたぐ取引(翌期以降に販売)については、仕入決済を行い棚卸資産として計上したものの、売上計上の時期が翌期となり、仕入決済にかかる為替差損益のみが先行して計上され経常利益に反映されます。