省エネルギーの取り組み

ラクト・ジャパンにおいて相対的に環境インパクトが高いエネルギーとしては、海外拠点における倉庫の冷蔵庫・冷凍庫で使用するエネルギーが挙げられ、原料の受け入れが増えるとエネルギーの使用が増える傾向にあります。また、製品の製造に使用する機器やボイラーにも電気を使用するため、製造量に比例してエネルギー使用量が増加します。工場のあるシンガポール・タイ・インドネシアでは1年を通して気温があまり変化しないため、空調使用の季節変動はほぼありません。

 

なお、冷蔵庫・冷凍庫は、自社設備および外部の倉庫を選定する際、フロン未使用の設備であることを確認しています。今後に向けては、適切な温度管理のさらなる追求や、LED照明の導入、倉庫や機器の変更時に省エネルギー型の設備の導入を進めるなどの検討を進めています。また、各工場における電気使用量の把握、集計に向けた準備も進めています。

 

本社においては、2018年の移転に伴い、オフィス内の照明はすべてLED化されたほか、冷暖房の効率も向上しています。

廃棄ロス削減の取り組み

海外工場におけるプロセスチーズの製造では、原料となるナチュラルチーズを溶かして、そこに副原料を投入するというプロセスを経るため、原料となるナチュラルチーズは、ほぼ100%使い切っています。また、原料の特性上、製造工程に戻すことのできる品質が確認された原料については、再利用が可能です。工程上、人的ミスや品質上の問題が発生した場合のみ、廃棄が発生しますが、製品の年間生産量に対して発生する廃棄量は微量であると認識しています。

 

副原料については、購入時の最小ロットの分量に対して、使用量が少ないものもあります。そのため、シンガポールとタイの工場では、在庫を共有する仕組みを導入し、双方で融通しながら使用しています。それでも使用期限が迫ってしまった場合は、飼料等として可能な限り再利用することで、廃棄する量を減らすように努めています。

 

当社における廃棄ロスの発生は、そのほとんどが人的ミスに起因することから、品質管理や従業員への教育・周知を徹底することで、さらなる廃棄ロス削減に努めています。

水使用における取り組み

ラクト・ジャパンでは、製造工程においては原則として上水を使用し、必要に応じて上水を浄化するなどしてから工程に用いています。

 

チーズなどの製造工程では、加熱の際にスチームを使用しますが、水の使用量として大きなウエイトを占めるものではありません。最も多くの水を使用するのは、製造終了後の洗浄で、これは工程の衛生管理のために必須のプロセスです。

 

排水については、工場の立地する国・地域の規制に準じて、設備などを導入しています。例えば、タイでは工業団地の基準に基づいて自社で浄化槽を設け、処理を行った上で排水しています。その一方で、シンガポールでは排水の浄化を国が行うため、工場に排水設備の設置が義務付けられていません。

 

生産国における水使用量の環境インパクトはそこまで大きいものではないと認識していますが、水使用量などの各種環境データの取得を進めることで、持続的な環境の保全に向けた取り組みを加速させます。
 

物流の最適化に向けた取り組み

ラクト・ジャパンでは、シンガポールやマレーシアにおいて配送のために専用のトラックを所有しています。また、インドネシアでは外部の物流サービスを活用しています。海外から日本へ製品を輸入する際には、原則として、協業パートナーが手配する船舶での輸送を行っています。