通期サマリー

●連結業績

2021年11月期の連結売上高は1,108億83百万円(前期比0.0%増)、連結経常利益は26億81百万円(前期比3.6%減)となりました。

 

当連結会計年度は前年度とは異なり、1年を通じて新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)拡大による影響を受けました。

 

国内では、緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の断続的な適用により需要は業務用を中心に停滞が続きました。アジアでもマレーシアやタイなどの厳格なロックダウン措置により、外食などの業務用需要が停滞したほか、夏場には取引先の一部の製造工場で生産体制が縮小するなどの影響もあり、一時は非常に厳しい事業環境となりました。

 

供給面でも難しい舵取りを迫られる場面が多くありました。乳原料・チーズの供給面では、主要生産地における生乳生産量の伸び悩みやアフターコロナの需要急拡大により国際相場の上昇が続きました。食肉関連では、感染症の影響によるサプライヤー工場の労働者不足で、一部商品の生産が絞られたほか、港湾物流の混乱による供給の遅れなど多くの課題に直面しました。

 

このような中、当社グループは各事業とも環境変化に柔軟に対応し、安定的な原料供給によるお客様のサプライチェーン維持に貢献しつつ、販売増に努めました。

 

乳原料・チーズ事業においては低率関税枠を活用した輸入原料販売のほか、国産原料販売にも注力しました。食肉事業は、長年の取引により信頼関係を維持しているサプライヤーからの調達により優位性を発揮し、昨年に引き続き好調な販売を維持しました。

 

アジアのチーズ製造販売部門は、生産体制や営業体制の強化の成果もあり、売上・販売数量とも前年を上回り過去最高を更新しました。

 

以上の結果、厳しい事業環境下で販売数量は伸び悩んだものの、乳製品の国際相場の上昇などを背景に売上高は前年並みを確保しました。一方、経常利益については前期比▲3.6%の減益となりました。利益率の高いアジアのチーズ製造販売部門が好調だったことから、上期は粗利率が改善しましたが、下期にはコンテナ不足や燃料費高騰による船賃の上昇や、船積遅延による輸送手段の変更(航空便)など物流費の上昇、さらにはサプライヤー各社における人員不足に起因する品質クレームの発生など一時的な費用発生があり、これらが利益を押し下げる要因となりました。

 

なお、経常利益についてはマイナス方向の為替の影響が77百万円含まれており、その影響を補正すると、調整後の経常利益は27億59百万円と、同じベースで補正した前期の経常利益27億50百万円に対して、実質的には0.3%増益となり、厳しい環境下ながら業績面ではその影響を最小限にとどめ、前年並みの売上・経常利益を確保できました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益は19億59百万円(前期比5.0%減)となりました。

 

【 連結経営成績(累計)】

 

2020.11期

2021.11期

増減率

売上高

110,837百万円

110,883百万円

0%

経常利益

2,780百万円

2,681百万円

△3.6%

経常利益に含まれる

為替影響額

29百万円

▲77百万円

親会社株主に帰属する

当期純利益

2,062百万円

1,959百万円

△5.0%

 

各事業部門の状況は、下記をご覧ください。

 

乳原料・チーズ事業の状況(第4四半期)

●2021年11月期 第4四半期(9月~11月)

当第4四半期会計期間の乳原料・チーズ事業において、売上高は214億84百万円(前年同期間「以下、前期」比16.7%増)、販売数量は49,325トン(前期比7.1%増)となりました。

●事業概況

国産の脱脂粉乳在庫は余剰状態が継続。このため、農畜産業振興機構(ALIC)による脱脂粉乳やバターの輸入入札数量の減少が続いた。

緊急事態宣言解除後の人流の増加とともに、乳業・農協系以外のお客様からの輸入乳製品需要に回復の兆しが見られた。

チーズの国際相場が急騰するなか、堅調な家庭用需要に加えて人流増による需要回復を見込んだお客様の買い意欲が高まり、チーズ販売が伸長。

 

●当面の事業環境 

国産脱脂粉乳在庫は高水準ながら、緊急事態宣言解除後の乳原料・チーズの販売回復には手ごたえあり。足元では変異ウイルスの拡大懸念はあるものの、アフターコロナの需要回復に期待。

ALICによる脱脂粉乳の輸入入札数量は当面低水準を想定。一方、需給緩和対策は来年度も継続の見込みであり、関連ビジネスには引き続き拡大余地あり。

エネルギーコストの上昇などによる世界的なインフレ懸念により、内外価格差が大きい輸入乳製品へのニーズは継続、TPPや日欧EPAなどの低税率枠の活用による新規商売の提案機会は増える見込み。

食肉加工品事業の状況(第4四半期)

●2021年11月期 第4四半期(9月~11月)

当第4四半期会計期間の食肉加工品事業において、売上高は38億97百万円(前期比25.2%増)となり、販売数量は6,685トン(前期比15.6%増)となりました。

 

●事業概況

緊急事態宣言解除で外食向けも含め需要回復の兆しが見えた。

感染症影響による労働者不足が米国サプライヤーの生産体制に影響。一部商品で納品遅延もあった。

昨年より本格的に始まった牛肉販売は、新規販売先の開拓なども進み好調。

 

●当面の事業環境

足元では変異株ウイルスの拡大懸念はあるものの、アフターコロナの需要回復に期待。

牛肉や蜂蜜など新商品の販売では新規販売先の開拓が順調に進んでおり、引き続き好調を見込む。

米国の物流問題やサプライヤーの生産量減少については引き続き注視。

アジア事業(乳原料販売部門)の状況(第4四半期)

●2021年11月期 第4四半期(9月~11月)

当第4四半期会計期間のアジア事業(乳原料販売部門)において、売上高は46億42百万円(前期比41.9%増)、販売数量は13,269トン(前期比11.7%増)となりました。

 

●事業概況

日本における国産脱脂粉乳在庫余剰の影響から、日本向けの粉乳調製品用の原料販売は引き続き低調。

中国・台湾の乳製品需要が拡大しており、乳原料販売は増加。

アジア地域に展開している日系メーカー向け販売が好調に推移。

 

●当面の事業環境

日本向けの粉乳製品の原料販売は、当面軟調を見込むが、現地の食品・飲料メーカー向けの販売は営業力強化により増加を目指す。

中国の乳製品需要は引き続き拡大を見込む。

フィリピンでのローカルスタッフの積極登用、中国現地法人への本社乳原料部門からの営業スタッフ派遣など、アジア地域での営業力を強化中。

アジア事業(チーズ製造販売部門)の状況(第4四半期)

●2021年11月期 第4四半期(9月~11月)

当第4四半期会計期間のアジア事業(チーズ製造販売部門)において、売上高は8億95百万円(前期比4.3%増)、販売数量は1,280トン(前期比2.6%増)となりました。

 

●事業概況

ロックダウン解除後の需要回復スピードは早い。特に中国・タイ・マレーシア向け販売は拡大。

2021年6月に能力増強したシンガポール工場は高稼働が続く。

 

●当面の事業環境

中国向け、および、中国向け製品を製造するアジア地域の食品メーカー向けの販売は、引き続き増加を見込む。

足元では東南アジア各国の感染数の減少に伴い需要は回復傾向。

市場ニーズにマッチした新商品の開発が進行中。今期は植物由来原料を使った「ヴィーガンチーズ」の販売開始を予定。

為替影響と会計上の表示について

当社は基本的に為替リスクは負わないビジネスモデル

当社の基本的な取引においては、海外仕入先との外貨建て仕入契約締結と同時に、国内顧客と円貨の販売契約を締結しています。その際、仕入外貨額に対する為替予約をすることで為替リスクをヘッジしております。

 

●但し、当社は外貨為替会計処理基準における原則法を採用しており、そのため会計上の表示が特徴的

その特徴は、営業取引の各段階に応じて、会計処理に使用する為替レートが異なるため、営業取引の途中段階において、会計上の為替差損益が生じる点です。

 

その結果、仕入契約時に為替リスクをヘッジした場合でも、営業取引の途中段階においては、為替差損益が、売上原価と営業外損益に分かれて計上され、営業外損益のみならず、売上総利益及び営業利益についても為替表示の影響を受ける場合があります。

 

●その他、決算期をまたぐ取引の場合は会計上、為替差損益が先行して計上される場合がある

決算期をまたぐ取引(翌期以降に販売)については、仕入決済を行い棚卸資産として計上したものの、売上計上の時期が翌期となり、仕入決済にかかる為替差損益のみが先行して計上され経常利益に反映されます。

 

なお、下記の図解をご参照ください。