2019年6月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

欧州産、米国産脱脂粉乳相場は上昇している。欧州内の生乳生産量が伸びていないことに加え、閑乳期に入ったオセアニアが供給余力不足のため欧州産、米国産への引き合い増加が理由の一つである。欧州産全粉乳の相場は、各国の需要が欧州へ集中しており供給も限定的であるため引き続き上昇している。オセアニア産全粉乳の相場は先月から一転、下落した。在庫(必要量)確保済みのため取引が一段落してしまっていることが要因として挙げられる。

 

バター情報

欧州産バター価格は、欧州の主要産地で価格にばらつきがあり、横ばいから若干上昇で推移している。現時点では欧州の生乳生産量はあまり良くない状況であるが、天候の回復、乳価の値上げなどを要因として、今年後半にかけて生乳生産量が増加していくとの予想、今後の生乳生産の状況に注視する必要があると考える。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は緩やかに上昇した。主要産地の一つであるニュージーランドでは、季節的要因で生乳生産量が少なく、カゼイン生産量も減少している。もう一方の産地である欧州では、生乳生産のピークシーズンにより搾乳量は好調。これらの影響で、カゼイン生産量もスローペースではあるが増加している。

 

チーズ情報

オセアニアの乳量減少・相場上昇により世界的に欧州産チーズの需要が高まっているため、今夏の天候次第では下半期の欧州産相場は強含みで推移する可能性が高いと予想される。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダー相場は4ヶ月連続下落。欧州産ホエイパウダーの相場は、需給バランスが取れている様子で、大きな変動は見られない。米国産WPC34相場は上昇基調。一部のメーカーにおいて脱脂粉乳の代替としてWPC34を購入する動きがあり、相場が上昇している。

 

乳糖情報

欧州産乳糖相場は、需要が落ち着き横ばいである。しかし、中国向け輸出については依然として活発。米国産乳糖相場は、米中貿易摩擦並びに中国・東南アジアで発生するアフリカ豚コレラの影響などが要因となり、相場は横ばいから微減となった。猛威を振るうアフリカ豚コレラの影響により、乳糖以上にホエイパーミエイトの中国・東南アジアからの需要が急落、在庫が膨らんでいることにより、飼料向けを中心に乳糖との価格競争が発生し価格下落の要因となっている。

 

国内情報

農林水産省発表の4月の全国生乳生産量は、62万2,798トンで前年同月比0.1%減。Jミルクが5月10日までに公表した牛乳類の販売速報によると、牛乳の販売単価が4月の値上げ以降、上げ幅7円を超えたのは初めて。一方、販売個数は前年を下回ったが下げ幅は小さく、Jミルクは「今のところ値上げによる消費への影響は見られない」と判断している。牛乳類の販売好調が続けば、バター、脱脂粉乳等の生産量が減少する可能性があり、今後の状況に注視が必要である。

2019年5月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

主要産地の脱脂粉乳相場は横ばいが続いている。欧州生乳生産量は今後ピークを迎える時期ではあるが、現在ドイツで降雨量が伸び悩んでいるなどマイナス要素が多く、再び相場が上昇する可能性は高いと考える。全粉乳相場については、オセアニア産の相場が上昇基調。オセアニアの搾乳シーズンも終わりに差し掛かっており取引は落ち着いている。

 

バター情報

欧州バター相場は横這いかやや上昇傾向が見られる。熱波による飼料不作の影響から予想よりも乳量が伸び悩み、堅調な欧州内需要と相まって価格が下がりにくい環境にあるように見受けられる。オセアニア産の相場は昨年末から上昇。1月の米国バター消費量は前年同月比+26.5%の大幅増となった。1月単月では2000年以降最も多い消費量となった。

 

カゼイン情報

カゼインの主要産地の一つであるニュージーランドで、季節的要因に加え降水量が少なかった影響で生乳生産量、カゼイン生産量がともに減少する結果となった。欧州では、生乳生産量がピークに向かい増えつつあるものの、年初の生産量不調を取り戻すのに時間が掛かっており、カゼイン生産量は伸び悩んでおり、相場は緩やかながら上昇を続けている。

 

チーズ情報

米国・EU航空機補助金を巡る報復関税が発動されれば、チーズの国際相場への影響が懸念される。日本のチーズ輸入量は引き続き増加、ロシアは前年比大幅増となっている。4月の米国CMEブロックチェダースポット相場は、前月末から小幅に下がりつつあるが、例年夏場にかけて上昇し始める傾向があるため、今後の動向には注意が必要である。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーの相場は、前月に引き続き下落傾向である。在庫が積み上がり、供給過多な状況。欧州産ホエイパウダーの相場も前月と比べ減少傾向。今後、ホエイパウダー製造量が増えるとの見込みで、一部メーカーでは価格引き下げの動きが見られる。米国産WPC34については、前月同様の横ばい相場。

 

乳糖情報

欧州産乳糖相場は引き続き堅調に推移している。米中貿易摩擦による中国需要、脱脂粉たんぱく調整用途の引き合いも強いため、欧州内の在庫は減少しており相場は上昇した。米国産乳糖相場は横ばい。貿易摩擦の影響で中国向けの輸出量が減少しているが、国内の砂糖代替需要が高まっているため、生産量を上回り在庫減少。相場は短期的には横ばいで、徐々に下がり始めると予想する。

 

国内情報

農林水産省発表の2019年3月の全国生乳生産量は、63万9,319トンで前年同月比とほぼ変わらず。飲用向け乳価の値上げにより、乳業メーカー各社が4月1日に牛乳の出荷価格を引き上げたが、店頭での値上げがまだ浸透していないこともあり、現時点では生乳需給に大きな影響は見られていない。

2019年4月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

脱脂粉乳相場は、需要が落ち着きを見せ始め、オセアニア産においては、先月より若干下落。欧州産、米国産ともに横ばい。欧州はこれから生乳生産が季節柄ピークに向かっていくことから、今後の供給に期待したい。全粉乳相場については、欧州産、オセアニア産は、先月から引き続き上昇している。オセアニア産においては、シーズンは終盤だが、特に中国からの引き合いが強く相場は上昇。

 

バター情報

欧州のバター公定価格は、2月末の価格から横ばいに推移している。春に向けて、欧州の生乳生産量が増加していく事が予想され、バター相場が弱含むとの見方もある。一方、オセアニアの価格については、引き続き上昇している。

 

カゼイン情報

欧州は、季節柄、生乳生産量は低くカゼイン生産も落ち込んだが、相場は緩やかに上昇している。これから生乳生産のピーク時期に入っていくため、生乳生産量・カゼイン生産量ともに徐々に増加していくことが期待される。一方、ニュージーランドでは、生乳生産のピークが終わったため、今後生乳生産量・カゼイン生産量どちらも減少していくと思われる。また、カゼイン相場は脱脂粉乳相場に連動して動く傾向にあるため、脱脂粉乳の価格動向に関しても注視していく必要がある。

 

チーズ情報

2019年内にメキシコとEUの間でFTA(自由貿易協定)発効に伴い、メキシコ側ではEU産チーズに対し関税撤廃及び枠内無税の関税割当が新設される。米国CME相場について、2月末時点のチーズ在庫量は、例年と比べ在庫量は多いが、アメリカンタイプのチーズが前月から大幅に減少している影響で、3月末時点のCMEブロックチェダースポット相場は2017年11月以来の最高値を記録した。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーの相場は、追加関税が課されることになった中国向けの輸出量が著しく減少し、引き続き下落基調。在庫が十分にある状況下に加え、春にかけて生乳生産量の増加により、今後供給過多になる可能性も考えられる。欧州産ホエイパウダーの相場は、米国相場に引きずられ弱含み傾向。しかし、欧州域外からの需要は堅調で、米国からの輸入が減った中国向け、インドネシア向け、マレーシア向けの輸出量がそれぞれ増加している。

 

乳糖情報

欧州乳糖相場は、引き続き堅調に推移。米中貿易摩擦の影響により中国からの引き合いが高まっているため、在庫は減少し価格は上昇を続け、今後も相場は強含むものと予想される。米国乳糖相場は、上昇基調からここにきて落ち着きを見せている。今後、米中貿易摩擦の解消には時間がかかり、引き続き欧州産への切替えが進むものと思われる。また、ベトナム豚コレラによる影響も無視できないことから、今後相場に関しては横ばいないしは下落に転じることが予想される。

 

国内情報

農林水産省発表の2019年2月の全国生乳生産量は56万7,079トン。6ヶ月連続で前年割れとなった。3月に2019年度乳製品向けの生乳入札が行われ全量落札となった。脱脂粉乳については、4月1日からTPP11及び日欧EPAが2年目に突入し、1年目に比べ輸入数量が増加。そのため、今以上に海外産の輸入が増え、現行のレベルよりも在庫が積み上がる可能性が予想される。