2018年12月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

軟調に推移していた欧州産脱脂粉乳の相場は、上昇に転じている。アフリカや中国向けの引き合いが増えていることも要因となっている模様。オセアニア産については、乳量が豊富なニュージーランド産の価格は弱含みで推移しているものの、干ばつの影響が心配される豪州産の価格は若干上昇している。

 

バター情報

欧州の乳脂肪相場は前月に引き続き軟化しているが、依然他の主要産地との価格差は大きい。欧州内の乳脂肪に対する需要は引き続き強く、バター製造者は年末にかけて強くなる消費者向けの個包装バターの製造に注力している。一方、オセアニアでは、11月のGDTオークションの結果、バター、AFMとも値下げとなっている。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は、引続き緩やかに上昇。主要な産地であるニュージーランドの10月の生乳生産量も天候に恵まれ好調であったが、生乳を優先的に全粉乳の製造へと使用する動きが強く、カゼインの生産は伸び悩んだ。また、欧州でも夏場の猛暑の影響で落ち込んだ生乳生産量を取り戻すのは難しく、カゼインの増産は見られなかった。

 

チーズ情報

中国のチーズ輸入量は、この数年前年比で二桁増を更新してきたが、米中貿易摩擦の影響もあり、その勢いに陰りが見え始めた。2017年度の世界のチーズ生産量は、前年比2.6%増となる2,110万トンとなった。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーの相場は、引き続き高値圏で推移している。価格が高止まりとなっているため、米国国内需要者においては買い控えが起きており、また、外国為替市場で米ドル高となっていることから海外需要者からの引き合いも弱まっている。

 

乳糖情報

欧州産乳糖相場は、右肩上がりが続いている。ただし、生乳生産量が前年比で減少しており、チーズ生産自体が振るわず、乳糖生産も大きな回復は見られない。また、米国産乳糖相場も緩やかに上昇している。米国でも欧州同様チーズの生産量が伸びておらず、乳糖生産量は前月比で減少している。

 

国内情報

農林水産省が発表した2018年10月の全国生乳生産量は59万6,526トン。前月に引き続き前年を下回った。しかし、北海道胆振東部地震の影響で9月は前年同月比4.7%減だった北海道生乳生産量が、10月に入り回復基調を見せている。バターについては、農畜産業振興機構(ALIC)が、11月に1,500トンのSBS入札を実施、競争倍率4.93倍と過去3年で最大倍率で全量落札となった。国内生乳生産量が減少の一途をたどる一方、牛乳・クリームの需要は堅調で、来年以降の原料乳調達は不透明な状況。国産業務用バターの値上げや販売制限が加速しており、輸入品バター確保を急ぐユーザーが増えている。

2018年11月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

先月後半に相場が急落した欧州産脱脂粉乳は、引続きやや弱含みで推移。価格競争力においては、他主要産地との価格差はさほど大きくない。今年春夏の熱波・干ばつが原因で飼料が確保できず、集乳量が昨年より大きく減少した地域もあるものの、欧州全体としては昨年同等の生乳生産量を維持できている。オセアニア産脱脂粉乳相場は、若干ながら弱含み推移。豪州は干ばつの影響が徐々に見え始めているが、ニュージーランド(NZ)においては引き続き生乳生産量好調で、脱脂粉乳相場は落ち着いている。

 

バター情報

欧州の乳脂肪相場は前月に続き下落したが、依然他主要産地との価格差が大きく、欧州内でも国によって価格に開きがある。オセアニアではニュージーランド(NZ)の中国向けバター輸出量が前年同時期と比較して47.1%増と、驚異的な伸長率となっている。米国では9月末時点のバター在庫量としては過去25年間で最も多い数量となった。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は、緩やかに上昇。ニュージーランド(NZ)の9月の生乳生産量が好天に恵まれたこともあり好調だったが、生乳が全粉乳の生産へ優先的に使用されたため、カゼインの生産は伸び悩んだ。また、欧州でも夏場の猛暑の影響で落ち込んだ生乳生産量の回復が遅れ、カゼインの生産は低調であった。ニュージーランド(NZ)では水不足が心配される声も聞かれ、生乳生産量の増加にブレーキがかかるとカゼイン相場を押上げる大きな要因となり得るため、しばらくは天候にも注視が必要。

 

チーズ情報

アイルランド中央統計局によるとアイルランドでは、夏場の干ばつ後に纏まった降雨に恵まれたことが影響し、9月の生乳生産量は前月比10%増となった。これから年末に向けて季節的に乳量が低下する時期に差し掛かるが、このままの勢いが続けば昨年を超える生乳生産量となる予想。また、英国向けチェダーチーズの輸出量は昨年同時期に比べ約16%増加しており、来年のEU離脱に向けての備蓄用に買い溜めているものと考えられる。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーの相場は、引き続き上昇傾向で推移している。依然として米国内及び海外の需要は堅調で、タイトな在庫状況が続いている。今後も堅調な相場となる見通し。米国産ホエイパウダーは、東南アジア向けの輸出量増加が顕著になっており、8月の在庫量は前年同期比28%減、前月比でも6%減と、在庫量の減少が目立っている。欧州産ホエイパウダー相場は、前月と同水準で推移しており安定している。

 

乳糖情報

欧州産乳糖相場は、引き続き堅調に推移している。需要面はたんぱく調整向け乳糖の需要が減少したものの、域内の育児粉乳向け需要と秋冬の製菓用途需要は旺盛で、全体では増加傾向にある。また、米国産乳糖相場も、引き続き堅調に推移している。米中貿易摩擦は、今のところ大きな影響を及ぼしていないが、長期化した場合、中国が米国産以外からの調達にシフトする事が考えられるため、今後米国産乳糖相場を下げる要因となりうる。

 

国内情報

農林水産省が発表した2018年9月の全国生乳生産量は56万624トン。前年同月比3.5%減となり、12ヶ月ぶりに前年を下回った。地域別では、都府県が31ヶ月連続で前年対比減産となっている。9月の国内の状況としては、北海道胆振東部地震に加え、台風24号が東海地方に甚大な被害を与え、更に、台風25号の影響で道外移出を担う船舶が欠航するという深刻な状況となった。北海道の生乳生産量は回復傾向にあるものの、都府県は依然として今夏の猛暑の影響があることや、飲用等向けの需要が堅調であるため、北海道からの供給に依存せざるを得ない状況が続くと予想する。

2018年10月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

欧州産脱脂粉乳相場は、上昇を続けていたものの急激に下落。脱脂粉乳の価格上昇をみて、一時的に需要が鈍化したことが要因と考えられる。オセアニア産脱脂粉乳相場は先月比較で若干下落しているものの、製造者は全脂粉乳の製造を優先しており、価格競争力は欧州産、米国産と比較すると弱くなっている。ニュージーランド(NZ)では天候に恵まれたことにも後押しされ、オフシーズンではあるが6~7月の生乳生産量は過去最高を記録。好調な滑り出し。

 

バター情報

欧州の乳脂肪相場は、依然として他主要産地と比較すると大きな値差があるものの、9月に入り軟化している。要因として、天候改善によって生乳生産の回復の兆しが見えたことや、熱波による欧州でのバター消費の減退、相場高騰を見込んだバター在庫の放出などが考えられる。オセアニアでは、今後春先から夏場にかけて生乳生産量が増えていくと見込まれ、供給余力は十分にでてくると予想する。米国においては、バター生産量も昨年よりも多いが、国内外からの需要も強く、バランスの取れた状態である。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は、横ばいから徐々に上向いている。欧州における生乳生産量の低下により、カゼイン生産自体も予想より減少。今後、欧州の供給が回復するまでカゼインの供給量が一時的に低下することが予想され、相場も堅調と思われる。また、ニュージーランド(NZ)においても、カゼイン在庫水準は低下している。今後のカゼイン相場については、NZの生産量がどのように進むかがカギとなる。

 

チーズ情報

米国内では生乳生産量が依然として好調で、8月の生乳生産量が前年同月比1.4%増となっているが、チーズの需要増により、7月末から8月末にかけてチーズ在庫量が24,000トン減少している。その内アメリカンタイプのチーズ在庫量の減少が大きく、2004年以降最大の減少量となっている。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダー相場は引き続き上昇傾向で推移している。米国内、海外からの引合いは堅調であるが、前月まで頻繁に行われていたスポット取引は落ち着きを見せている。欧州産ホエイパウダーの相場は前月と同水準で推移している。現状は需要を補うだけの供給はできているものの、欧州域内で長らく続いた干ばつの影響で、供給が不安定となるのではとの懸念も高まっており、今後も相場の動きに注意が必要である。

 

乳糖情報

欧州産乳糖相場は上昇している。中国が米国の乳糖に対して報復関税をかけており、今後中国のユーザーから欧州産乳糖の引合いが増加することが考えられ、欧州産乳糖相場は堅調に推移すると予想される。米国産乳糖相場も依然として堅調。米国内の在庫がタイトであることから、一部のユーザーからは代替品として別の甘味料を探す動きも出ており、一時的に需要が弱まる可能性がある。しかし、育児用粉乳用途や脱脂粉乳のたんぱく調整用途での乳糖需要は強く、米国産乳糖相場についても引き続き堅調に推移すると予想される。

 

国内情報

農林水産省が発表した2018年8月の全国の生乳生産量は60万6,791トンで前年同月比1.0%増となり、11ヶ月連続で前年を上回った。北海道では生産量が増加したものの、都府県では30カ月連続で前年対比減産となっている。今夏の記録的猛暑の影響で特に都府県での生産量が減少している中、台風21号の影響で生乳の輸送がストップし、需給をひっ迫している。猛暑、台風、震災が今後の需給にどのような影響があるか不透明な部分が大きく、今後の状況を注視する必要がある。