2017年3月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

欧州・豪州ともに生乳生産量は前年対比減少傾向であるものの、粉乳相場は脱脂粉乳・全粉乳共に若干の弱含みでの推移となっている。相場軟調の背景には2月は中国や東南アジアでは旧正月時期ということもあり、国際市場からの需要が弱かったことが主な要因と考える。現在、脱脂粉乳相場はEU産が最も競争力を有しており、次いで米国、オセアニアとなっている。また全粉乳においてはEU産及びNZ産が同価格帯での推移、豪州産は供給力がない状況となっている。

 

バター情報

2月の欧州バター相場は全体的には軟調傾向となった。これまで世界との価格差があった欧州バターだが、為替の影響もあり値差が縮まりつつある。またオセアニア地域では、豪州産バターおよびバターオイルの12月生産量がそれぞれ前年同月比20.3%減、46.2%減と大きく落ち込んでいることにより、相場は堅調に推移している。一方、米国産バターについては、在庫量が前月比34.3%増と大幅に増加しており、相場は弱含みでの推移となっている。

 

ホエイ情報

米国産・欧州産共にホエイパウダー相場は堅調に推移している。米国産・欧州産共に中国を始めとする国際的な需要が依然強いことから相場は今後も堅調に推移すると予想する。また、米国産WPC-34の相場は上昇を続けている。WPC-80やWPIの需要増によりWPC-34の生産量が減少しており、在庫量もタイトな状況となっていることが主な要因と考える。

 

カゼイン情報

様子見の状態が続いていたカゼイン相場だが、需要面では大きな変化はなく停滞傾向、供給面では供給力が予想ほど減少していなかったことからカゼイン相場は短期的に下落した。しかしながら、世界的な生乳生産量は減少傾向との見方は変わっておらず、カゼインの長期的なトレンドとしては上昇基調にあるものと予想する。

 

乳糖情報

欧州産・米国産ともに乳糖相場は前月に続き堅調な推移となっている。欧州では生乳量減少に伴い乳糖生産も減少傾向、需要面では域内および中国からの育児粉乳の蛋白調整用途は引き続き強く、タイト感が続いている。米国産ついては好調なチーズ生産に起因して乳糖生産も好調に推移しているが、育児粉乳用途・菓子用途としての需要も強くタイトな状況が続いている。

 

チーズ情報                                                      

近年、中国では主要都市部の人口増加や食生活の欧米化の進行を背景にチーズの輸入量が増加している。特にピザやデザート需要の高まりを受け、2016年のナチュラルチーズ輸入量は前年対比約54%増と著しい。主な輸入先はニュージーランドとオーストラリアで全体の90%以上を占めている。中国は両国とFTAを締結しており低関税での輸入が可能となっていることが、輸入量増加の大きな要因の一つとなっている。世界的な集乳量は減少傾向であり、チーズ供給量についても不安視される中、中国需要は今後も伸長すると予想され、世界的な需給バランスへの影響が懸念される。今後も中国需要には注視して行きたい。

 

国内情報

2017年1月の全国生乳生産量は前年同月比1.4%減となり減産傾向が続いている。年末以降、飲用向け需要が堅調に増加していることから、ホクレンの1月の脱脂粉乳・バター等向けの乳量は前年比12%減と大幅に減少している。この状況を受け、農畜産業振興機構(ALIC)は脱脂粉乳およびバターを輸入する方針を発表した。ALICは3月以降も毎月輸入入札を実施する考えではあるが、国産品のみを使用している国内ユーザーも多く、輸入品への置き換えにも限界があるのが実情であることから、入札結果を含め今後も注視して行きたい。

 

2017年2月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

粉乳相場は先月から引き続き横ばい、または若干堅調に推移している。 EU、オセアニアでの生乳生産量は昨年対比においても減少傾向、両生乳生産地域では乳価を引上げ、酪農家の生産意欲向上を目指しているが、豪州での季節的要因・昨今の天候不順が相俟って、生乳生産量が回復する兆しは見えていない。今後の国際需要の需要と生乳生産量の状況によっては、粉乳相場が高騰する可能性も考えられる。

 

バター情報

国際的なバター相場は、年末需要が終わったことで落ち着きを取り戻しつつある。欧州産バターは、依然高値圏内ではあるが相場は徐々に下落している。また、昨年末に急上昇した米国産バターについても、年が明けてからはほぼ横ばいでの推移となっている。一方、オセアニアについては、生乳生産量減少によりバターの供給余力が懸念されており、相場はやや上昇している。

 

ホエイ情報

米国産・欧州産共にホエイパウダー相場は、強含み、もしくはやや堅調に推移している。主な要因は、中国ならびに東南アジアからの需要が回復基調となっていることがあげられる。国際的な需要は今後も増加すると考えられることから、相場は今後も堅調に推移すると予想する。米国産WPC-34については、堅調な需要起因して、在庫量が前年同月比21.3%減少、価格は堅調な推移が続いている。

 

カゼイン情報

年末年始に引き合いが少なかったカゼイン相場に大きな変動はなく、価格は横ばいにて推移している。しかしながら、需要面では例年並みの推移の中、供給面では生乳量減少によりカゼイン生産量も減少、多少タイト感が出てきている。今後のカゼイン相場は横ばいもしくは強含みで推移すると予想する。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は前月に続き堅調な推移が続いている。欧州では、生乳量減少にともない乳糖生産量も低調に推移、需要面では域内および中国向け育児粉乳が好調に推移していることから、タイトな状況が続いている。米国産については、好調なチーズ生産に起因して乳糖生産も好調に推移しているものの、需要面では育児粉乳・菓子用途での乳糖需要が強くタイトな状況が続いている。

 

チーズ情報

近年、中国のチーズ輸入量の伸び率が著しい。2016年の中国の年間輸入量は、約9万トン強となり2015年対比28%の増加、2011年度比では約3倍の輸入量となった。これは主要都市部の人口増加およびピザなどの食生活の欧米化の進行を背景にチーズ需要の増加が影響している模様。今後もますます中国のチーズ輸入量は伸長すると考えられており、世界的な需給バランスにも影響を及ぼす可能性もあることから、引き続き中国の動向を注視したい。

 

国内情報

2016年12月の全国生乳生産量は前年同月比1.7%減となり、4ヶ月連続での減産となり減産傾向が続いている。通例では冬場は牛乳販売量の減少期であり、余剰乳を乳製品製造に回し在庫積み増しをする時期となっているが、今年の冬は年末放映されたテレビ番組の効果で、牛乳販売量は前年同月比7.5%増となった。牛乳販売量増加は乳製品製造にも大きく影響することから、今後も生乳生産量ならびに牛乳消費量を注視していく必要がある。

 

2017年1月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

粉乳相場は先月と同じレベル、もしくはやや堅調に推移している。EU、オセアニア共に生乳生産量は昨年対比減少傾向となっており、特にオセアニアでは天候不順の影響により予想に届かない集乳量となっている様子で年明けの供給力が懸念される。EUの脱脂粉乳については、政府介入在庫が一部放出、今後も定期的に放出されることから当入札が市場に与える影響を注視する必要があると考える。

 

バター情報

12月の欧州バターはEUでの生乳生産量が低迷する中、生乳はチーズやクリームへ向けられており、相場は上昇傾向となっている。またオセアニアでは天候不順・低乳価による酪農家の離農・生産意欲低下等により、来シーズン全体の集乳量も減少する見込みとなり、豪州バター相場は続伸している。米国バターについても、クリスマス・年末需要で国際的な引き合いが増えており供給がタイトになっていることから、相場は上昇している。

 

ホエイ情報

米国産・欧州産共にホエイパウダー相場は堅調な推移が続いている。米国産ホエイパウダーについては、10月の中国への輸出量が前年同月比55%増となっており需要回復の兆しが伺える。また東南アジアへの輸出も図化傾向となっていることから今後の相場への影響が懸念される。欧州産ホエイパウダーについては在庫も適正レベルでの推移となっているが、集乳量減少に伴い、乳価が上昇していることからホエイパウダー相場も上昇している模様。

 

カゼイン情報

10月にユーザーの買い意欲低迷から一旦調整局面に入ったカゼイン相場は、11月に入り緩やかではあるが再び上昇し始めた。主な要因としては、カゼイン生産地域における生乳生産量の減少ではあるが、カゼインとの関係が最も深い脱脂粉乳に関して、EU政府による介入在庫の放出がなされていることから、EUでのカゼイン相場は大きな変動は見られていない。一方、オセアニアでは集乳量減少懸念によりカゼイン相場は軒並み上昇している。カゼイン相場は今後も緩やかな上昇が続いていくものと思われる。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は前月に続き堅調な推移が続いている。欧州では、生乳減産により乳糖生産量も引き続き低水準にて推移、需要面では中国向け育児粉乳が堅調に推移していることから、育児粉乳用途での乳糖需要も高い状態となっている。米国産については、好調なチーズ生産に起因して乳糖生産も好調を維持、また需要面では育児粉乳向けの乳糖需要が強く、価格面で堅調な推移となっている。

 

チーズ情報

現在オランダにおいて家畜の糞尿に含まれるリンの排出規制が大きな懸念材料となっており、2017年の乳量及び乳価、そしてナチュラルチーズ価格に大きな影響を及ぼすと考えられる。オランダ清酒、乳業会社、飼料会社、銀行等が協議を行い、対策案が2016年11月18日に決定された。この対策と併せ16万から17.5万頭の乳牛がと殺される見通しで、結果2017年の生乳生産量は2016年比約100万トンの減少見込み。本規制によるナチュラルチーズ相場の変動に注視する必要がある。

 

国内情報

2016年11月の全国生乳生産量は前年同月比1.6%減となり、3ヶ月連続での減産。Jミルクは16年度の生乳生産量が前年比0.8%減の見込みと発表。そのような中ホクレンは2016年度見込み比較、プール乳価で1キロあたり60銭の乳価引き上げを大手・中堅乳業メーカー15社と合意したと2016年12月12日に発表した。また、同月16日には農林水産省が部会を開き、1キロあたり10円56銭加工補給金の給付を提示、同議会にて承認された。これにより乳価、加工補給金ともに値上げとなり、酪農家は国と市場双方から増産の期待をかけられる形となった。