2017年11月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

欧州産脱脂粉乳相場はさらに弱含んでいる。利益率の高い乳脂肪の製造が優先されたことで副産物である脱脂粉乳の製造も進み、ユーロ高の影響もあって在庫が積みあがっている。昨年12月から開始した政府介入在庫は賞味期限が近いものもあり、欧州委員会の今後の対応が注目されている。オセアニア産脱脂粉乳相場もさらに弱含んで推移している。背景には豪州での乳価改定で酪農家の生産意欲が高まっていること、また、天候が良く生乳生産が好調であることが挙げられる。米国産脱脂粉乳価格は非常に競争力があり、中国向け輸出が活発である。

 

バター情報

10月に入り欧州産バターの相場は急落したが、供給がタイトな状況は続いている。ニュージーランド(NZ)では9月のバター生産量が過去5年間で最も低い数量となり、オセアニアも供給がタイトな状況である。一方、米国のバター相場は安定しており、9月末からほとんど動きがない。米国産バターの生産量は増加傾向にあるが、米国内在庫は大幅に落ち込んでおり、堅調な米国内の需要が窺える。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーの相場は前月同様、軟調傾向にある。好調なチーズ生産によりホエイパウダーも潤沢に供給されており、製造者は適正在庫水準を保つために需要家の値下げ要求に積極的に応じている。欧州産ホエイパウダーの相場も下降基調が続いており、供給過多の状況にある。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は引き続き低調に推移している。欧州では脱脂粉乳相場の低迷により一部のメーカーがカゼインの生産へシフトする動きを見せており、EU域内の生産量は増加している。一方で、NZでは天候要因で生乳生産が伸びておらず、カゼイン生産も予想ほど伸びていない。需要家のほとんどが年内分を既に手当てしているため、今後も軟調に推移するものと思われる。

 

乳糖情報

欧州産乳糖の相場は弱含んだままである。EU域内外でチーズの需要が強く、生産も好調なため、副産物である乳糖の生産量も安定している。米国産も同様の状況である。好調なチーズの生産を背景に乳糖生産も好調を維持しており、結果、乳糖相場は弱い状態が続いている。各製造者は年末までに在庫レベルを減らしたい意向があり、冬の製菓用途で伸長することが予想されるが、欧州産との競合が予想され、相場は弱いままと思われる。

 

チーズ情報

カビタイプのチーズが中国で突然輸入停止となった。一部の都市で始まったこの禁輸措置は上海まで広がったが、背景にはカビタイプのチーズが健康に害するという誤認があり、中国当局が健康被害はないと通達したことで禁輸措置が解除された。欧州委員会は継続的なチーズの啓発活動を行っていくと報告している。

 

国内情報

農林水産省が発表した9月の全国生乳生産量は58万718トンで前年同月比0.8%減となり、13ヶ月連続で前年割れという結果になった。北海道では9月及び10月の生乳生産量が増産基調にあったが、10月に発生した大型台風により一転し、道外移出がストップしたことにより都府県では再度需給が逼迫した状況になった。

2017年10月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

欧州産脱脂粉乳価格は若干の弱含みで推移している。2017年1月~7月のEU域外への輸出量が過去最高を記録した。背景には、欧州産の価格下落に伴い中国がオセアニア産から買い替えを進めたこと、また、EU域内の取引が政府介入価格を下回ったことで輸出に力を入れる供給者が目立ったことなどがある。オセアニア産の脱脂粉乳価格については横ばいであるが、今後生乳生産のピークシーズンに入ることからさらなる下落も期待されている。

 

バター情報

9月の欧州産バターの相場は緩やかではあったものの上昇を続け、他主要生産地との価格差はさらに広がった。オセアニア産バターは昨シーズン(2016年7月~翌6月)の生産量が前年比-18.1%と大きく減少し、欧州産と同様に供給がタイトな状況が続いている。米国産バターの相場は下落傾向にあり、価格競争力が強まってきているが、米国内のバター消費量が過去45年間で最も高い水準となっており、旺盛な米国内需要と前年割れしている生産量を背景に米国においても価格が高騰する可能性が考えられる。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーの相場は弱含みで推移している。米国農務省全国農業統計局によると、2017年7月の食用ホエイパウダーの生産量は前年同月比21%増と大きく増加している。欧州産ホエイパウダーの相場はユーロ高の影響やユーザーが様子見モードであることなどから米国産と同様に弱含みで推移している。米国産WPC-34についても相場は弱含みで推移しており、製造を高付加価値品に切り替える製造者も出てきている。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は引き続き低調に推移している。ニュージーランド(NZ)が新シーズンに入り、生乳生産量が増加し始めていることから、カゼインの生産も増加傾向にある。季節的要因で生乳生産量が落ち込んでいる欧州においてはカゼインの生産量が減少傾向にあるが、低迷している脱脂粉乳相場の影響を受けて、欧州産及びNZ産のカゼイン相場も軟調に推移するものと思われる。

 

乳糖情報

欧州産乳糖の相場は先月に続き弱含んでいる。脱脂粉乳相場の低迷によりチーズの製造に切り替える動きがあり、副産物である乳糖の生産量は安定している。今後乳糖の生産量は伸長することが予想され、相場の軟化傾向は続くものと思われる。米国産乳糖の相場も弱含みが続いている。順調な生乳生産と米国内の旺盛なチーズ需要により乳糖の生産量が前年比1.5%の伸びを見せている。今後冬物商材向けに乳糖の需要が高まることが予想されるが豊富な供給に支えられ、乳糖相場は弱含みが続くものと思われる。

 

チーズ情報                                                      

イタリア産パルミジャーノ・レッジャーノのイタリア国内相場が上昇を続けており、2017年9月の価格は同年1月から4%上昇している。8月の生産量が前年同月比約3.6%上昇しているにも関わらず、在庫量が0.14%減少していることから需要が旺盛なことがうかがえる。相場の上昇は少なくても最需要期である年末まで続くものと考えられる。

 

国内情報

農林水産省が発表した8月の全国生乳生産量は60万546トンで前年同月比1.6%減であった。全国の生乳生産量は12ヶ月連続で前年割れという結果になったが、北海道での生産量は前年同月比0.1%減と、前年並みの水準まで戻りつつある。飲用牛乳等については、2017年3月~7月まで生産量が前年比増が続いていたが、天候不順の影響もあり8月は前年同月比0.4%減となった。

2017年9月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

粉乳相場は落ち着いている。脱脂粉乳の価格はオセアニア産及び米国産が同レベルで競争力があり、次いで欧州産という構図が続いている。全粉乳相場はオセアニア産が価格競争力を有している。脱脂粉乳相場は今後も横ばいまたは弱含みの状態が続くと予想されるが、足元では中国の2017年7月の輸入量が前年同月比約2倍に伸長しており、今後の輸入量によっては相場上昇に影響する可能性も考えられる。横ばいが続く全粉乳相場においても中国の動向を注視したい。

 

バター情報

欧州産バター相場は8月に入り再び急上昇しEUR7,000/MTの大台に乗せた。欧州産及びオセアニア産のバター製造量は大幅に落ち込んでおり、この状況が続けば最需要期であるクリスマスシーズンには更なる価格上昇と供給タイトな状況に直面する可能性が高い。米国においては歴史的高水準を保っていた在庫が徐々に減少しており、最需要期に向けて相場が上昇することが予想される。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーは軟化傾向にある。順調なチーズ生産を背景に副産物であるホエイ生産も増加している一方で、北米域内の需要が思わしくなく、在庫はやや重たいレベルにある。高値が続いていた欧州産ホエイパウダーは生産量が伸長してきており、相場は落ち着きを見せ始めている。米国産WPC-34は弱含みにて推移していおり、直近での急激な相場上昇はないものと予想する。

 

カゼイン情報

主要生産地であるニュージーランド(NZ)がオフシーズンにあり、また、欧州が乾乳期にあるためカゼインの生産量は低く、ユーザーも新シーズンに入るNZの供給動向を見守っていることからカゼイン相場に大きな変動は見られない。NZが新シーズンに入れば、カゼイン生産は順調に進むことが見込まれるが、価格については脱脂粉乳の相場低迷の影響を受けてカゼイン価格も低調に推移するものと思われる。

 

乳糖情報

欧州産乳糖は弱含みで推移している。好調なチーズ生産を背景にプロダクトミックスである乳糖の生産は安定している。需要面では第3四半期までのタイト感が薄れてきており、需給バランスの取れた状態に近づいてきている。米国産乳糖も弱含みで推移している。好調な乳糖生産の一方で米国内の乳糖在庫は積み上がっており、今後も相場は軟調に推移するものと思われる。

 

チーズ情報                                                      

ドイツの2017年上半期のチーズの輸出量は前年同期比1%増に留まったものの、輸出先に大きな変動があり、EU域外向けが22%増となった。チリ向けが2倍以上に増え、韓国も2倍、日本は33%増、米国は20%増、スイスは17%増となった。

 

国内情報

農林水産省が発表した7月の全国生乳生産量は61万180トンで前年同月比3.3%減であった。7月の全国的な猛暑は生乳生産量の急減をもたらし、8月下旬以降の需給に危機感が広がったが、8月の天候不順による牛乳消費の減退と堅調な生乳生産により逼迫していた需給は落ち着きを取り戻した。しかしながら、9月は飲用最需要期を控えており酪農乳業関係者は警戒感を弱めていない。