2018年5月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

欧州産脱脂粉乳の相場は久しぶりに上昇した。EU政府介入在庫の使用を試みた需要者も賞味期限が迫っていることから新規製造品に切り替えたものと考えられる。EU政府の放出入札以降、脱脂粉乳の国際相場は欧州産を中心に推移している印象があり、政府介入在庫の動向により相場が上下すると考えられる。

 

バター情報

4月の欧州産バター相場は急騰し、他主要生産地との値差がさらに拡大した。背景には欧州のメーカーがチーズとホエイの生産を優先していること、また、ニュージーランド(NZ)の天候不順により生乳生産が減少していることが挙げられる。世界的な乳脂肪需要は依然強く、今後も上昇していく可能性が高い。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は上昇局面にある。主要産地のNZは生乳の供給が限定的であるなか、余乳をカゼイン以外の生産に向けているメーカーがあり、より一層生産量が限られている。欧州のカゼイン生産量は増加傾向にあるものの、生産能力に限界があるため伸び幅は限定的である。供給量が限定的であるなか、アジアを中心に第3四半期以降分の引き合いが増え始めていることが相場の上昇に繋がった。

 

チーズ情報

2018年1~2月の欧州産チーズの輸出量は、前年同期比2.8%増、一昨年同期比10.9%増の12万8,000トンとなった。最大の輸出先は米国で全体の14.1%を占めた。増加率が高いのがチリである。同国の2016年の輸入量は3万4,000トン(内、欧州産は9,000トン)であったが、2017年には輸入量が7万6,000トン(内、欧州産は2万7,000トン)に急増した。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダー相場は中国や東南アジアの需要が強いことから前月に続き緩やかな上昇傾向にある。欧州産ホエイパウダー相場も上昇傾向にあり、今後欧州の生乳生産量が季節的要因で減少すれば相場はさらに上昇する可能性がある。但し、在庫を十分に確保している需要家もいるため、相場上昇は限定的との見方がある。

 

乳糖情報

欧州産乳糖相場は上昇基調に転じた。天候不順による搾乳量の減少は徐々に回復しており、好調なチーズ生産を背景に乳糖の生産は安定している。需要面では脱脂粉乳の生産量が前年比微増し、たんぱく調整用途での乳糖需要が伸長した。米国産乳糖相場は堅調である。安定的な乳糖の供給に対し、米国内外の需要は強く、特に中国からの育児粉乳用途での引き合いが旺盛である。米国内の過剰在庫は相当量が解消されタイト感が強まっている。

 

国内情報

農林水産省が発表した2018年3月の全国の生乳生産量は63万9,271トンで前年同月比0.8%増となり、5ヶ月連続で前年を上回った。2017年度の全国の生乳生産量は2年連続の減産と発表された(前年度比0.7%減の729万810トン)。また、Jミルクは2018年度の生乳生産量の見通しを前年度をやや下回る725.6万トンと発表している。

2018年4月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

欧州産脱脂粉乳相場は落ち着いた状態が続いている。3月のEU政府介入在庫の放出入札においては、最低落札価格が前月を更に下回り、EUR1,100/mtとなった。ニュージーランドでは天候不良に伴い生乳生産量が落ち込んだ結果、2018年1月の粉乳輸出量は前年同月比9.2%減であった。米国の生乳生産は依然好調で米国産脱脂粉乳の相場は徐々に競争力が出てきている。

 

バター情報

3月の欧州産バター相場は2月の急上昇が落ち着き、小康状態のまま高値圏に留まった。1月の欧州産バターの生産量は前年同月比+3.5%となったが、脱脂粉乳のEU政府介入在庫が未だ重いことから今後の生産にはブレーキがかかり、欧州のバター相場はしばらく高値安定するものと予想される。豪州のバター生産は前年同時期を大幅に下回っており輸入に頼らざるを得ない状況は変わっていない。2018年1月のバター及びバターオイルの輸入量は前年同月比+21%であった。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダー相場は若干の上昇傾向にあるが在庫が潤沢な状況は変わらず、相場の上昇は限定的である見方が強い。欧州産ホエイパウダー相場も若干の上昇傾向にあるものの高値で推移した2017年前半と比較すると落ち着いている。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は年末に底を打ち、上昇に転じたものの、再び軟調基調に戻った。主要ユーザーが既に第2四半期積み分まで契約していることが要因と考えられる。供給面では、欧州のカゼイン生産が順調な一方で、乾乳期に入るニュージーランドではカゼイン生産は限定的である。今後は第3四半期積みの引き合いが始まることからこれ以上の相場低迷は考えにくい。

 

乳糖情報

欧州産乳糖相場は前月に引き続き低迷している。今後は季節的要因で乳糖生産の増加が見込まれるが下落傾向にある乳価の影響で大幅な増加は考えにくい。一方、米国産乳糖相場は緩やかに上昇している。需要が徐々に高まっていくことが考えられるため、米国産乳糖相場は今後も緩やかに上昇していくことが予想される。

 

チーズ情報                                                      

中国のチーズ需要は年々高まっている。2017年のチーズ輸入量は前年比11.6%増に留まったが、過去7年間を見ると、輸入量の年間成長率は平均25%に上る。中国栄養学会は生乳換算で300g/日の乳製品摂取を推奨しており、現在の100g/日から考えると今後も消費量が増え続けることが予想される。

 

国内情報

農林水産省が発表した2018年2月の全国生乳生産量は56万9,067トンで前年同月比0.5%増となり、4ヶ月連続で前年を上回った。今後夏の暑さによる生乳生産の落ち込みや牛乳の消費伸長により原料乳の不足が深刻化する可能性がある。北海道の生乳生産量は前年並みを維持しているが都府県の生乳生産は減少傾向にある。今後は都府県の生産基盤の維持・強化が急務となっている。

2018年3月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

欧州産脱脂粉乳相場は落ち着いた動きを見せている。2月の行われたEU政府介入在庫の放出入札においては、落札最低価格が前月をEUR90/mt下回りEUR1,100/mtとなった。オセアニア産脱脂粉乳相場は欧州産脱脂粉乳の価格に引っ張られ、ほぼ横ばいに推移している。米国産脱脂粉乳の相場は欧州産には及ばないものの、オセアニア産の価格と比較すると競争力がある。EU政府介入在庫が未だ35万トン以上あることから脱脂粉乳相場は当面横ばいに推移するものと予想される。

 

バター情報

2月の欧州産バター相場は急上昇した。前月の相場が比較的安値で緩やかに推移したため買い控えていた需要者の引き合いが殺到し瞬く間に反発したためだ。豪州においては2017年下半期のバター生産量が前年同期比-19%と大きく減少している一方でバター需要は増加傾向にあり、豪州はもはやバターの輸入国となってきている。米国産バター相場は他産地の相場に合わせて上昇した。

 

ホエイ情報

米国産のホエイパウダー相場は引き続き軟調である。好調なチーズ生産に伴うホエイパウダー製造・在庫過多の状況は変わらない。米国内需要が弱いため在庫処理を目的に輸出が増加している。欧州産ホエイパウダー相場は若干上向いた。生産量は好調で、在庫量及び需要も横ばいであるが、売り手が市場に出す玉を若干絞った結果、相場が引き締まったと考えられる。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は堅調に推移しはじめた。欧州においては、脱脂粉乳が在庫過多の状況にあることにより、カゼイン生産は安定している。他主要産地であるニュージーランド(NZ)は雨不足による生乳生産量の減産及び低調なカゼイン相場に伴う増産意欲の低下によりカゼインの生産量は限定的である。その結果、NZのカゼイン相場は回復の気配を見せている。

 

乳糖情報

欧州産乳糖相場は依然低調である。先月と同様に好調なチーズ生産により乳糖の供給は安定しているものの、目立った需要増もなく低位安定が続いている。中長期的に見ると、過剰な脱脂粉乳のEU政府介入在庫が解消されれば、相場上昇の要因となることが予想される。

 

チーズ情報                                                      

2017年の米国産チェダーの生産量は前年比4.1%増の161万4,790トンで過去最高となった。2017年12月単月の生産量は前年同月比3.2%増、前月比7.1%増の14万3,963トンで、1950年に統計を開始して以来の記録的な数字となった。

 

国内情報

農林水産省が発表した2018年1月の全国生乳生産量は62万1,294トンで前年同月比0.5%増となったものの、北海道を除く都府県では2.4%の減少となっている。それに伴い、ホクレンの生乳道外移出は2017年12月が前年同月比33.8%増、2018年1月は19.4%増となり大幅に拡大している。農林水産省は1月26日に2018年度乳製品輸入枠について、バター枠は1万3千トン、脱脂粉乳枠は2万7,000トンに設定すると発表した。