2016年3月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

各生乳地域においての供給過多の状態は続いており、粉乳相場は先月に引き続き軟調な推移となっている。脱脂分乳の価格競争力は、EU・米国・NZが同水準、次いで豪州となっているが、全粉乳については豪州の価格が最も競争力を有している。特にEUでは生乳生産量が好調ではあるものの、脱脂粉乳と比較して全粉乳生産は利益率が悪いことから、積極的には行っていない様子。

 

バター情報

2月の欧州産バターは、好調な生乳生産量をうけ続落、相場は2012年6月以来のEUR2,500/MTを下回った。またオセアニアにおいてもNZ・豪州産共に下落し、2015年11月以来のUSD3,000/MTを下回っている。米国産バター相場は2月に入り急落、1月末のバター在庫量も増加傾向ではあるものの依然国際相場に比べ破格の価格帯での推移となっている。

 

ホエイ情報

軟調に推移していた米国産ホエイパウダー相場だが、1月末よりやや堅調に傾き始めている。米国産に対する需要低迷感および底値到達感との市況判断により需要者の買いが入り、緩やかに上昇している模様。供給面では依然好調に推移していることから、今後の相場動向には注視したい。欧州産ホエイパウダーについては依然軟調に推移、米国産WPC-34の相場も安定的または若干の強含みでの推移となっている。

 

カゼイン情報

乳製品全般の低調な市況を背景に、カゼイン相場は下げ基調が止まらず、軟調な推移が続いている。供給面では昨年より生産は好調、在庫は潤沢な状況の中、需要面では全体的に低調となっており、カゼイン相場は今後も軟調な動きが続いていくものと思われる。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は堅調に推移、もしくは徐々に上昇している。低迷を続けていた乳糖相場と潤沢な在庫量により生産調整を行ったことから供給がタイトに転じていること、またタンパク調整用途での需要が増加したことが主な要因と考える。供給面でのタイト感が強まっていることから、今後も相場は堅調に推移すると予想する。

 

チーズ情報

2014年8月より行われている農畜産物禁輸措置により、ロシアの2015年のチーズ輸入量は2013年と比較して半減した。一方で2015年度のパームオイルの輸入量が前年比26%の増加している。禁輸措置によりナチュラルチーズの輸入が出来なくなった代替として、乳脂肪をパームオイルに置換したアナログチーズの製造に注力している模様。

 

国内情報

2016年1月の全国生乳生産量は前年同月比0.6%増となり、8ヶ月連続で前年を上回った。地域別で検証すると北海道が1.7%増、都府県では0.7%減と、都府県の生乳生産に勢いがないことがわかる。これは酪農家の離農により乳牛頭数が減少していることが要因と考える。また1月は都府県での大雪や寒波の影響により、北海道から都府県への道外移出が急増した。

2016年2月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

粉乳相場は国際市場における供給過多の状態が継続していることから、低調な推移が続いている。脱脂粉乳では現在EU産が最も競争力を有している。米国ではオファー価格は異なるが、中にはEU産と同レベルの価格を提示するサプライヤーも出ている。全粉乳についてはEU産、豪州産共に同レベルの価格帯で推移しているが、全粉乳の製造は利益率が他商品に比べ低いことから生産には積極的ではない様子。

 

バター情報

1月の欧州産バター相場は年末年始需要の一服感より先月に続き軟調な推移となっている。NZおよび豪州産バターは季節的要因により生乳量が減少しており、相場はほぼ横這いに推移した。一方、米国産バターは先月急落したものの1月に入り上昇、国際相場から頭一つ抜けた価格帯での推移となっている。3月にはイースター休暇も控えているため、更なる相場上昇の可能性も否めない。

 

ホエイ情報

米国産・欧州産共にホエイパウダーは、好調なチーズ生産に牽引されながら生産量も安定、相場は引き続き軟調な推移となっている。特に欧州産ホエイパウダーについては2009年以降最も低い価格水準で推移している。また米国産WPC-34の相場は安定的に推移。一部でWPC-80への製造品目切り替えの影響により、潤沢であったWPC-34の在庫量も適正化されてきており、価格が反転するケースも発生している。需給バランスによっては相場が動く可能性もあるため今後注視したい。

 

カゼイン情報

各乳産地での生乳生産量は好調を維持しており、カゼイン生産も好調、相場は引き続き軟調に推移している。今後については中国での「一人っ子政策」解禁に伴い、育児粉乳用需要増などが期待されており、軟調に推移してきた乳製品市場に上昇期待が高まってきていることから、カゼイン相場も上昇機会をうかがう展開になってくると思われる。

 

乳糖情報

低いレベルでの推移を続けてきた欧州産乳糖相場だが堅調に転じ始めた。要因としては、供給面では相場下落の影響から乳糖生産を他のホエイ製品に切り替えるメーカーが出始めたこと、需要面ではオセアニアからの脱脂粉乳蛋白調整用途としての需要増が考えられる。また米国産乳糖も依然低いレベルではあるが、国内外からの需要が増えていることから第1四半期の相場は上昇に転じた。今後については米国産の第2四半期にかけても続伸した場合、欧州産も強含みに推移することが予想される。

 

チーズ情報

2015年1月から12月において日本が世界一のチーズ輸入国となる見通しであると、USDA(米国農務省)が発表した。未確定値ではあるが同期間の日本のチーズ輸入量は24.5万トンに達し、長年首位であったロシアを大きく上回る見通しである。この背景には農産物禁輸措置等による、ロシアのチーズ輸入量の激減したことと、2015年は世界的にチーズ価格が下落したことから、日本の輸入量が過去最大となったことが考えられる。

 

国内情報

2015年12月の全国生乳生産量は前年同月比1.1%増となり、7ヶ月連続で前年を上回った。また2015年の生乳生産量は前年比0.6%増となり、2012年以来3年ぶりの増産を達した。しかしながら、Jミルクが発表した2016年度の生乳需給見通しでは、全国生乳生産量は前年対比0.6%減との予測となった。これは生乳生産量が北海道では引き続き増加傾向が続くものの、都府県では乳牛頭数が依然減少基調にあることから、生産量は前年を下回るとの予測となっている模様。

 

2016年1月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

先月に続き粉乳相場は低調な推移となっている。オセアニアでは天候不良や低乳価の影響により生乳生産量は予想を下回る事態となっているが、EUでは好調に推移、2016年第1・第2四半期で2015年の同時期対比1.9%増が期待されている。また需要面ではロシア・中国の最大需要国の動きは未だ静かな状態であるが、2016年第3四半期より中国からの需要がもどってくるのではないかとの声もあり2016年は注視したい。

 

バター情報

12月の欧州バター相場はクリスマス需要の一服感から軟調な推移となった。豪州バターは天候不良などから集乳量が減少傾向となっており、相場は徐々に上昇してきている。また米国バター相場は12月に入り急落した。11月の集乳量が昨年対比0.6%上昇と好調に推移したことに加え、季節需要も一服したことから下落したものと推測する。

 

ホエイ情報

先月に続き米国産・欧州産共にホエイパウダーは、チーズ需要増により生産量が増加、副産物であるホエイパウダーの生産量・在庫量共に増加し、相場は軟調に推移した。昨今の欧州産ホエイパウダーの新興国向け輸出量が増加傾向となっており、2015年1月から10月の輸出量は前年比5.9%増であった。米国産WPC-34相場については依然軟調に推移している。

 

カゼイン情報

各乳産地での生乳生産量は季節的要因、天候不良の影響で減少傾向ではあるものの、依然として順調な生産が続いていることから、カゼイン生産も好調であり供給は潤沢な状況となっている。一方で需要者は在庫を十分保有しており、買い控えしていることからカゼイン相場は1カ月前より15%下落、軟調な推移となった。生乳生産が減少しない限りカゼイン相場の価格上昇には至らないものと思われる。

 

乳糖情報

欧州産乳糖は引き続き好調なチーズ生産に伴いホエイ・乳糖の生産量も増加していることから、相場は依然低いレベルで推移している。一方米国産乳糖については低いレベルながらも上昇に転じた。これは国内需要が増加傾向であること、また中国において二人っこ政策への転換により、同国からの需要が高まってきていることから2016年第1四半期は値上げとなった模様。しかしながら供給量は十分にあることから大幅な価格上昇は考えにくい。

 

チーズ情報

2015年1月から12月の日本のナチュラルチーズ輸入量が、23万トンを突破することが確実視されており、過去最高記録を更新する模様。特に欧州からの輸入量が著しい。欧州では2015年3月末での生乳生産割当制度撤廃により生乳生産量が順調に推移したことに加え、世界最大のチーズ輸入国であるロシアの禁輸措置の影響でナチュラルチーズの価格が大幅に下落、日本への輸入量激増につながった模様。

 

国内情報

2015年11月の全国生乳生産量は前年同月比0.8%増となり、6カ月連続で前年を上回った。また2015年11月のバター生産量は前年同月比6.3%増、在庫量は33.4%の大幅増となった。またALICによる12月及び1月の需給予測は、生産量が12月1月共に前年同月比5%増、出回り量は前年並み、在庫量は12月19%増、1月は17%増となる見込み。例年年末年始は在庫積み増し期となっていることから、今後のバター生産量・輸入入札の動向に関して注視する必要がある。