2016年10月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

脱脂粉乳・全粉乳の国際相場は堅調に推移している。欧州では生乳生産量を減産した酪農家に補助金を支払うという減産政策の施行、またオセアニアでは大雨の影響により国際的に生乳生産量が減少するとの見方が強く、供給量の減少が懸念される。また中国を始めとする国際的需要も徐々に増加していることから、粉乳相場は引き続き上昇する可能性がある。

 

バター情報

欧州産・オセアニア産共にバター相場の上昇が止まらない。特に欧州産については、今年安値圏の4月から9月までの半年で価格は倍近く上昇、短期の上げ幅では史上最高レベルを記録している。生乳生産量は欧州では減産の影響、オセアニアでは天候不順の影響から減少傾向にある。年末需要は引き続き強いことから相場下落の要因は見当たらない。一方米国産バターは、夏季のアイスクリーム需要が落ち着いたことからクリームがバター製造に向けられ、生産量・在庫量共に上昇、相場は弱含みの推移となっている。

 

ホエイ情報

米国産・欧州産共にホエイパウダー相場は堅調な推移が続いている。米国産については、タンパク含有量の高い濃縮ホエイへの生産シフトが進んでおり、ホエイパウダー生産量が低調、国内在庫量も減少傾向となっている。欧州産については、中国を始めとする国際的需要が好調に推移、相場は過去一年間で最も高い水準での動きとなっている。また米国産WPC-34については、製品品目の切替により在庫量減少傾向である中、育児粉乳用途としての需要が集中していることから価格は強含みで推移している。

 

カゼイン情報

欧州産・オセアニア産共にカゼイン相場は上昇している。両地域での生乳生産量の減少が見込まれていることからカゼイン生産量も減少傾向、供給のタイト感から需要者の買い意欲が高まっている模様。今後もカゼイン相場は上昇傾向が続くものと思われる。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は堅調な推移が続いている。欧州では減産に伴い、チーズ生産量も減少、また原料ホエイ・乳糖生産量も低調に推移している。需要面では引き続き好調に推移していることに加え、年末需要も控えていることから、今後もタイトな状況は続くと思われる。米国産乳糖については、欧州産の逼迫感により米国産に引き合いが集まっており、引き続き相場は堅調な推移が続くと思われる。

 

チーズ情報

欧州では乳製品需要の安定を目的とし、欧州委員会は今年7月に酪農家に対し約585億円の緊急支援金交付を発表したが、9月にそのうちの176億円を生乳生産奨励対策に充当するとした。これを受け欧州27か国、52,000戸以上の酪農家が参加、2016年10月~12月の生乳合計が前年同月比106万トンの減産が確約された。脱脂粉乳・バターへの生産シフトによりチーズ製造向けの配乳が減少傾向となっている中、集乳量も減少と更なるチーズ価格上昇が懸念される。

 

国内情報

2016年8月の全国生乳生産量は前年同月比0.3%増となり、月別では15ヶ月連続で前年を上回ったが、8月下旬以降は北海道に接近・上陸した台風の影響や猛暑の影響、その他乳房炎の発生件数増加などにより減産に転じている。地域別では北海道が8月上旬は好調であったことから前年同月1.6%増、都府県では1.1%減と6ヶ月連続で減産となっている。

 

2016年9月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

8月に入り粉乳相場は上昇に転じた。特に全粉乳の価格上昇が著しい。各生乳生産地での生産量は、季節的要因や長引く低乳価の影響で減少傾向となっており、今後の乳相場は新シーズンが始まったオセアニアでの生乳生産量が大きく影響するものと考える。また現在国際市場において全粉乳・脱脂粉乳共にEU産・オセアニア産がほぼ同水準で価格競争力を有し推移している。

 

バター情報

8月に入り欧州産・オセアニア産共にバター相場は上昇した。季節的要因・低乳価の影響により酪農家の生産意欲の低下などから各生産地での生乳生産量は減少傾向である事、夏休みシーズンが明け年末需要期に向けての引き合いが増えている事が要因と思われる。また中国や東南アジアからの需要が戻りつつあるとの情報も出てきており、年末に向けて相場は上昇基調にて推移すると予想する。米国産バターについては、年末需要期に向けての在庫積み増し行っている模様。

 

ホエイ情報

米国産・欧州産共にホエイパウダー相場は引き続き堅調に推移している。米国産については、季節的要因による集乳量の減少に加え、ホエイ派生製品への生産シフトによりホエイパウダーの生産量・在庫量は共に減少傾向にある事が、価格上昇の要因となっている。また欧州産についても、チーズ生産量減少によりホエイパウダーの生産量も減少したことで価格は上昇している。米国産WPC-34相場についても引き続き堅調に推移しており、在庫水準の低下が価格押し上げ要因となっている。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は8月に入り大きく上昇した。需要面では夏休みシーズンということから大きな動きは見られなかったものの、供給面においては各地域でタイト感が出てきている。オセアニア地域では低乳価による生乳生産量減少によりカゼイン生産も限定的との見方が強く、現在の在庫分についても既に売約済となっている為に価格は高騰、欧州域での在庫にも逼迫感が出てきていることから今後カゼイン相場上昇が懸念される。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は引き続き堅調に推移している。欧州産では脱脂粉乳・バターへの生産シフトに伴いチーズ生産量も減少、原料ホエイ・乳糖生産量も減少傾向となっている。一方で、需要面では蛋白調整用途・育児粉乳用の乳糖需要が引き続き好調に推移しておりタイトな状況が続いている。米国産乳糖についても、好調なチーズ生産に起因し乳糖生産も好調に行われているものの、国内および国際的な需要が高まっていることから、相場は堅調に推移している。欧州産・米国産共に今後しばらくタイトな状況が続くと予想する。

 

チーズ情報

欧州産ナチュラルチーズは非常に堅調な推移となっている。主な要因は、乳価低迷により離農および乳牛と殺が進んだ事から生乳生産量が減少傾向であること、脱脂粉乳・バターへの生産シフトによりチーズ生産向けの配乳の減少が挙げられ、今後もしばらくは堅調に推移すると予想する。一方で米国産ナチュラルチーズについては、本年7月時点で国内在庫量が過去最高の水準となった。米国農務省は8月に約5千トンの在庫買上げ計画を発表したが市場の反応は冷静であり、潤沢な国内在庫に加え年明けの需要減により相場は軟調に推移する可能性もあるため引き続き注視が必要と考える。

 

国内情報

2016年7月の全国生乳生産量は前年同月比0.4%増となり、14ヶ月連続で前年を上回った。地域別では北海道が前年同月比2.5%増、都府県は前年同月比1.9%減となり、都府県では3月より5ヶ月連続で減産となっている。例年生乳需給は、気温の上昇や学校給食開始などにより、8月下旬から9月上旬に逼迫する。現状、国内生乳生産量は予想ほど減少していないが、今年は西日本が猛暑に見舞われていること、北海道の生乳生産量の伸び幅は減少傾向にあり9月以降の生乳生産量はより一層の注意が必要と考える。

 

2016年8月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

6月に若干の上昇をみせた粉乳相場だが、その後は大きな価格変動なく推移している。生乳生産のピークを過ぎたEUでは低乳価の影響もあり、生乳生産量の伸び幅は減少、EU産脱脂粉乳相場も若干の強含みで推移している。現在では全脂粉乳相場・脱脂粉乳相場共に豪州産が国際市場において最も競争力を有している。その豪州では新シーズンの乳価が昨年比較低レベルであった事から、今後の生乳生産量への影響が懸念されている。生乳生産量および乳価の推移によっては粉乳相場が上昇に転じる可能性もある為注視したい。

 

バター情報

欧州産・米国産共にバター相場は引き続き強含みで推移している。欧州では域内のバター需要が活発で直近では売り切れ又はオファー一時停止の状態となっている。8月は夏休みで商いは閑散としているが、夏休み明けの相場がどう動くか注目したい。米国では堅調な国内のアイスクリーム需要によりクリーム供給がタイトになっていることから、バター生産が減少傾向、今後も価格は上昇あるいは高止まりするものと予想する。

 

ホエイ情報

米国産・欧州産共にホエイパウダー相場は引き続き強含みで推移している。米国産については、アジアの養豚業界からの引き合いが強い。また欧州産ついても飼料向けの需要が高く、今月に入り価格は10%近く上昇した。ホエイパウダー相場は堅調な需要に支えられ、今後しばらくは強含みの流れが続くものと思われる。また米国産WPC-34相場は引き続き製品品目切替により堅調な推移が続いている。

 

カゼイン情報

欧州産・オセアニア産共にカゼイン相場は緩やかに上昇している。欧州においては、5月以降需要が増加、在庫量も逼迫感が出てきている。またオセアニア地域においては閑乳期に入り、カゼイン生産は限定的、在庫量も減少傾向であることから、国際的なカゼイン相場は緩やかに上昇しているが、オセアニア地域での生乳生産が再開されればカゼイン生産も増加することから、本格的な上昇局面に入ったとは考えにくい。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は引き続き堅調に推移している。欧州では脱脂粉乳・バターへの生産シフトは続いており、チーズ生産量の減少によりホエイ・乳糖生産も減少している。需要面では蛋白調整用途・育児粉乳用需要も堅調に推移、年末にかけての需要増も予想されタイト感は引き続き続くと思われる。米国産乳糖については、チーズ生産量増加に伴い乳糖生産も増加しているものの、国際的な需要が堅調なことから、今後引き続きタイトな状況は続くと予想する。

 

チーズ情報

欧州産ナチュラルチーズ相場は前月に続き上昇傾向となっている。主な要因としては欧州内でのバター・脱脂粉乳政府買い上げ政策により、チーズ生産向けの配乳が減少したこと、乳価低迷により酪農家の乳牛と殺などによる生乳生産量減少があげられる。7月18日付けのDaily Dairy Reportによると、欧州委員会は域内酪農家に対し5億ユーロを助成することを発表、また政府買い上げ政策を2017年2月まで延長することとした。今後クリスマス・年末の最需要期が控えていることからこれらの政策がどのように影響を与えていくか引き続き注視する必要がある。

 

国内情報

2016年6月の全国生乳生産量は前年同月比0.3%増となり、13ヶ月連続で前年を上回った。地域別では北海道が前年同月比2.5%増、都府県は前年同月比2.2%減となり、都府県では3月より4ヶ月連続で減産となっている。また、今月22日に28年度全国生乳生産量は前年比0.9%の減産見通しが発表された。地域別では北海道が1.4%増、都府県は2.8%減と、都府県の減産が顕著となっている。生乳需要は堅調に推移すると予想されており、酪農乳業関係者はこれからの最需要期に向け的確な需給対応が必要になると注意を喚起している。