2017年7月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

脱脂粉乳はオセアニア産、米国産が市場を牽引しており、次に欧州産がくるが、その差は縮まってきている。今後は、欧州の政府介入在庫の放出、オセアニアの新シーズン開始に伴う供給量の増加、また、米国での順調な生乳生産を背景に軟調に推移することが期待される。一方でより利益率が高い商品の製造へ切り替える動きもあり、このトレンドが広がれば脱脂粉乳の供給がタイトになる可能性も考えられる。さらに、中国の輸入量が増えてきていることから同国の動向にも注目したい。

 

バター情報

6月の欧州産バターの相場は先月に続き大幅に上昇し、史上最高値を更新した。毎週EUR100/MT以上値上がりしている状況である。オセアニアのバター相場も上昇しており、欧州域内の乳脂肪需要が旺盛であるのと同様に豪州国内の需要も好況が続いている。米国産バター価格は欧州産と比較すると割安感があるものの、2017年積みは売り切れの声が聞こえてくる。しかしながら、過去5年間の平均在庫量と比較すると1万7,000トン多い状況であり、今後の在庫量次第では、輸出市場に再登場する可能性が考えられる。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーの相場は若干の弱含みにて推移している。背景には4月以降のアジアからの需要の弱まりが考えられる。一方で、欧州産ホエイパウダーの相場は高値圏で安定している。生産量、在庫量ともに適正水準にあり、需給バランスがとれた状態である。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は方向感のない展開が続いている。欧州ではカゼイン生産が安定しているものの、オセアニアでは季節的要因により生産量が減少している。また、ほとんどの需要家が第3四半期の買い付けを済ませており、引き合いは活発でない状況だ。この先相場が大きく上昇することはなさそうだが、プロダクトミックスの観点からバターよりもチーズの生産が増えれば、原料の供給がタイトになる可能性がある。

 

乳糖情報

欧州の乳糖相場は横ばいで推移している。背景には欧州産乳糖の生産が順調であること、また、ラマダンに伴う中東需要の減少により供給のタイト感が徐々に薄れてきていることが挙げられる。米国産乳糖は生産量が増加しているものの、引き合いが活発でなく、また、アジア向けの需要が落ち着いているため、米国産乳糖相場は横ばいまたはやや弱含みにて推移しており、今後も続くものと思われる。

 

チーズ情報                                                      

米国の4月のチーズ輸出量は2万6,900トンで前年同月比26.9%増であった。その中でもチェダーチーズの輸出量が前年同月比75%増と突出して増加しており、その主な輸出先はオーストラリア、日本、メキシコ、フィリピンであった。米国の4月の全乳製品の輸出量は昨年同月比で12%上昇し、16万2,400トンであった。

 

国内情報

農林水産省が発表した5月の全国生乳生産量は64万5,243トンで前年同月比1.2%減であった。Jミルクは今夏に牛乳類の需要が0.1%増加すると見込んでおり、都府県へ向けて道外移出する生乳は20%強の大幅な拡大が必要と発表した。一方で、ホクレンが発表した5月の用途別販売乳量によると、生乳の道外移出はJミルクの見通しを下回っており、飲用牛乳の消費が落ち着き始めているという見方もできる。

2017年6月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

長らく低調に推移していた粉乳相場は、ここにきて反転の傾向が見られる。乳脂肪の需要が増加している一方で、オセアニアは乾乳期に入っており、また、比較的好調であったEUの生乳生産が天候不順の影響で思うように伸びていない。そのため脱脂粉乳相場はEU産、オセアニア産、米国産が同水準になりつつある。全粉乳においてはオセアニア産が競争力があるものの、その差は僅差である。

 

バター情報

欧州産バター相場の高騰が止まらない。欧州域内、米国、更には中東からの需要が旺盛であり、バター相場は市場最高値を更新した。オセアニア産におけるバター相場も引き続き堅調で記録的な高値圏にある。背景にはバターへの回帰現象がオセアニアへも波及したことが考えられる。米国産バター相場も上昇傾向にあるが、欧州・オセアニア相場の勢いには及ばない。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーの相場は軟調傾向にある。3月の生産量は対前年比6.7%増と好調であり、中国からの活発な需要にも支えられているため、大幅な相場変動はないことが見込まれる。欧州産は中国を筆頭に各国の需要が堅調であることから供給面を懸念する声が挙がっており強含みで推移している。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は若干の強含みで推移した。欧州・オセアニアでの生産量の減少に加え、世界第5位のカゼイン輸出国であるアルゼンチンの供給力が昨年発生した大規模洪水の影響で落ち込んだことが背景にある。同国の最大の輸出相手国である米国は仕入先をEU及びオセアニアへシフトしており、同地域の供給力が追い付かないため価格は若干上がっている。しばらくの間は引き続き強含みで推移することが予想される。

 

乳糖情報

欧州産乳糖相場は横ばいで推移している。好調なチーズの輸出を背景に乳糖生産は安定している一方で、EU域外からの引き合いが旺盛でタイトな状況が続いている。今後も同様の状況が続くものと考えられるが、米国産乳糖相場が落ち着きを見せ始めていることから、大幅な価格上昇は考えにくい。米国産乳糖相場は横ばいからやや強含みで推移している。例年よりも早く訪れた春先の季節的な集乳量の増加もあり、生産増を維持している。

 

チーズ情報                                                      

中国におけるプロセスチーズを含むチーズの輸入量は、2014年には6.6万トン、2015年は7.6万トン、2016年は9.7万トンと大幅な増加傾向にあり、2017年は1月から4月の累計で4万トンに迫る勢いであり、対前年同期比で20%を上回るペースであった。同国の輸入動向は引き続き注視が必要である。

 

国内情報

農林水産省が発表した4月の全国生乳生産量は61万6,705トンで対前年同月比2.2%減であった。Jミルクが2017年5月に発表した需給予測によると、乳牛頭数は引き続き減少していく一方で、飲用向け需要は増加を見込んでおり、生乳需給は逼迫傾向が続くと報告している。また、バターの在庫量については、2017年度末に対前年度比11.0%増、脱脂粉乳については15.5%減となる見込みと発表した。

2017年5月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

オセアニアは乾乳期のため生乳の供給が限られている一方で、EU・米国の生乳生産量は比較的好調に推移しており、脱脂粉乳・全粉乳ともに十分に製造されている。特に、脱脂粉乳は、バターやクリームなどの脂肪需要が強いことから、副産物である脱脂粉乳の供給もしばらくは安定的である見通しだ。中国・中東・北アフリカ・東南アジアからの需要が徐々に強くなってきているものの、需給バランスが崩れる可能性は低いと思われる。

 

バター情報

欧州のバター相場は引き続き高値圏にあり、在庫量は記録的に低い水準である。生乳生産量は回復傾向にあるものの増加分は採算性の高いチーズの製造に使われると予想される。オセアニアのバター生産量は対前年比大幅に減少しており、相場は堅調に推移している。米国はバターの在庫量が大幅に増えている一方で、強い乳脂肪需要により、今後も高値が続くと予想される。

 

ホエイ情報

年初来堅調に推移していた米国産ホエイパウダーの相場は若干の弱含みに転じた。生産量は対前年比で増加傾向にあるものの輸出量も増加しており、急激な相場変動はないと考えられる。欧州産ホエイパウダーは若干の弱含みから安定して推移している。高値圏にあるものの年初来の堅調な動きからは脱したように見られる。今後注視するのはアジア向けの需要や欧州での生産動向である。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は横ばいあるいは若干の強含みで推移した。EUでは相場が下落している脱脂粉乳に代わり、カゼインへ生産をシフトする動きが見られた。また、この先、オセアニアの供給が季節的要因で増えることを加味すると、カゼイン相場の大幅な上昇は考えにくく、徐々に横ばい・弱含みに状況が変わっていくことが予想される。

 

乳糖情報

欧州・米国の乳糖相場は横ばいから緩やかに上昇している。欧州における乳糖生産量は安定している一方で、域内及び中国向け育児粉乳用途の需要が旺盛で品薄感が続いている。米国においては、好調な乳糖生産を維持しており、旺盛な中国向け育児粉乳用途の引き合いにより在庫量は対前年同月比8%減少しているものの、製菓用途などの需要が落ち着きを見せているため、需給のバランスは均衡が取れた状態に近づいてきている。

 

チーズ情報

2016年のドイツにおけるチーズの輸出量は対前年比0.7%増の118万トンで過去最高を記録した。EU域外への輸出量は8.5%増で、主な輸出先はスイス、日本、米国、韓国であった。EU域内への輸出量は1.2%減少し、オランダは-5.3%、英国は-2.3%であった。

 

国内情報

農林水産省が発表した3月の全国生乳生産量は63万4,357トンで対前年同月比1.5%減となった。北海道では生乳生産が前年割れしたことに加え、飲用需要の増加と道外移出の大幅な増加により、道内の乳製品工場では原料乳を十分に確保できず、学校給食がない春休みの期間にバターや脱脂粉乳等の在庫を十分に積み増せなかった。