2016年6月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

脱脂粉乳・全脂粉乳相場は、国際的な需要の低迷、各乳産地国での好調な生乳生産量により、軟調な推移が続いている。脱脂粉乳相場は依然EU産が牽引しているが、全脂粉乳相場においては好調な生乳生産によりEU産が、これまで相場を牽引していた豪州産と同レベルまで価格競争力を有する状況となってきている。

 

バター情報

5月の欧州バター相場は、若干上昇したが依然低水準での推移が続いている。1~3月の生産量は前年同時期比13%増、輸出量は25%増となっており、おもな輸出先は中東・米国となっている。豪州では季節的要因による生乳生産量減少に起因してバター生産量・輸出量共に減少傾向となっており、米国産バターについては好調な生産量により在庫も増加傾向にはあるものの、価格は大きく変動もなく安定した推移となっている。

 

ホエイ情報

軟調な推移が続いていた米国産ホエイパウダーだが、古い在庫に対し低価格帯での取引が活発化していることから、5月末の相場は横ばいもしくはやや堅調な推移となった。欧州産ホエイパウダー相場は依然国際市場においては価格競争力を有している状態で、低水準域内ではあるがやや強含みにて推移している。米国産WPC-34相場は先月に続き製造品目の切替により在庫量が減少、引き続きやや強含みにて推移している。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は先月に続き低調に推移している。オセアニア地域では季節的な生乳生産量の減少によりカゼイン生産量も減少しているものの、欧州地域では生乳生産が最盛期である事から、カゼイン生産量は非常に好調となっている。生産量に各生産地域差はあるものの世界的な供給については問題が見当たらず、国際的需要に大きな変化が生じなければ今後も引き続きカゼイン価格も安価にて推移していくものと予想する。

 

乳糖情報

先月に続き欧州産・米国産共に堅調に推移している。欧州では脱脂粉乳の生産量増加により、チーズ生産量が減少、ホエイ・乳糖生産量も減少している。需要面では蛋白調整用途としての需要が依然強く、タイト感が増している模様。米国ではチーズ生産量が引き続き好調を維持しており、乳糖生産も増加しているが、豪州・東南アジア・中国からの蛋白調整用途、育児粉乳用途など国際的な需要が強まっている事から堅調な推移となっている。

 

チーズ情報

米国産ナチュラルチーズの在庫量が1917年統計開始以来、過去最高に達したとのことで、米国では価格を下げるなど在庫軽減に努めている。しかしながら好調な生乳生産量を背景に在庫量は減少の兆しはなく、この在庫過多の状態によりCME相場のチーズ価格は急落した。5月の価格は前年同月比20%の下落、約6年ぶりの低価格帯での推移となっている。

 

国内情報

2016年4月の全国生乳生産量は前年同月比0.9%増となり、11ヶ月連続で前年を上回った。地域別では北海道が前年同月比3.1%増、都府県が1.4%減で都府県では3月に続き2カ月前年同月比減産となった。北海道においては、各農協が取り組んでいる飼料購入費助成などの生産強化対策が効果を上げている模様。また4月の用途別処理量については、牛乳等向けが0.3%増、乳製品向けが1.6%増となっており、中でも発酵乳は前年同月比8.6%増、14ヶ月連続で前年を上回っており、発酵乳市場の好調さがうかがえる。

 

2016年5月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

脱脂粉乳・全脂粉乳ともに国際市場からの需要が引き続き弱く、一方で各乳産地国の生乳生産量は安定的に推移していることから、相場は安値にて推移している。脱脂粉乳相場は依然EU産が、また全脂粉乳相場では豪州産が最も競争力を有しているが、全脂粉乳相場においてはEU産が好調な生産状況を背景に競争力のある価格帯になってきている事から、豪州産との価格差は縮小傾向にある。

 

バター情報

4月の欧州バター相場は、引き続き低水準にて推移しているが、一方で6月の断食月ラマダンを前にした需要増等による価格上昇を期待しているサプライヤーが多い状況となっている。豪州ではバター輸出量が大幅に減少、一方でチーズの輸出量が増加している。米国では生産量・在庫量ともに増加となっているが、健康志向の高まりからバターの国内需要が増えている為、価格が大きく下がる要因は今のところ見当たらない。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーについては好調なチーズ生産に伴いホエイパウダーの在庫量は前年同月比約20%増と前月に続き積み増しされていることから、相場は引き続き軟調な推移となっている。また欧州産ホエイパウダー相場についても潤沢な在庫により、引き続きやや弱含みにて推移、一部の製造者は輸出に力を入れているとのことで1月の中国の輸入量が前年同月比54%増加した。米国産WPC-34相場は先月に続き製造品目の切り替えによる在庫水準の低下によりやや強含みにて推移している。

 

カゼイン情報

オセアニア地域では季節的要因から生乳生産量が減少傾向、それに伴いカゼイン生産量も減少している。一方で生乳生産量が好調な欧州地域ではカゼイン生産量も好調に推移、また欧州・米国共に在庫が潤沢な状況となっていることから、カゼイン相場は各地域差があるものの、引き続き低調に推移するものと予想する。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は引き続き堅調に推移している。欧州では脱脂粉乳の生産量増加に伴い、蛋白調整用途としての乳糖需要が増加傾向にあること、米国では昨年より続いている生産調整の影響で乳糖生産量も減少傾向である中、米国内需要は増加していることから、乳糖相場は引き続き強含みで推移すると予想する。

 

チーズ情報

統計によると昨今の欧州・豪州のナチュラルチーズ輸出量は増加傾向にある。欧州から中東向け2014年度輸出量は前年比約2倍増、2015年度は更に増加、欧州から米国向けについても2016年2月統計では前年同月比1,400tの増加、また2016年3月の豪州から中国・米国向けフレッシュチーズ輸出量は前月比2,000tの増加となっている。中国ではスイーツ用クリームチーズ、ピザ用モザレラチーズの需要が年々高まってきている。

 

国内情報

2016年3月の全国生乳生産量は前年同月比0.3%増となり、10ヶ月連続で前年を上回った。地域別では北海道が前年同月比1.9%増、都府県では先月5カ月ぶりに前年を上回ったが、1カ月で前年同月比1.4%減となっている。

全国的な離農に歯止めがかかっておらず、今秋以降は乳量減少が懸念されている。また都府県では熊本での震災の影響は回避出来ない状況であり、2016年度も減産が予測されている。

 

2016年4月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

脱脂粉乳・全脂粉乳相場は先月に続き低調に推移している。脱脂粉乳相場は引き続きEU産が市場を牽引、全脂粉乳相場についてはこれまで豪州産が牽引してきたが、EU産でも価格競争力があるものが出てきている。このように粉乳相場は、EU産の価格に牽引されて推移していることから、EU産の価格に注目している。EUでは減産政策を進めており、現況を改善できるかが期待される。

 

バター情報

年初より下落基調が続いていた欧州産バター相場は、3月後半より緩やかに上昇した。しかしながら、国際需要は依然回復しておらず、4月以降乳生産量も増加する季節であることから、本格的な相場上昇開始には繋がりにくい。オセアニアではNZ・豪州産共に下落。また米国産バター相場も前月比6%下落となったが、堅調な国内需要に支えられ、依然国際相場よりはるかに高い価格での推移となっている。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダー相場は、1月末に堅調に転じた後、2月・3月は大きな値動きはなくほぼ横ばいでの推移となった。EU産ホエイパウダー相場については潤沢な在庫により、引き続き軟調にて推移している。また米国産WPC-34の相場は先月に続き横ばいか若干の強含みにて推移している。

 

カゼイン情報

好調な生乳生産と本格的な需要回復がない中、カゼイン相場は軟調な推移が続いている。欧州ではEUでの脱脂粉乳の政府介入措置、フランスでは政府による生乳生産調整を伴う補助金支給といった政策がとられているものの、国際需要の回復がなければ効果は限定的と思われ、カゼイン相場は今後も低調に推移していくものと考える。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は堅調に推移している。欧州では3月の脱脂粉乳の介入在庫持ち込み数量増加の影響により、チーズ・ホエイ生産量が減少傾向、乳糖生産量も減少した。また米国では昨年より続いている生産調整により1月の乳糖生産量は前年同月比5.5%減、在庫量も前年同月比10.5%減となっている。乳糖生産量は減少傾向にあるものの、国際需要は依然低迷していることから、乳糖相場の急激な価格上昇はないと思われる。

 

チーズ情報

2015年度1-12月の日本のチーズ輸入量は、欧州産を中心にロシアを抜いて単独首位となった。これはロシアの禁輸措置、中国の粉乳需要の減少、EU生乳生産割当制度の撤廃(2015年3月末)により、ナチュラルチーズを含む乳製品相場が大幅に下落したことが主な要因と考える。米国産チーズについては欧州産と比較すると未だ価格は割高感が拭えておらず、2016年も引き続き欧州産チーズが日本の輸入チーズのシェアを占めると思料される。

 

国内情報

2016年2月の全国生乳生産量は前年同月比3.9%増となり、9ヶ月連続で前年を上回った。地域別では北海道が前年同月比5.8%増、都府県が2.8%増となっており、都府県では5ヶ月ぶりに前年を上回った。またホクレン農業協同組合連合会は平成28年度用途原料乳価格について、前年度価格据え置きと発表。この背景にはTPPの不透明さ、生産コストの下落、生乳生産量・在庫量の増加等があげられる。今回乳価格据え置きとなったが、今後も国内需給動向を注視する必要がある。また酪農家の離農加速の影響により、3年後には乳牛不足が一段と深刻化する見通しとなっている。