2016年5月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

脱脂粉乳・全脂粉乳ともに国際市場からの需要が引き続き弱く、一方で各乳産地国の生乳生産量は安定的に推移していることから、相場は安値にて推移している。脱脂粉乳相場は依然EU産が、また全脂粉乳相場では豪州産が最も競争力を有しているが、全脂粉乳相場においてはEU産が好調な生産状況を背景に競争力のある価格帯になってきている事から、豪州産との価格差は縮小傾向にある。

 

バター情報

4月の欧州バター相場は、引き続き低水準にて推移しているが、一方で6月の断食月ラマダンを前にした需要増等による価格上昇を期待しているサプライヤーが多い状況となっている。豪州ではバター輸出量が大幅に減少、一方でチーズの輸出量が増加している。米国では生産量・在庫量ともに増加となっているが、健康志向の高まりからバターの国内需要が増えている為、価格が大きく下がる要因は今のところ見当たらない。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーについては好調なチーズ生産に伴いホエイパウダーの在庫量は前年同月比約20%増と前月に続き積み増しされていることから、相場は引き続き軟調な推移となっている。また欧州産ホエイパウダー相場についても潤沢な在庫により、引き続きやや弱含みにて推移、一部の製造者は輸出に力を入れているとのことで1月の中国の輸入量が前年同月比54%増加した。米国産WPC-34相場は先月に続き製造品目の切り替えによる在庫水準の低下によりやや強含みにて推移している。

 

カゼイン情報

オセアニア地域では季節的要因から生乳生産量が減少傾向、それに伴いカゼイン生産量も減少している。一方で生乳生産量が好調な欧州地域ではカゼイン生産量も好調に推移、また欧州・米国共に在庫が潤沢な状況となっていることから、カゼイン相場は各地域差があるものの、引き続き低調に推移するものと予想する。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は引き続き堅調に推移している。欧州では脱脂粉乳の生産量増加に伴い、蛋白調整用途としての乳糖需要が増加傾向にあること、米国では昨年より続いている生産調整の影響で乳糖生産量も減少傾向である中、米国内需要は増加していることから、乳糖相場は引き続き強含みで推移すると予想する。

 

チーズ情報

統計によると昨今の欧州・豪州のナチュラルチーズ輸出量は増加傾向にある。欧州から中東向け2014年度輸出量は前年比約2倍増、2015年度は更に増加、欧州から米国向けについても2016年2月統計では前年同月比1,400tの増加、また2016年3月の豪州から中国・米国向けフレッシュチーズ輸出量は前月比2,000tの増加となっている。中国ではスイーツ用クリームチーズ、ピザ用モザレラチーズの需要が年々高まってきている。

 

国内情報

2016年3月の全国生乳生産量は前年同月比0.3%増となり、10ヶ月連続で前年を上回った。地域別では北海道が前年同月比1.9%増、都府県では先月5カ月ぶりに前年を上回ったが、1カ月で前年同月比1.4%減となっている。

全国的な離農に歯止めがかかっておらず、今秋以降は乳量減少が懸念されている。また都府県では熊本での震災の影響は回避出来ない状況であり、2016年度も減産が予測されている。

 

2016年4月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

脱脂粉乳・全脂粉乳相場は先月に続き低調に推移している。脱脂粉乳相場は引き続きEU産が市場を牽引、全脂粉乳相場についてはこれまで豪州産が牽引してきたが、EU産でも価格競争力があるものが出てきている。このように粉乳相場は、EU産の価格に牽引されて推移していることから、EU産の価格に注目している。EUでは減産政策を進めており、現況を改善できるかが期待される。

 

バター情報

年初より下落基調が続いていた欧州産バター相場は、3月後半より緩やかに上昇した。しかしながら、国際需要は依然回復しておらず、4月以降乳生産量も増加する季節であることから、本格的な相場上昇開始には繋がりにくい。オセアニアではNZ・豪州産共に下落。また米国産バター相場も前月比6%下落となったが、堅調な国内需要に支えられ、依然国際相場よりはるかに高い価格での推移となっている。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダー相場は、1月末に堅調に転じた後、2月・3月は大きな値動きはなくほぼ横ばいでの推移となった。EU産ホエイパウダー相場については潤沢な在庫により、引き続き軟調にて推移している。また米国産WPC-34の相場は先月に続き横ばいか若干の強含みにて推移している。

 

カゼイン情報

好調な生乳生産と本格的な需要回復がない中、カゼイン相場は軟調な推移が続いている。欧州ではEUでの脱脂粉乳の政府介入措置、フランスでは政府による生乳生産調整を伴う補助金支給といった政策がとられているものの、国際需要の回復がなければ効果は限定的と思われ、カゼイン相場は今後も低調に推移していくものと考える。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は堅調に推移している。欧州では3月の脱脂粉乳の介入在庫持ち込み数量増加の影響により、チーズ・ホエイ生産量が減少傾向、乳糖生産量も減少した。また米国では昨年より続いている生産調整により1月の乳糖生産量は前年同月比5.5%減、在庫量も前年同月比10.5%減となっている。乳糖生産量は減少傾向にあるものの、国際需要は依然低迷していることから、乳糖相場の急激な価格上昇はないと思われる。

 

チーズ情報

2015年度1-12月の日本のチーズ輸入量は、欧州産を中心にロシアを抜いて単独首位となった。これはロシアの禁輸措置、中国の粉乳需要の減少、EU生乳生産割当制度の撤廃(2015年3月末)により、ナチュラルチーズを含む乳製品相場が大幅に下落したことが主な要因と考える。米国産チーズについては欧州産と比較すると未だ価格は割高感が拭えておらず、2016年も引き続き欧州産チーズが日本の輸入チーズのシェアを占めると思料される。

 

国内情報

2016年2月の全国生乳生産量は前年同月比3.9%増となり、9ヶ月連続で前年を上回った。地域別では北海道が前年同月比5.8%増、都府県が2.8%増となっており、都府県では5ヶ月ぶりに前年を上回った。またホクレン農業協同組合連合会は平成28年度用途原料乳価格について、前年度価格据え置きと発表。この背景にはTPPの不透明さ、生産コストの下落、生乳生産量・在庫量の増加等があげられる。今回乳価格据え置きとなったが、今後も国内需給動向を注視する必要がある。また酪農家の離農加速の影響により、3年後には乳牛不足が一段と深刻化する見通しとなっている。

 

2016年3月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

各生乳地域において供給過多の状態は続いており、粉乳相場は先月に引き続き軟調な推移となっている。脱脂分乳の価格競争力は、EU・米国・NZが同水準、次いで豪州となっているが、全粉乳については豪州の価格が最も競争力を有している。EUでは生乳生産量が好調ではあるものの、脱脂粉乳と比較して全粉乳生産は利益率が悪いことから、積極的には行っていない様子。

 

バター情報

2月の欧州産バターは、好調な生乳生産量をうけ続落、相場は2012年6月以来のEUR2,500/MTを下回った。またオセアニアにおいてもNZ・豪州産共に下落し、2015年11月以来のUSD3,000/MTを下回っている。米国産バター相場も2月に入り急落したが依然国際相場に比べれば高い価格となっている。

 

ホエイ情報

軟調に推移していた米国産ホエイパウダー相場だが、1月末よりやや堅調に傾き始めている。米国産に対する需要低迷により底値に達したと判断をした需要者の買いが入り、緩やかに上昇している模様。供給面では依然好調に推移していることから、今後の相場動向を注視したい。欧州産ホエイパウダーについては依然軟調に推移、米国産WPC-34の相場も安定的または若干の強含みでの推移となっている。

 

カゼイン情報

乳製品全般の低調な市況を背景に、カゼイン相場は下げ基調が止まらず、軟調な推移が続いている。供給面では昨年より生産は好調、在庫は潤沢な状況の中、需要面では全体的に低調となっており、カゼイン相場は今後も軟調な動きが続いていくものと思われる。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は堅調に推移、もしくは徐々に上昇している。低迷を続けていた乳糖相場と潤沢な在庫量により生産調整を行ったことから供給がタイトに転じていること、またタンパク調整用途での需要が増加したことが主な要因と考える。供給面でのタイト感が強まっていることから、今後も相場は堅調に推移すると予想する。

 

チーズ情報

2014年8月より行われている農畜産物禁輸措置により、ロシアの2015年のチーズ輸入量は2013年と比較して半減した。一方で2015年度のパームオイルの輸入量が前年比26%の増加している。禁輸措置によりナチュラルチーズの輸入が出来なくなった代替として、乳脂肪をパームオイルに置換したアナログチーズの製造に注力している模様。

 

国内情報

2016年1月の全国生乳生産量は前年同月比0.6%増となり、8ヶ月連続で前年を上回った。地域別で検証すると北海道が1.7%増、都府県では0.7%減と、都府県の生乳生産に勢いがないことがわかる。これは酪農家の離農により乳牛頭数が減少していることが要因と考える。また1月は都府県での大雪や寒波の影響により、北海道から都府県への道外移出が急増した。