2016年7月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

軟調な推移が続いていた粉乳相場は6月に入り若干の上昇をみせた。全粉乳については、各地域若干の上昇または横ばいで推移。脱脂粉乳については、特に米国産がEU・オーストラリアの2地域に比べ上昇率が高い。現時点では脱脂粉乳は供給が需要を上回っている印象ではあるが、長引く低乳価格・飼料価格の高騰などから廃業する酪農家も出てきていることから集乳量が懸念されており、今後供給サイドの情報には注意が必要と考える。

 

バター情報

欧州産・オセアニア産・米国産共に6月のバター相場は上昇した。欧州ではジャガイモに使用するバター系ソースの需要増に伴い、域内のバター需要が強まっていること、また天候が良いことでのアイスクリーム向けの需要増により、クリームの引き合いが強く、その分バター向けの配乳が減少し、バター生産量が減少傾向にある。さらには低乳価による集乳量の減少懸念等によりバター相場は急上昇している。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーの生産量・在庫量も好調且つ適正範囲内で推移、東南アジア・中国などの国際市場からの引き合いが強まっていることから、相場は横ばいもしくはやや堅調な推移となっている。EU産ホエイパウダーについては、季節的要因で生産量が減少傾向となっていることから、相場は強含みでの推移となっている。また米国産WPC-34相場も先月に続き製造品目切替による在庫量減少、国際市場からの引き合いも強いことから強含みにて推移している。

 

カゼイン情報

低調な推移が続いていたカゼイン相場だが、季節的要因による生乳生産量減少に伴いカゼイン生産が減少する懸念からスポット的に需要が増加しており上昇に転じている。しかしながら、実需自体に大きな変化は見られないことから、このまま本格的な価格上昇とは考えにくい。今後もしばらくは不透明な推移が続くと予想する。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は引き続き堅調に推移している。欧州では供給面で脱脂粉乳・バターの生産量増加により、チーズ生産量が減少、ホエイ・乳糖生産量も減少傾向となっている。需要面では蛋白調整用途としての需要増と中国の育児乳用途需要増によりタイト感が増している。米国では製菓用途でホエイパウダーの需要増により乳糖生産量も前年対比減少傾向、在庫量も大幅な減少となっている。欧州産・米国産共に今後もしばらくタイトに推移するものと予想する。

 

チーズ情報

米国内でのナチュラルチーズ在庫量が極めて重い状況となっている。在庫量は前月比3.3%増、前年同月比約13%増となっている。現在のCMSスポット価格は米国内チーズ生産用配乳減少に加え国内チーズ消費量が堅調であることから、上昇基調となっている。米国CMS相場下落もしくはCWT助成金付与が上昇すれば日本からの買付量も増加することが考えられるため、引き続き注視が必要である。また先般の英国EU離脱決定を受けて、関税や通関手続き等などの懸念事項など、英国についても引き続き注視が必要である。

 

国内情報

2016年5月の全国生乳生産量は前年同月比0.7%増となり、12ヶ月連続で前年を上回った。地域別では北海道が前年同月比2.7%増、都府県は前年同月比1.5%減となり、都府県では3月より3カ月の減産となっている。また5月用途別処理量は牛乳向け0.8%増、乳製品向け0.7%増、中でも発酵乳向けは7.3%増と15ヶ月連続で前年を上回っており引き続きは発酵乳市場の好調さがうかがえる。

 

 

2016年6月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

脱脂粉乳・全脂粉乳相場は、国際的な需要の低迷、各乳産地国での好調な生乳生産量により、軟調な推移が続いている。脱脂粉乳相場は依然EU産が牽引しているが、全脂粉乳相場においては好調な生乳生産によりEU産が、これまで相場を牽引していた豪州産と同レベルまで価格競争力を有する状況となってきている。

 

バター情報

5月の欧州バター相場は、若干上昇したが依然低水準での推移が続いている。1~3月の生産量は前年同時期比13%増、輸出量は25%増となっており、おもな輸出先は中東・米国となっている。豪州では季節的要因による生乳生産量減少に起因してバター生産量・輸出量共に減少傾向となっており、米国産バターについては好調な生産量により在庫も増加傾向にはあるものの、価格は大きく変動もなく安定した推移となっている。

 

ホエイ情報

軟調な推移が続いていた米国産ホエイパウダーだが、古い在庫に対し低価格帯での取引が活発化していることから、5月末の相場は横ばいもしくはやや堅調な推移となった。欧州産ホエイパウダー相場は依然国際市場においては価格競争力を有している状態で、低水準域内ではあるがやや強含みにて推移している。米国産WPC-34相場は先月に続き製造品目の切替により在庫量が減少、引き続きやや強含みにて推移している。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は先月に続き低調に推移している。オセアニア地域では季節的な生乳生産量の減少によりカゼイン生産量も減少しているものの、欧州地域では生乳生産が最盛期である事から、カゼイン生産量は非常に好調となっている。生産量に各生産地域差はあるものの世界的な供給については問題が見当たらず、国際的需要に大きな変化が生じなければ今後も引き続きカゼイン価格も安価にて推移していくものと予想する。

 

乳糖情報

先月に続き欧州産・米国産共に堅調に推移している。欧州では脱脂粉乳の生産量増加により、チーズ生産量が減少、ホエイ・乳糖生産量も減少している。需要面では蛋白調整用途としての需要が依然強く、タイト感が増している模様。米国ではチーズ生産量が引き続き好調を維持しており、乳糖生産も増加しているが、豪州・東南アジア・中国からの蛋白調整用途、育児粉乳用途など国際的な需要が強まっている事から堅調な推移となっている。

 

チーズ情報

米国産ナチュラルチーズの在庫量が1917年統計開始以来、過去最高に達したとのことで、米国では価格を下げるなど在庫軽減に努めている。しかしながら好調な生乳生産量を背景に在庫量は減少の兆しはなく、この在庫過多の状態によりCME相場のチーズ価格は急落した。5月の価格は前年同月比20%の下落、約6年ぶりの低価格帯での推移となっている。

 

国内情報

2016年4月の全国生乳生産量は前年同月比0.9%増となり、11ヶ月連続で前年を上回った。地域別では北海道が前年同月比3.1%増、都府県が1.4%減で都府県では3月に続き2カ月前年同月比減産となった。北海道においては、各農協が取り組んでいる飼料購入費助成などの生産強化対策が効果を上げている模様。また4月の用途別処理量については、牛乳等向けが0.3%増、乳製品向けが1.6%増となっており、中でも発酵乳は前年同月比8.6%増、14ヶ月連続で前年を上回っており、発酵乳市場の好調さがうかがえる。

 

2016年5月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

脱脂粉乳・全脂粉乳ともに国際市場からの需要が引き続き弱く、一方で各乳産地国の生乳生産量は安定的に推移していることから、相場は安値にて推移している。脱脂粉乳相場は依然EU産が、また全脂粉乳相場では豪州産が最も競争力を有しているが、全脂粉乳相場においてはEU産が好調な生産状況を背景に競争力のある価格帯になってきている事から、豪州産との価格差は縮小傾向にある。

 

バター情報

4月の欧州バター相場は、引き続き低水準にて推移しているが、一方で6月の断食月ラマダンを前にした需要増等による価格上昇を期待しているサプライヤーが多い状況となっている。豪州ではバター輸出量が大幅に減少、一方でチーズの輸出量が増加している。米国では生産量・在庫量ともに増加となっているが、健康志向の高まりからバターの国内需要が増えている為、価格が大きく下がる要因は今のところ見当たらない。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーについては好調なチーズ生産に伴いホエイパウダーの在庫量は前年同月比約20%増と前月に続き積み増しされていることから、相場は引き続き軟調な推移となっている。また欧州産ホエイパウダー相場についても潤沢な在庫により、引き続きやや弱含みにて推移、一部の製造者は輸出に力を入れているとのことで1月の中国の輸入量が前年同月比54%増加した。米国産WPC-34相場は先月に続き製造品目の切り替えによる在庫水準の低下によりやや強含みにて推移している。

 

カゼイン情報

オセアニア地域では季節的要因から生乳生産量が減少傾向、それに伴いカゼイン生産量も減少している。一方で生乳生産量が好調な欧州地域ではカゼイン生産量も好調に推移、また欧州・米国共に在庫が潤沢な状況となっていることから、カゼイン相場は各地域差があるものの、引き続き低調に推移するものと予想する。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は引き続き堅調に推移している。欧州では脱脂粉乳の生産量増加に伴い、蛋白調整用途としての乳糖需要が増加傾向にあること、米国では昨年より続いている生産調整の影響で乳糖生産量も減少傾向である中、米国内需要は増加していることから、乳糖相場は引き続き強含みで推移すると予想する。

 

チーズ情報

統計によると昨今の欧州・豪州のナチュラルチーズ輸出量は増加傾向にある。欧州から中東向け2014年度輸出量は前年比約2倍増、2015年度は更に増加、欧州から米国向けについても2016年2月統計では前年同月比1,400tの増加、また2016年3月の豪州から中国・米国向けフレッシュチーズ輸出量は前月比2,000tの増加となっている。中国ではスイーツ用クリームチーズ、ピザ用モザレラチーズの需要が年々高まってきている。

 

国内情報

2016年3月の全国生乳生産量は前年同月比0.3%増となり、10ヶ月連続で前年を上回った。地域別では北海道が前年同月比1.9%増、都府県では先月5カ月ぶりに前年を上回ったが、1カ月で前年同月比1.4%減となっている。

全国的な離農に歯止めがかかっておらず、今秋以降は乳量減少が懸念されている。また都府県では熊本での震災の影響は回避出来ない状況であり、2016年度も減産が予測されている。