2016年8月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

6月に若干の上昇をみせた粉乳相場だが、その後は大きな価格変動なく推移している。生乳生産のピークを過ぎたEUでは低乳価の影響もあり、生乳生産量の伸び幅は減少、EU産脱脂粉乳相場も若干の強含みで推移している。現在では全脂粉乳相場・脱脂粉乳相場共に豪州産が国際市場において最も競争力を有している。その豪州では新シーズンの乳価が昨年比較低レベルであった事から、今後の生乳生産量への影響が懸念されている。生乳生産量および乳価の推移によっては粉乳相場が上昇に転じる可能性もある為注視したい。

 

バター情報

欧州産・米国産共にバター相場は引き続き強含みで推移している。欧州では域内のバター需要が活発で直近では売り切れ又はオファー一時停止の状態となっている。8月は夏休みで商いは閑散としているが、夏休み明けの相場がどう動くか注目したい。米国では堅調な国内のアイスクリーム需要によりクリーム供給がタイトになっていることから、バター生産が減少傾向、今後も価格は上昇あるいは高止まりするものと予想する。

 

ホエイ情報

米国産・欧州産共にホエイパウダー相場は引き続き強含みで推移している。米国産については、アジアの養豚業界からの引き合いが強い。また欧州産ついても飼料向けの需要が高く、今月に入り価格は10%近く上昇した。ホエイパウダー相場は堅調な需要に支えられ、今後しばらくは強含みの流れが続くものと思われる。また米国産WPC-34相場は引き続き製品品目切替により堅調な推移が続いている。

 

カゼイン情報

欧州産・オセアニア産共にカゼイン相場は緩やかに上昇している。欧州においては、5月以降需要が増加、在庫量も逼迫感が出てきている。またオセアニア地域においては閑乳期に入り、カゼイン生産は限定的、在庫量も減少傾向であることから、国際的なカゼイン相場は緩やかに上昇しているが、オセアニア地域での生乳生産が再開されればカゼイン生産も増加することから、本格的な上昇局面に入ったとは考えにくい。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は引き続き堅調に推移している。欧州では脱脂粉乳・バターへの生産シフトは続いており、チーズ生産量の減少によりホエイ・乳糖生産も減少している。需要面では蛋白調整用途・育児粉乳用需要も堅調に推移、年末にかけての需要増も予想されタイト感は引き続き続くと思われる。米国産乳糖については、チーズ生産量増加に伴い乳糖生産も増加しているものの、国際的な需要が堅調なことから、今後引き続きタイトな状況は続くと予想する。

 

チーズ情報

欧州産ナチュラルチーズ相場は前月に続き上昇傾向となっている。主な要因としては欧州内でのバター・脱脂粉乳政府買い上げ政策により、チーズ生産向けの配乳が減少したこと、乳価低迷により酪農家の乳牛と殺などによる生乳生産量減少があげられる。7月18日付けのDaily Dairy Reportによると、欧州委員会は域内酪農家に対し5億ユーロを助成することを発表、また政府買い上げ政策を2017年2月まで延長することとした。今後クリスマス・年末の最需要期が控えていることからこれらの政策がどのように影響を与えていくか引き続き注視する必要がある。

 

国内情報

2016年6月の全国生乳生産量は前年同月比0.3%増となり、13ヶ月連続で前年を上回った。地域別では北海道が前年同月比2.5%増、都府県は前年同月比2.2%減となり、都府県では3月より4ヶ月連続で減産となっている。また、今月22日に28年度全国生乳生産量は前年比0.9%の減産見通しが発表された。地域別では北海道が1.4%増、都府県は2.8%減と、都府県の減産が顕著となっている。生乳需要は堅調に推移すると予想されており、酪農乳業関係者はこれからの最需要期に向け的確な需給対応が必要になると注意を喚起している。

 

2016年7月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

軟調な推移が続いていた粉乳相場は6月に入り若干の上昇をみせた。全粉乳については、各地域若干の上昇または横ばいで推移。脱脂粉乳については、特に米国産がEU・オーストラリアの2地域に比べ上昇率が高い。現時点では脱脂粉乳は供給が需要を上回っている印象ではあるが、長引く低乳価格・飼料価格の高騰などから廃業する酪農家も出てきていることから集乳量が懸念されており、今後供給サイドの情報には注意が必要と考える。

 

バター情報

欧州産・オセアニア産・米国産共に6月のバター相場は上昇した。欧州ではジャガイモに使用するバター系ソースの需要増に伴い、域内のバター需要が強まっていること、また天候が良いことでのアイスクリーム向けの需要増により、クリームの引き合いが強く、その分バター向けの配乳が減少し、バター生産量が減少傾向にある。さらには低乳価による集乳量の減少懸念等によりバター相場は急上昇している。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーの生産量・在庫量も好調且つ適正範囲内で推移、東南アジア・中国などの国際市場からの引き合いが強まっていることから、相場は横ばいもしくはやや堅調な推移となっている。EU産ホエイパウダーについては、季節的要因で生産量が減少傾向となっていることから、相場は強含みでの推移となっている。また米国産WPC-34相場も先月に続き製造品目切替による在庫量減少、国際市場からの引き合いも強いことから強含みにて推移している。

 

カゼイン情報

低調な推移が続いていたカゼイン相場だが、季節的要因による生乳生産量減少に伴いカゼイン生産が減少する懸念からスポット的に需要が増加しており上昇に転じている。しかしながら、実需自体に大きな変化は見られないことから、このまま本格的な価格上昇とは考えにくい。今後もしばらくは不透明な推移が続くと予想する。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は引き続き堅調に推移している。欧州では供給面で脱脂粉乳・バターの生産量増加により、チーズ生産量が減少、ホエイ・乳糖生産量も減少傾向となっている。需要面では蛋白調整用途としての需要増と中国の育児乳用途需要増によりタイト感が増している。米国では製菓用途でホエイパウダーの需要増により乳糖生産量も前年対比減少傾向、在庫量も大幅な減少となっている。欧州産・米国産共に今後もしばらくタイトに推移するものと予想する。

 

チーズ情報

米国内でのナチュラルチーズ在庫量が極めて重い状況となっている。在庫量は前月比3.3%増、前年同月比約13%増となっている。現在のCMSスポット価格は米国内チーズ生産用配乳減少に加え国内チーズ消費量が堅調であることから、上昇基調となっている。米国CMS相場下落もしくはCWT助成金付与が上昇すれば日本からの買付量も増加することが考えられるため、引き続き注視が必要である。また先般の英国EU離脱決定を受けて、関税や通関手続き等などの懸念事項など、英国についても引き続き注視が必要である。

 

国内情報

2016年5月の全国生乳生産量は前年同月比0.7%増となり、12ヶ月連続で前年を上回った。地域別では北海道が前年同月比2.7%増、都府県は前年同月比1.5%減となり、都府県では3月より3カ月の減産となっている。また5月用途別処理量は牛乳向け0.8%増、乳製品向け0.7%増、中でも発酵乳向けは7.3%増と15ヶ月連続で前年を上回っており引き続きは発酵乳市場の好調さがうかがえる。

 

2016年6月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

脱脂粉乳・全脂粉乳相場は、国際的な需要の低迷、各乳産地国での好調な生乳生産量により、軟調な推移が続いている。脱脂粉乳相場は依然EU産が牽引しているが、全脂粉乳相場においては好調な生乳生産によりEU産が、これまで相場を牽引していた豪州産と同レベルまで価格競争力を有する状況となってきている。

 

バター情報

5月の欧州バター相場は、若干上昇したが依然低水準での推移が続いている。1~3月の生産量は前年同時期比13%増、輸出量は25%増となっており、おもな輸出先は中東・米国となっている。豪州では季節的要因による生乳生産量減少に起因してバター生産量・輸出量共に減少傾向となっており、米国産バターについては好調な生産量により在庫も増加傾向にはあるものの、価格は大きく変動もなく安定した推移となっている。

 

ホエイ情報

軟調な推移が続いていた米国産ホエイパウダーだが、古い在庫に対し低価格帯での取引が活発化していることから、5月末の相場は横ばいもしくはやや堅調な推移となった。欧州産ホエイパウダー相場は依然国際市場においては価格競争力を有している状態で、低水準域内ではあるがやや強含みにて推移している。米国産WPC-34相場は先月に続き製造品目の切替により在庫量が減少、引き続きやや強含みにて推移している。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は先月に続き低調に推移している。オセアニア地域では季節的な生乳生産量の減少によりカゼイン生産量も減少しているものの、欧州地域では生乳生産が最盛期である事から、カゼイン生産量は非常に好調となっている。生産量に各生産地域差はあるものの世界的な供給については問題が見当たらず、国際的需要に大きな変化が生じなければ今後も引き続きカゼイン価格も安価にて推移していくものと予想する。

 

乳糖情報

先月に続き欧州産・米国産共に堅調に推移している。欧州では脱脂粉乳の生産量増加により、チーズ生産量が減少、ホエイ・乳糖生産量も減少している。需要面では蛋白調整用途としての需要が依然強く、タイト感が増している模様。米国ではチーズ生産量が引き続き好調を維持しており、乳糖生産も増加しているが、豪州・東南アジア・中国からの蛋白調整用途、育児粉乳用途など国際的な需要が強まっている事から堅調な推移となっている。

 

チーズ情報

米国産ナチュラルチーズの在庫量が1917年統計開始以来、過去最高に達したとのことで、米国では価格を下げるなど在庫軽減に努めている。しかしながら好調な生乳生産量を背景に在庫量は減少の兆しはなく、この在庫過多の状態によりCME相場のチーズ価格は急落した。5月の価格は前年同月比20%の下落、約6年ぶりの低価格帯での推移となっている。

 

国内情報

2016年4月の全国生乳生産量は前年同月比0.9%増となり、11ヶ月連続で前年を上回った。地域別では北海道が前年同月比3.1%増、都府県が1.4%減で都府県では3月に続き2カ月前年同月比減産となった。北海道においては、各農協が取り組んでいる飼料購入費助成などの生産強化対策が効果を上げている模様。また4月の用途別処理量については、牛乳等向けが0.3%増、乳製品向けが1.6%増となっており、中でも発酵乳は前年同月比8.6%増、14ヶ月連続で前年を上回っており、発酵乳市場の好調さがうかがえる。