2017年9月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

粉乳相場は落ち着いている。脱脂粉乳の価格はオセアニア産及び米国産が同レベルで競争力があり、次いで欧州産という構図が続いている。全粉乳相場はオセアニア産が価格競争力を有している。脱脂粉乳相場は今後も横ばいまたは弱含みの状態が続くと予想されるが、足元では中国の2017年7月の輸入量が前年同月比約2倍に伸長しており、今後の輸入量によっては相場上昇に影響する可能性も考えられる。横ばいが続く全粉乳相場においても中国の動向を注視したい。

 

バター情報

欧州産バター相場は8月に入り再び急上昇しEUR7,000/MTの大台に乗せた。欧州産及びオセアニア産のバター製造量は大幅に落ち込んでおり、この状況が続けば最需要期であるクリスマスシーズンには更なる価格上昇と供給タイトな状況に直面する可能性が高い。米国においては歴史的高水準を保っていた在庫が徐々に減少しており、最需要期に向けて相場が上昇することが予想される。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーは軟化傾向にある。順調なチーズ生産を背景に副産物であるホエイ生産も増加している一方で、北米域内の需要が思わしくなく、在庫はやや重たいレベルにある。高値が続いていた欧州産ホエイパウダーは生産量が伸長してきており、相場は落ち着きを見せ始めている。米国産WPC-34は弱含みにて推移していおり、直近での急激な相場上昇はないものと予想する。

 

カゼイン情報

主要生産地であるニュージーランド(NZ)がオフシーズンにあり、また、欧州が乾乳期にあるためカゼインの生産量は低く、ユーザーも新シーズンに入るNZの供給動向を見守っていることからカゼイン相場に大きな変動は見られない。NZが新シーズンに入れば、カゼイン生産は順調に進むことが見込まれるが、価格については脱脂粉乳の相場低迷の影響を受けてカゼイン価格も低調に推移するものと思われる。

 

乳糖情報

欧州産乳糖は弱含みで推移している。好調なチーズ生産を背景にプロダクトミックスである乳糖の生産は安定している。需要面では第3四半期までのタイト感が薄れてきており、需給バランスの取れた状態に近づいてきている。米国産乳糖も弱含みで推移している。好調な乳糖生産の一方で米国内の乳糖在庫は積み上がっており、今後も相場は軟調に推移するものと思われる。

 

チーズ情報                                                      

ドイツの2017年上半期のチーズの輸出量は前年同期比1%増に留まったものの、輸出先に大きな変動があり、EU域外向けが22%増となった。チリ向けが2倍以上に増え、韓国も2倍、日本は33%増、米国は20%増、スイスは17%増となった。

 

国内情報

農林水産省が発表した7月の全国生乳生産量は61万180トンで前年同月比3.3%減であった。7月の全国的な猛暑は生乳生産量の急減をもたらし、8月下旬以降の需給に危機感が広がったが、8月の天候不順による牛乳消費の減退と堅調な生乳生産により逼迫していた需給は落ち着きを取り戻した。しかしながら、9月は飲用最需要期を控えており酪農乳業関係者は警戒感を弱めていない。

2017年8月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

粉乳相場は落ち着きを見せ始めている。脱脂粉乳はオセアニア産及び米国産に競争力があり、次いで欧州産という構図は変わらない。サプライヤーの中には高利益が見込めるチーズとホエイのプロダクトミックスにシフトする動きを見せつつあり、不安定な相場に逆戻りする恐れもある。全粉乳については欧州やオセアニアのサプライヤーが高値で取引される乳脂肪製品の生産に重きを置いているための供給量は限られている。6月には中国の全粉乳輸入量が前年同月比57%と大幅に伸び、今後の相場変動は中国の動き次第と言える。

 

バター情報

欧州産バター相場は7月に入りこれまでの勢いは止まったものの、下がる様子は見られず高値圏を維持している。欧州の乳業メーカーの多くがバターと脱脂粉乳のプロダクトミックスよりもの高利益が期待できるチーズとホエイの組み合わせを好んでおり、バターの更なる価格高騰も考えられる。オセアニア産バター相場は依然堅調で、オファーの入手が非常に困難な状況が続いている。米国産バター相場は他主要産地のバター価格が上昇したことで相対的な価格競争が生じているものの国内需要が強く、輸出に向けるほどの余力はない。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーの相場は若干の弱含みにて推移している。需要が落ち着き始め、在庫水準がやや重たいレベルとなってきている。欧州産ホエイパウダーについても同様の状況である。引き続きアジア圏を中心とした各国からのチーズの需要が強いこともあり、副産物であるホエイパウダーの生産量も増加傾向にあるため、相場は今後も若干の弱含み傾向とみられる。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は大きな変動は見られない。主要産地であるニュージーランド及び欧州が季節的要因でカゼイン生産が減少しているものの、旺盛なバター需要に伴い、バターの副産物からなるカゼインの生産量は予想通りを維持している。今後はニュージーランドが新シーズンに入ることから、カゼインの生産も増加することが見込まれる。

 

乳糖情報

欧州の乳糖相場は横ばいで推移している。EU介入在庫の影響でバターと脱脂粉乳のプロダクトミックスからチーズの生産へシフトしているため、乳糖の生産は安定している。今後も大幅な相場変動は考えにくい。米国産乳糖相場は弱含みで推移している。好調な生乳生産を背景に乳糖生産は増加している一方で、オセアニア及び東南アジアからの需要が伸びていることから需給バランスが取れた状態にある。

 

チーズ情報

米国では5月の乳製品輸出額が前年同月比34%増の5億8,900万ドルとなった。特にメキシコ向けチーズの輸出額が記録的に伸びており、71%増の1億5,200万ドル、中国向けは48%増、カナダは29%増、日本向けは84%増ととなった。輸出量は前年同月比15%増の16万9,648トンで、その内約30%がメキシコ向けであった。

 

国内情報

農林水産省が発表した6月の全国生乳生産量は61万4,466トンで前年同月比1.9%減であった。Jミルクが7月末に発表した需給見通しでは、2017年度の全国の生乳生産量は前年度比-1.6%減としている。7月に入ってからは猛暑の影響で生乳生産量が大きく減少しており、北海道の速報値では7月中旬が96%と大きく落ち込んでいる。

2017年7月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

脱脂粉乳はオセアニア産、米国産が市場を牽引しており、次に欧州産がくるが、その差は縮まってきている。今後は、欧州の政府介入在庫の放出、オセアニアの新シーズン開始に伴う供給量の増加、また、米国での順調な生乳生産を背景に軟調に推移することが期待される。一方でより利益率が高い商品の製造へ切り替える動きもあり、このトレンドが広がれば脱脂粉乳の供給がタイトになる可能性も考えられる。さらに、中国の輸入量が増えてきていることから同国の動向にも注目したい。

 

バター情報

6月の欧州産バターの相場は先月に続き大幅に上昇し、史上最高値を更新した。毎週EUR100/MT以上値上がりしている状況である。オセアニアのバター相場も上昇しており、欧州域内の乳脂肪需要が旺盛であるのと同様に豪州国内の需要も好況が続いている。米国産バター価格は欧州産と比較すると割安感があるものの、2017年積みは売り切れの声が聞こえてくる。しかしながら、過去5年間の平均在庫量と比較すると1万7,000トン多い状況であり、今後の在庫量次第では、輸出市場に再登場する可能性が考えられる。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダーの相場は若干の弱含みにて推移している。背景には4月以降のアジアからの需要の弱まりが考えられる。一方で、欧州産ホエイパウダーの相場は高値圏で安定している。生産量、在庫量ともに適正水準にあり、需給バランスがとれた状態である。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は方向感のない展開が続いている。欧州ではカゼイン生産が安定しているものの、オセアニアでは季節的要因により生産量が減少している。また、ほとんどの需要家が第3四半期の買い付けを済ませており、引き合いは活発でない状況だ。この先相場が大きく上昇することはなさそうだが、プロダクトミックスの観点からバターよりもチーズの生産が増えれば、原料の供給がタイトになる可能性がある。

 

乳糖情報

欧州の乳糖相場は横ばいで推移している。背景には欧州産乳糖の生産が順調であること、また、ラマダンに伴う中東需要の減少により供給のタイト感が徐々に薄れてきていることが挙げられる。米国産乳糖は生産量が増加しているものの、引き合いが活発でなく、また、アジア向けの需要が落ち着いているため、米国産乳糖相場は横ばいまたはやや弱含みにて推移しており、今後も続くものと思われる。

 

チーズ情報                                                      

米国の4月のチーズ輸出量は2万6,900トンで前年同月比26.9%増であった。その中でもチェダーチーズの輸出量が前年同月比75%増と突出して増加しており、その主な輸出先はオーストラリア、日本、メキシコ、フィリピンであった。米国の4月の全乳製品の輸出量は昨年同月比で12%上昇し、16万2,400トンであった。

 

国内情報

農林水産省が発表した5月の全国生乳生産量は64万5,243トンで前年同月比1.2%減であった。Jミルクは今夏に牛乳類の需要が0.1%増加すると見込んでおり、都府県へ向けて道外移出する生乳は20%強の大幅な拡大が必要と発表した。一方で、ホクレンが発表した5月の用途別販売乳量によると、生乳の道外移出はJミルクの見通しを下回っており、飲用牛乳の消費が落ち着き始めているという見方もできる。