2016年4月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

脱脂粉乳・全脂粉乳相場は先月に続き低調に推移している。脱脂粉乳相場は引き続きEU産が市場を牽引、全脂粉乳相場についてはこれまで豪州産が牽引してきたが、EU産でも価格競争力があるものが出てきている。このように粉乳相場は、EU産の価格に牽引されて推移していることから、EU産の価格に注目している。EUでは減産政策を進めており、現況を改善できるかが期待される。

 

バター情報

年初より下落基調が続いていた欧州産バター相場は、3月後半より緩やかに上昇した。しかしながら、国際需要は依然回復しておらず、4月以降乳生産量も増加する季節であることから、本格的な相場上昇開始には繋がりにくい。オセアニアではNZ・豪州産共に下落。また米国産バター相場も前月比6%下落となったが、堅調な国内需要に支えられ、依然国際相場よりはるかに高い価格での推移となっている。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダー相場は、1月末に堅調に転じた後、2月・3月は大きな値動きはなくほぼ横ばいでの推移となった。EU産ホエイパウダー相場については潤沢な在庫により、引き続き軟調にて推移している。また米国産WPC-34の相場は先月に続き横ばいか若干の強含みにて推移している。

 

カゼイン情報

好調な生乳生産と本格的な需要回復がない中、カゼイン相場は軟調な推移が続いている。欧州ではEUでの脱脂粉乳の政府介入措置、フランスでは政府による生乳生産調整を伴う補助金支給といった政策がとられているものの、国際需要の回復がなければ効果は限定的と思われ、カゼイン相場は今後も低調に推移していくものと考える。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は堅調に推移している。欧州では3月の脱脂粉乳の介入在庫持ち込み数量増加の影響により、チーズ・ホエイ生産量が減少傾向、乳糖生産量も減少した。また米国では昨年より続いている生産調整により1月の乳糖生産量は前年同月比5.5%減、在庫量も前年同月比10.5%減となっている。乳糖生産量は減少傾向にあるものの、国際需要は依然低迷していることから、乳糖相場の急激な価格上昇はないと思われる。

 

チーズ情報

2015年度1-12月の日本のチーズ輸入量は、欧州産を中心にロシアを抜いて単独首位となった。これはロシアの禁輸措置、中国の粉乳需要の減少、EU生乳生産割当制度の撤廃(2015年3月末)により、ナチュラルチーズを含む乳製品相場が大幅に下落したことが主な要因と考える。米国産チーズについては欧州産と比較すると未だ価格は割高感が拭えておらず、2016年も引き続き欧州産チーズが日本の輸入チーズのシェアを占めると思料される。

 

国内情報

2016年2月の全国生乳生産量は前年同月比3.9%増となり、9ヶ月連続で前年を上回った。地域別では北海道が前年同月比5.8%増、都府県が2.8%増となっており、都府県では5ヶ月ぶりに前年を上回った。またホクレン農業協同組合連合会は平成28年度用途原料乳価格について、前年度価格据え置きと発表。この背景にはTPPの不透明さ、生産コストの下落、生乳生産量・在庫量の増加等があげられる。今回乳価格据え置きとなったが、今後も国内需給動向を注視する必要がある。また酪農家の離農加速の影響により、3年後には乳牛不足が一段と深刻化する見通しとなっている。

 

2016年3月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

各生乳地域において供給過多の状態は続いており、粉乳相場は先月に引き続き軟調な推移となっている。脱脂分乳の価格競争力は、EU・米国・NZが同水準、次いで豪州となっているが、全粉乳については豪州の価格が最も競争力を有している。EUでは生乳生産量が好調ではあるものの、脱脂粉乳と比較して全粉乳生産は利益率が悪いことから、積極的には行っていない様子。

 

バター情報

2月の欧州産バターは、好調な生乳生産量をうけ続落、相場は2012年6月以来のEUR2,500/MTを下回った。またオセアニアにおいてもNZ・豪州産共に下落し、2015年11月以来のUSD3,000/MTを下回っている。米国産バター相場も2月に入り急落したが依然国際相場に比べれば高い価格となっている。

 

ホエイ情報

軟調に推移していた米国産ホエイパウダー相場だが、1月末よりやや堅調に傾き始めている。米国産に対する需要低迷により底値に達したと判断をした需要者の買いが入り、緩やかに上昇している模様。供給面では依然好調に推移していることから、今後の相場動向を注視したい。欧州産ホエイパウダーについては依然軟調に推移、米国産WPC-34の相場も安定的または若干の強含みでの推移となっている。

 

カゼイン情報

乳製品全般の低調な市況を背景に、カゼイン相場は下げ基調が止まらず、軟調な推移が続いている。供給面では昨年より生産は好調、在庫は潤沢な状況の中、需要面では全体的に低調となっており、カゼイン相場は今後も軟調な動きが続いていくものと思われる。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は堅調に推移、もしくは徐々に上昇している。低迷を続けていた乳糖相場と潤沢な在庫量により生産調整を行ったことから供給がタイトに転じていること、またタンパク調整用途での需要が増加したことが主な要因と考える。供給面でのタイト感が強まっていることから、今後も相場は堅調に推移すると予想する。

 

チーズ情報

2014年8月より行われている農畜産物禁輸措置により、ロシアの2015年のチーズ輸入量は2013年と比較して半減した。一方で2015年度のパームオイルの輸入量が前年比26%の増加している。禁輸措置によりナチュラルチーズの輸入が出来なくなった代替として、乳脂肪をパームオイルに置換したアナログチーズの製造に注力している模様。

 

国内情報

2016年1月の全国生乳生産量は前年同月比0.6%増となり、8ヶ月連続で前年を上回った。地域別で検証すると北海道が1.7%増、都府県では0.7%減と、都府県の生乳生産に勢いがないことがわかる。これは酪農家の離農により乳牛頭数が減少していることが要因と考える。また1月は都府県での大雪や寒波の影響により、北海道から都府県への道外移出が急増した。

 

2016年2月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

粉乳相場は国際市場における供給過多の状態が継続していることから、低調な推移が続いている。脱脂粉乳では現在EU産が最も競争力を有している。米国ではオファー価格は異なるが、中にはEU産と同レベルの価格を提示するサプライヤーも出ている。全粉乳についてはEU産、豪州産共に同レベルの価格帯で推移しているが、全粉乳の製造は利益率が他商品に比べ低いことから生産には積極的ではない様子。

 

バター情報

1月の欧州産バター相場は年末年始需要の一服感より先月に続き軟調な推移となっている。NZおよび豪州産バターは季節的要因により生乳量が減少しており、相場はほぼ横這いに推移した。一方、米国産バターは先月急落したものの1月に入り上昇、国際相場から頭一つ抜けた価格帯での推移となっている。3月にはイースター休暇も控えているため、更なる相場上昇の可能性も否めない。

 

ホエイ情報

米国産・欧州産共にホエイパウダーは、好調なチーズ生産に牽引されながら生産量も安定、相場は引き続き軟調な推移となっている。特に欧州産ホエイパウダーについては2009年以降最も低い価格水準で推移している。また米国産WPC-34の相場は安定的に推移している。需給バランスによっては相場が動く可能性もあるため今後注視したい。

 

カゼイン情報

各乳産地での生乳生産量は好調を維持しており、カゼイン生産も好調、相場は引き続き軟調に推移している。今後については中国での「一人っ子政策」解禁に伴い、育児粉乳用などの需要増が期待されており、軟調に推移してきた乳製品市場に上昇期待が高まってきていることから、カゼイン相場も上昇機会をうかがう展開になってくると思われる。

 

乳糖情報

低いレベルでの推移を続けてきた欧州産乳糖相場だが上昇に転じ始めた。要因としては、供給面では相場下落の影響から乳糖生産を他のホエイ製品に切り替えるメーカーが出始めたこと、需要面ではオセアニアからの脱脂粉乳蛋白調整用途としての需要増が考えられる。また米国産乳糖も同様に相場は上昇に転じた。今後については米国産が第2四半期にかけても続伸した場合、欧州産も強含みに推移することが予想される。

 

チーズ情報

2015年1月から12月において日本が世界一のチーズ輸入国となる見通しであると、USDA(米国農務省)が発表した。未確定値ではあるが同期間の日本のチーズ輸入量は24.5万トンに達し、長年首位であったロシアを大きく上回る見通しである。この背景には農産物禁輸措置等による、ロシアのチーズ輸入量の激減したことと、2015年は世界的にチーズ価格が下落したことが主な理由と考えられている。

 

国内情報

2015年12月の全国生乳生産量は前年同月比1.1%増となり、7ヶ月連続で前年を上回った。また2015年の生乳生産量は前年比0.6%増となり、2012年以来3年ぶりの増産となった。しかしながら、Jミルクが発表した2016年度の生乳需給見通しでは、全国生乳生産量は前年対比0.6%減との予測となった。これは生乳生産量が北海道では引き続き増加傾向が続くものの、都府県では乳牛頭数が依然減少基調であることから、生産量は前年を下回るとの予測となっている。