2016年12月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

先月に続きEUおよび豪州では生乳生産量が昨年対比、減少傾向にあり粉乳相場は強含みにて推移している。11月に入りgDTオークション価格は全粉乳・脱脂粉乳共に大幅に上昇、オセアニアの乳業各社が支払乳価を値上げしたことも相場上昇要因の一つであると考えられる。脱脂粉乳は米国・EU産が共に競争力があり、全粉乳においてはEU・オセアニア産が同水準で共に強含みでの推移となっている。

 

バター情報

11月のバター相場は欧州産・オセアニア産共に先月に続き強含みにて推移している。欧州・豪州共に生乳生産量が伸び悩む中、クリスマスに向けて旺盛な需要により価格が上昇している模様。一方、米国では安価な飼料価格と安定した乳価により、生乳生産量は好調に推移。季節的にバター需要は旺盛となっており、需要が落ち着くまでは価格は強含みで推移すると予想する。

 

ホエイ情報

米国産ホエイパウダー相場は横ばいにて推移。9月の米国産ホエイパウダーの輸出量は前年同月比36%増となっており、1月から9月の累計輸出量を見るとベトナムへの輸出が前年同月期比67%増と大幅に増加している。欧州産ホエイパウダー相場は、引き続き在庫にタイト感があることから、横ばいもしくはやや堅調に推移している。米国産WPC-34の相場は横ばいもしくはやや堅調に推移している。

 

カゼイン情報

10月に一旦調整局面に入ったカゼイン相場は、再度上昇の兆しが見え始めている。欧州・オセアニア地域での生乳生産低迷により依然タイト感は変わらず、10月にこれまで続いていた価格上昇によりユーザーの買い意欲低迷から一旦下落したが、11月に入り引き合いが伸びてきている事が、価格上昇の主な要因と考える。ユーザーが来年度必要分の買付を再開すれば、カゼイン価格は再び上昇に転じていくものと思われる。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は前月に続き堅調な推移が続いている。欧州では季節的要因および欧州委員会の生乳減産計画により乳糖生産も低調に推移、一方で域内の育児粉乳需要は依然好調を維持しており、不足分を米国産で補うほどのタイト感となっている。米国産では引き続き好調なチーズ生産により、乳糖生産も好調を維持しているが、EU産に対して価格競争力が出てきている事から、国際的な引き合いが増加しているため依然タイトな状況が続いている。

 

チーズ情報

現在、欧州地域ではオランダにおいて、家畜から排出されるリンの排出規制が大きな懸念材料となっている。EU政府とオランダの合意の中でリン排出量の上限が定められているが、2015年通年で18万トン超過、2016年通年も超過の見通しとなっている。2017年度排出量上限の範囲内に治める為には乳牛を16万~17.5万頭を減らす必要が出てくるとの試算がなされている。本規制により生乳生産量の減産が進んだ場合、チーズ供給量および価格が大きく変動することも考えられることから、引き続き注視が必要である。

 

国内情報

2016年10月の全国生乳生産量は前年同月比0.5%減となり、先月に続き2ヵ月連続の減産となった。8月まで15カ月連続の増産であったが、9月以降北海道での生産量が鈍化している。11月以降も急速な気温低下により道内生乳生産量は減少傾向となっており、今後も急激に回復する見込みはなく、前年を下回って推移する模様とホクレンは予測している。

 

2016年11月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

EU、及び豪州では生乳生産量が昨年対比、減少傾向にあり、粉乳相場は先月から引き続きじりじりと

強含みにて推移している。EUや豪州等は、乳価が酪農家にとって依然、低いレベルで取引されている為、酪農家の生産意欲は弱く、供給面で悪い影響が出ている。一方、米国およびNZでは生乳生産は好調に推移している為、脱脂粉乳相場は米国産、全粉乳相場ではNZ産が最も価格競争力を有している。

 

バター情報

上昇幅は多少緩やかになったものの、10月の欧州産・オセアニア産バター相場は前月に続き上昇した。主な要因としては、低乳価の影響に加えオセアニア地域では大雨の影響により国際的集乳量は減少傾向、また両地域において利益率の良い製品を製造するためのプロダクトミックスの見直しを行っていることから、脱脂粉乳・バター生産量が減少していることがあげられる。一方で、米国産バターは感謝祭・クリスマス等の最需要期にも関わらず、潤沢な在庫量に起因し相場は前月に続き下落した。

 

ホエイ情報

米国産・欧州産共に製造者在庫は余剰がない状況が続いており、ホエイパウダー相場は引き続き堅調な推移となっている。米国では生乳生産量およびチーズ生産の回復がみられるものの、国内需要が強まる時期であることから、相場下落までには至っていない。また、飼料用ホエイパウダーならびにホエイ製品相場は横ばいで推移している。米国産WPC-34については、前月に続き堅調な推移となっている。

 

カゼイン情報

上昇を続けてきたカゼイン相場だが、10月に入り一転、下落傾向となった。欧州・オセアニア共に生乳生産低迷により供給面では依然タイト感はあるものの、これまで続いていた価格上昇懸念からユーザーの買い意欲は低迷、在庫に多少の余裕が出てきており、カゼイン相場下落につながったと思われる。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は前月に続き堅調な推移が続いている。欧州では集乳量低迷の影響から、乳製品一般の生産量が下落、乳糖生産も低調に推移しており、今後も引き続きタイトな状況が続くと思われる。一方で米国産においては、好調なチーズ生産に起因し乳糖生産量も増加傾向ではあるが、国内外の需要が高まってきていることから、引き続きタイトな状況が続くと思われる。

 

チーズ情報

欧州ではロシア向け輸出禁輸措置が継続しているが、禁輸措置が取られる前の2013年1月-8月と本年同時期のEU28ヶ国のナチュラルチーズ輸出量を比較したところ、0.6%増加していることがわかった。米国・日本・韓国・アルジェリア向けの輸出が増加を後押ししている模様。一方米国では飼料コスト安により生乳生産意欲が依然高く、チーズ生産量も引き続き好調に推移しているが、底堅い国内需要により相場は若干軟調な推移となっている。

 

国内情報

2016年9月の全国生乳生産量は前年同月比1.2%減となり、16ヶ月ぶりの前年割れとなった。これは8月の蒸し暑さや台風の影響で、これまで牽引していた北海道の生産量が鈍化した影響が大きい。地域別では北海道が前年同月比0.1%増、都府県は3.6%減と都府県は3月以降7ヶ月連続で減産となっている。

 

2016年10月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

脱脂粉乳・全粉乳の国際相場は堅調に推移している。欧州では生乳生産量を減産した酪農家に補助金を支払うという減産政策の施行、またオセアニアでは大雨の影響により国際的に生乳生産量が減少するとの見方が強く、供給量の減少が懸念される。また中国を始めとする国際的需要も徐々に増加していることから、粉乳相場は引き続き上昇する可能性がある。

 

バター情報

欧州産・オセアニア産共にバター相場の上昇が止まらない。特に欧州産については、今年安値圏の4月から9月までの半年で価格は倍近く上昇、短期の上げ幅では史上最高レベルを記録している。生乳生産量は欧州では減産の影響、オセアニアでは天候不順の影響から減少傾向にある。年末需要は引き続き強いことから相場下落の要因は見当たらない。一方米国産バターは、夏季のアイスクリーム需要が落ち着いたことからクリームがバター製造に向けられ、生産量・在庫量共に上昇、相場は弱含みの推移となっている。

 

ホエイ情報

米国産・欧州産共にホエイパウダー相場は堅調な推移が続いている。米国産については、タンパク含有量の高い濃縮ホエイへの生産シフトが進んでおり、ホエイパウダー生産量が低調、国内在庫量も減少傾向となっている。欧州産については、中国を始めとする国際的需要が好調に推移、相場は過去一年間で最も高い水準での動きとなっている。また米国産WPC-34については、製品品目の切替により在庫量減少傾向である中、育児粉乳用途としての需要が集中していることから価格は強含みで推移している。

 

カゼイン情報

欧州産・オセアニア産共にカゼイン相場は上昇している。両地域での生乳生産量の減少が見込まれていることからカゼイン生産量も減少傾向、供給のタイト感から需要者の買い意欲が高まっている模様。今後もカゼイン相場は上昇傾向が続くものと思われる。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は堅調な推移が続いている。欧州では減産に伴い、チーズ生産量も減少、また原料ホエイ・乳糖生産量も低調に推移している。需要面では引き続き好調に推移していることに加え、年末需要も控えていることから、今後もタイトな状況は続くと思われる。米国産乳糖については、欧州産の逼迫感により米国産に引き合いが集まっており、引き続き相場は堅調な推移が続くと思われる。

 

チーズ情報

欧州では乳製品需要の安定を目的とし、欧州委員会は今年7月に酪農家に対し約585億円の緊急支援金交付を発表したが、9月にそのうちの176億円を生乳生産奨励対策に充当するとした。これを受け欧州27か国、52,000戸以上の酪農家が参加、2016年10月~12月の生乳合計が前年同月比106万トンの減産が確約された。脱脂粉乳・バターへの生産シフトによりチーズ製造向けの配乳が減少傾向となっている中、集乳量も減少と更なるチーズ価格上昇が懸念される。

 

国内情報

2016年8月の全国生乳生産量は前年同月比0.3%増となり、月別では15ヶ月連続で前年を上回ったが、8月下旬以降は北海道に接近・上陸した台風の影響や猛暑の影響、その他乳房炎の発生件数増加などにより減産に転じている。地域別では北海道が8月上旬は好調であったことから前年同月1.6%増、都府県では1.1%減と6ヶ月連続で減産となっている。