2017年5月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

オセアニアは乾乳期のため生乳の供給が限られている一方で、EU・米国の生乳生産量は比較的好調に推移しており、脱脂粉乳・全粉乳ともに十分に製造されている。特に、脱脂粉乳は、バターやクリームなどの脂肪需要が強いことから、副産物である脱脂粉乳の供給もしばらくは安定的である見通しだ。中国・中東・北アフリカ・東南アジアからの需要が徐々に強くなってきているものの、需給バランスが崩れる可能性は低いと思われる。

 

バター情報

欧州のバター相場は引き続き高値圏にあり、在庫量は記録的に低い水準である。生乳生産量は回復傾向にあるものの増加分は採算性の高いチーズの製造に使われると予想される。オセアニアのバター生産量は対前年比大幅に減少しており、相場は堅調に推移している。米国はバターの在庫量が大幅に増えている一方で、強い乳脂肪需要により、今後も高値が続くと予想される。

 

ホエイ情報

年初来堅調に推移していた米国産ホエイパウダーの相場は若干の弱含みに転じた。生産量は対前年比で増加傾向にあるものの輸出量も増加しており、急激な相場変動はないと考えられる。欧州産ホエイパウダーは若干の弱含みから安定して推移している。高値圏にあるものの年初来の堅調な動きからは脱したように見られる。今後注視するのはアジア向けの需要や欧州での生産動向である。

 

カゼイン情報

カゼイン相場は横ばいあるいは若干の強含みで推移した。EUでは相場が下落している脱脂粉乳に代わり、カゼインへ生産をシフトする動きが見られた。また、この先、オセアニアの供給が季節的要因で増えることを加味すると、カゼイン相場の大幅な上昇は考えにくく、徐々に横ばい・弱含みに状況が変わっていくことが予想される。

 

乳糖情報

欧州・米国の乳糖相場は横ばいから緩やかに上昇している。欧州における乳糖生産量は安定している一方で、域内及び中国向け育児粉乳用途の需要が旺盛で品薄感が続いている。米国においては、好調な乳糖生産を維持しており、旺盛な中国向け育児粉乳用途の引き合いにより在庫量は対前年同月比8%減少しているものの、製菓用途などの需要が落ち着きを見せているため、需給のバランスは均衡が取れた状態に近づいてきている。

 

チーズ情報

2016年のドイツにおけるチーズの輸出量は対前年比0.7%増の118万トンで過去最高を記録した。EU域外への輸出量は8.5%増で、主な輸出先はスイス、日本、米国、韓国であった。EU域内への輸出量は1.2%減少し、オランダは-5.3%、英国は-2.3%であった。

 

国内情報

農林水産省が発表した3月の全国生乳生産量は63万4,357トンで対前年同月比1.5%減となった。北海道では生乳生産が前年割れしたことに加え、飲用需要の増加と道外移出の大幅な増加により、道内の乳製品工場では原料乳を十分に確保できず、学校給食がない春休みの期間にバターや脱脂粉乳等の在庫を十分に積み増せなかった。

2017年4月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

国際的な粉乳相場は軟調な推移となっている。オセアニアでは閑乳期に差し掛かっていることから供給にタイトさがみられるが、EUおよび米国では生乳生産が好調に推移していることから、GDT平均価格は全粉乳・脱脂粉乳共に先月対比大幅に下落した。今後しばらくは供給力のあるEU産・米国産に需要が集中することが予想される。需要面では中国の粉乳輸入量が増加傾向となっており、今後の状況に注視する必要がある。

 

バター情報

2月に若干軟化傾向にあった欧州バター相場は3月に入り上昇した。需要面ではバター・乳脂肪需要が依然強い一方、供給面ではEU主要28か国の2017年1月のバター製造量は前年同月比0.8%減、中でもオランダが14.3%減と著しい。これはリン排出規制基準値保守の為、乳牛頭数を減らしたことにより集乳量が減少、バター生産量大幅減の要因となっている。またオセアニア産、米国産についても、世界的に強い需要に支えられ相場は堅調に推移している。

 

ホエイ情報

米国産・欧州産共にホエイパウダー相場は国際的な需要が依然強いことから高値水準での推移となっている。米国産については高値推移の影響により東南アジアからの引き合いは弱まりつつあり、さらに中国国内にも十分な在庫があることから、今後米国産相場は徐々に落ち着いていくものと予想する。EU産については域内需要ならびに輸出が好調であることから、現行の高値水準が続くと予想されているが、米国同様に弱含む可能性もある。また上昇を続けていた米国産WPC-34の相場は横ばいでの推移となっている。

 

カゼイン情報

相関関係の強い脱脂粉乳価格は欧州・オセアニア共に下落基調にある一方で、カゼイン相場は横ばいから堅調な推移となっている。供給面では天候不順により前年対比大幅な減少が予想されていたニュージーランドの集乳量は順調に推移、カゼイン生産も順調な推移となっている。欧州においては、集乳量は好調に推移しているものの採算性の問題によりカゼイン生産を止めたことでタイト感が出ており、価格は短期的に上昇した。今後については脱脂粉乳価格が低迷していることから、カゼイン相場の下げ圧力は強まる事が予想される。

 

乳糖情報

欧州産・米国産共に乳糖相場は引き続き大きな変動なく横ばいでの推移となっている。欧州では好調なチーズ生産に起因して原料ホエイ・乳糖の生産も安定的に推移、また域内および国際的な引き合いは引き続き強く、価格は横ばいにて安定している。しかしながら脱脂粉乳相場が下落傾向であることで、脱脂粉乳製造量も減少傾向、今後蛋白調整用途としての乳糖需要は減少するとの見方もあり、堅調に推移していた欧州産乳糖相場の潮目が変わる可能性もある。米国産については今後しばらく横ばいでの推移が続くと予想する。

 

チーズ情報                                                      

2017年度2月の中国のチーズ輸入量は前年同月比約41%増加している。中国における主要都市部の人口増加・食生活の欧米化の進行により、チーズ需要は年々高まりを見せており、中国国内では一般的な西洋料理に加え中国固有の料理やお菓子にも乳製品使用を勧め、更なる消費拡大を図っている。今後も中国のチーズ需要は伸長すると予想され、ナチュラルチーズ国際相場にも大きな影響を及ぼす可能性もあることから、引き続き中国の動向に注視したい。

 

国内情報

2017年2月の全国生乳生産量は前年同月比4.9%減と大幅な落ち込みとなった。地域別では北海道が前年同月比5.1%減、都府県では4.6%減となっている中、2月の生乳道外移出量が前年比22%増と大幅に拡大しており、北海道の乳業メーカーは乳製品向け生乳を十分確保できない状況が続いている。3月10日にホクレンは乳製品向け生乳6万トンの一般競争入札を実施、全量落札された。今後の乳製品市況が不透明であることから、乳業メーカー間の競争が過熱、競争倍率は4.33倍、最高落札価格は\108/kgと飲用向け乳価(\117.4/kg)に迫る水準となっている。

2017年3月乳製品情報

脱脂粉乳・全脂粉乳情報

欧州・豪州ともに生乳生産量は前年対比減少傾向であるものの、粉乳相場は脱脂粉乳・全粉乳共に若干の弱含みでの推移となっている。相場軟調の背景には2月は中国や東南アジアでは旧正月時期ということもあり、国際市場からの需要が弱かったことが主な要因と考える。現在、脱脂粉乳相場はEU産が最も競争力を有しており、次いで米国、オセアニアとなっている。また全粉乳においてはEU産及びNZ産が同価格帯での推移、豪州産は供給力がない状況となっている。

 

バター情報

2月の欧州バター相場は全体的には軟調傾向となった。これまで世界との価格差があった欧州バターだが、為替の影響もあり値差が縮まりつつある。またオセアニア地域では、豪州産バターおよびバターオイルの12月生産量がそれぞれ前年同月比20.3%減、46.2%減と大きく落ち込んでいることにより、相場は堅調に推移している。一方、米国産バターについては、在庫量が前月比34.3%増と大幅に増加しており、相場は弱含みでの推移となっている。

 

ホエイ情報

米国産・欧州産共にホエイパウダー相場は堅調に推移している。米国産・欧州産共に中国を始めとする国際的な需要が依然強いことから相場は今後も堅調に推移すると予想する。また、米国産WPC-34の相場は上昇を続けている。WPC-80やWPIの需要増によりWPC-34の生産量が減少しており、在庫量もタイトな状況となっていることが主な要因と考える。

 

カゼイン情報

様子見の状態が続いていたカゼイン相場だが、需要面では大きな変化はなく停滞傾向、供給面では供給力が予想ほど減少していなかったことからカゼイン相場は短期的に下落した。しかしながら、世界的な生乳生産量は減少傾向との見方は変わっておらず、カゼインの長期的なトレンドとしては上昇基調にあるものと予想する。

 

乳糖情報

欧州産・米国産ともに乳糖相場は前月に続き堅調な推移となっている。欧州では生乳量減少に伴い乳糖生産も減少傾向、需要面では域内および中国からの育児粉乳の蛋白調整用途は引き続き強く、タイト感が続いている。米国産ついては好調なチーズ生産に起因して乳糖生産も好調に推移しているが、育児粉乳用途・菓子用途としての需要も強くタイトな状況が続いている。

 

チーズ情報                                                      

近年、中国では主要都市部の人口増加や食生活の欧米化の進行を背景にチーズの輸入量が増加している。特にピザやデザート需要の高まりを受け、2016年のナチュラルチーズ輸入量は前年対比約54%増と著しい。主な輸入先はニュージーランドとオーストラリアで全体の90%以上を占めている。中国は両国とFTAを締結しており低関税での輸入が可能となっていることが、輸入量増加の大きな要因の一つとなっている。世界的な集乳量は減少傾向であり、チーズ供給量についても不安視される中、中国需要は今後も伸長すると予想され、世界的な需給バランスへの影響が懸念される。今後も中国需要には注視して行きたい。

 

国内情報

2017年1月の全国生乳生産量は前年同月比1.4%減となり減産傾向が続いている。年末以降、飲用向け需要が堅調に増加していることから、ホクレンの1月の脱脂粉乳・バター等向けの乳量は前年比12%減と大幅に減少している。この状況を受け、農畜産業振興機構(ALIC)は脱脂粉乳およびバターを輸入する方針を発表した。ALICは3月以降も毎月輸入入札を実施する考えではあるが、国産品のみを使用している国内ユーザーも多く、輸入品への置き換えにも限界があるのが実情であることから、入札結果を含め今後も注視して行きたい。